アンシャン=レジーム
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2020年1月31日 (金) 01:39の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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1 アンシャン=レジームの由来 | 1 アンシャン=レジームの由来 | ||
- | アンシャン=レジームとはフランス革命以前の封建制度時代を表す。フランス革命が起こる以前の16~18世紀に、ブルボン王朝が行なっていた | + | アンシャン=レジームとはフランス革命以前の封建制度時代を表す。フランス革命が起こる以前の16~18世紀に、ブルボン王朝が行なっていた絶対王政による政治、社会体制を表す言葉を「アンシャン・レジーム」と呼ぶ。フランス語でアンシャン=レジームとは「古い体制」の意味である。通常は「旧制度」と訳し、フランス革命前の、絶対王政下のフランスの政治・社会のありかたをいう。フランス人の政治思想家アレクシス・ド・トクヴィルの『アンシャン・レジームと命』や、哲学者イポリット・テーヌの『近代フランスの起源』などの著書で用いられたことから、用語として定着した。 |
- | 絶対王政による政治、社会体制を表す言葉を「アンシャン・レジーム」と呼ぶ。フランス語でアンシャン=レジームとは「古い体制」の意味で | + | |
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2 制度内容 | 2 制度内容 | ||
- | アンシャン・レジームの特徴は、身分制度にある。国民は、聖職者で構成される「第一身分」、貴族で構成される「第二身分」、市民と農民で | + | アンシャン・レジームの特徴は、身分制度にある。国民は、聖職者で構成される「第一身分」、貴族で構成される「第二身分」、市民と農民で構成される「第三身分」の3つに分けられていた。ブルボン朝の国王を頂点とし、聖職者である第一身分、貴族である第二身分が特権階級とされており、彼らは数の上では少なかったにも関わらず、国土の大半を領有する封建領主として農民を支配し、免税特権を認められていた。それ以外の大多数の都市の商人、農民など特権を持たない人びとは第三身分とされ、特に農民は農奴として重い負担に苦しめられていた。パリなどの都市にはブルジョワも成長してきたが、まだ力は弱く、農民と同じく思い課税に苦しみ、参政権も認められていなかった。一方で18世紀のフランス絶対王政は、イギリスとの植民地抗争、ヨーロッパでの領土拡張戦争に明け暮れ、国王の贅沢な生活と共に、国家財政は危機に瀕してきた。そのため、ルイ16世は三部会を開催して貴族への課税を行おうとしたところから、貴族の反発が始まり、そこから一気に王制の打倒にまで到達するフランス革命へと展開していく。 |
- | 構成される「第三身分」の3つに分けられていた。ブルボン朝の国王を頂点とし、聖職者である第一身分、貴族である第二身分が特権階級とされ | + | |
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3 当時の様子 | 3 当時の様子 | ||
- | 第一身分は約12万人、第二身分は約40万人であり、合わせても全人口の2%ほどにしかならない。ただ彼らは特権階級と呼ばれ、国土の大半を | + | 第一身分は約12万人、第二身分は約40万人であり、合わせても全人口の2%ほどにしかならない。ただ彼らは特権階級と呼ばれ、国土の大半を封建領主として支配し、免税特権も有していた。一方の第三身分は約2000万人の農民と約450万人のブルジョワジー(商工業を生業とする中産階級)で構成されていた。3つそれぞれの身分が参加して議論する「三部会」に代表を送る権利はもっていたものの、三部会そのものがほとんど開催されなかった。実質的には国政に関与することはできなかったのだ。 |
- | 封建領主として支配し、免税特権も有していた。一方の第三身分は約2000万人の農民と約450万人のブルジョワジー(商工業を生業とする中産 | + | |
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木村靖二 岸本美緒 小松久男 『詳説世界史B』(2017)山川出版社 | 木村靖二 岸本美緒 小松久男 『詳説世界史B』(2017)山川出版社 |
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1 アンシャン=レジームの由来
アンシャン=レジームとはフランス革命以前の封建制度時代を表す。フランス革命が起こる以前の16~18世紀に、ブルボン王朝が行なっていた絶対王政による政治、社会体制を表す言葉を「アンシャン・レジーム」と呼ぶ。フランス語でアンシャン=レジームとは「古い体制」の意味である。通常は「旧制度」と訳し、フランス革命前の、絶対王政下のフランスの政治・社会のありかたをいう。フランス人の政治思想家アレクシス・ド・トクヴィルの『アンシャン・レジームと命』や、哲学者イポリット・テーヌの『近代フランスの起源』などの著書で用いられたことから、用語として定着した。
2 制度内容
アンシャン・レジームの特徴は、身分制度にある。国民は、聖職者で構成される「第一身分」、貴族で構成される「第二身分」、市民と農民で構成される「第三身分」の3つに分けられていた。ブルボン朝の国王を頂点とし、聖職者である第一身分、貴族である第二身分が特権階級とされており、彼らは数の上では少なかったにも関わらず、国土の大半を領有する封建領主として農民を支配し、免税特権を認められていた。それ以外の大多数の都市の商人、農民など特権を持たない人びとは第三身分とされ、特に農民は農奴として重い負担に苦しめられていた。パリなどの都市にはブルジョワも成長してきたが、まだ力は弱く、農民と同じく思い課税に苦しみ、参政権も認められていなかった。一方で18世紀のフランス絶対王政は、イギリスとの植民地抗争、ヨーロッパでの領土拡張戦争に明け暮れ、国王の贅沢な生活と共に、国家財政は危機に瀕してきた。そのため、ルイ16世は三部会を開催して貴族への課税を行おうとしたところから、貴族の反発が始まり、そこから一気に王制の打倒にまで到達するフランス革命へと展開していく。
3 当時の様子
第一身分は約12万人、第二身分は約40万人であり、合わせても全人口の2%ほどにしかならない。ただ彼らは特権階級と呼ばれ、国土の大半を封建領主として支配し、免税特権も有していた。一方の第三身分は約2000万人の農民と約450万人のブルジョワジー(商工業を生業とする中産階級)で構成されていた。3つそれぞれの身分が参加して議論する「三部会」に代表を送る権利はもっていたものの、三部会そのものがほとんど開催されなかった。実質的には国政に関与することはできなかったのだ。
参考文献
木村靖二 岸本美緒 小松久男 『詳説世界史B』(2017)山川出版社