葬送

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2020年1月31日 (金) 20:23の版
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=葬送とは= =葬送とは=
-『広辞苑』によると、「遺体を墓まで葬り送ること。また、葬るのを見送ること。」と書いてある。ここでは、死後、人を送る儀式のこととして取り扱う。葬送は、国、宗教等の文化、社会状況によって大きな違いがある。国際社会の関わりから、葬送についてみていく。+『広辞苑』によると、「遺体を墓まで葬り送ること。また、葬るのを見送ること。」とある。ここでは、死後、人を送る儀式のこととして取り扱う。葬送は、国、宗教等の文化、社会状況によって大きな違いがある。国際社会の関わりから、葬送についてみていく。
=合理主義 対 宗教= =合理主義 対 宗教=
-葬送様式と宗教には深い関係がある。宗教が浸透している国は土葬、近代的な合理社会の国は火葬が多い傾向がある。元々は土葬の文化圏でも、宗教的価値観よりも土地や衛生面などを重視し、効率の良い葬送である火葬を選ぶ国もいる。社会の状況によって、宗教よりも合理的なメリットに重きを置く場合もある。土地、合理的な社会になるにつれて、土葬から火葬に移り変わる傾向がある。世界の葬送を知ることで、その地域の民の価値がどこに置かれているか、価値観を量ることができると言える。+葬送様式と宗教には深い関係がある。宗教が浸透している国は土葬、近代的な合理社会の国は火葬が多い傾向がある。元々は土葬の文化圏でも、宗教的価値観よりも土地や衛生面などを重視し、効率の良い葬送である火葬を選ぶ国もいる。社会の状況によって、宗教よりも合理的なメリットに重きを置く場合もある。土地、合理的な社会になるにつれて、土葬から火葬に移り変わる傾向がある。世界の葬送を知ることで、その地域の民の価値がどこに置かれているか、価値観を量ることができるといえる。
=仏教= =仏教=
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=儒教= =儒教=
儒教は孔子が体系立てた思想体系のことである。絶対的な存在がなく、死後の世界は触れておらず、生活するうえで則るべき考えを説いている。そのため、宗教というよりも思想、規範に近いものである。中国や台湾、香港など東アジア中心に広まっている。「死後抜け出た魂が戻る場所が必要」だという考えに基づき、本来は土葬の宗教である。親孝行をするべきだという考えから、親の肉体を燃やすことを嫌う文化がある。 儒教は孔子が体系立てた思想体系のことである。絶対的な存在がなく、死後の世界は触れておらず、生活するうえで則るべき考えを説いている。そのため、宗教というよりも思想、規範に近いものである。中国や台湾、香港など東アジア中心に広まっている。「死後抜け出た魂が戻る場所が必要」だという考えに基づき、本来は土葬の宗教である。親孝行をするべきだという考えから、親の肉体を燃やすことを嫌う文化がある。
-=中国=+==中国==
1956年に毛沢東が火葬の導入を唱えたことにより、2005年には火葬率が53%となっている。理由としては、都市化が進んだこと、土地の有効利用の考えや衛生観念が強まったことが挙げられる。都市部は火葬、地方は土葬の傾向がある。世代の傾向としては、年配者は土葬、若者は火葬でもよいと考えている人が多い。 1956年に毛沢東が火葬の導入を唱えたことにより、2005年には火葬率が53%となっている。理由としては、都市化が進んだこと、土地の有効利用の考えや衛生観念が強まったことが挙げられる。都市部は火葬、地方は土葬の傾向がある。世代の傾向としては、年配者は土葬、若者は火葬でもよいと考えている人が多い。
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=日本の葬送= =日本の葬送=
日本でもっとも一般的な葬送法は火葬である。日本に火葬風習が入ってきたのは、仏教の伝播と同じころとされる。火葬が一般的になったのは、第二次世界大戦頃である。火葬が仏教とともに広まったわけではないのは、費用が高く、身分が高い一部の者にしかできなかったからだ。日本の古来の葬送方法は土葬であった。日本に火葬が定着したのは、都市化や技術の向上もあるが、日本人が遺体に執着しない特徴があるからだとされる。衛生面、国土の有効活用、効率化から、日本では火葬が行われている。 日本でもっとも一般的な葬送法は火葬である。日本に火葬風習が入ってきたのは、仏教の伝播と同じころとされる。火葬が一般的になったのは、第二次世界大戦頃である。火葬が仏教とともに広まったわけではないのは、費用が高く、身分が高い一部の者にしかできなかったからだ。日本の古来の葬送方法は土葬であった。日本に火葬が定着したのは、都市化や技術の向上もあるが、日本人が遺体に執着しない特徴があるからだとされる。衛生面、国土の有効活用、効率化から、日本では火葬が行われている。
-=葬儀の国際関係=+=葬儀の国際関係=
葬送業界には、国際葬儀連盟という世界90カ国が加盟する国際組織が存在する。2020年の6月には、国際葬儀連盟が開く世界大会が横浜で開催される。 葬送業界には、国際葬儀連盟という世界90カ国が加盟する国際組織が存在する。2020年の6月には、国際葬儀連盟が開く世界大会が横浜で開催される。
葬儀連盟には3つの分野で達成したい目標がある。 葬儀連盟には3つの分野で達成したい目標がある。
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-=環境保護の観点から=+=環境保護の観点から=
==アルカリ加水分解葬== ==アルカリ加水分解葬==
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現在一般的な火葬では、膨大な二酸化炭素が排出される。アルカリ加水分解葬では、二酸化炭素排出量は火葬の10分の1に抑えられる。 現在一般的な火葬では、膨大な二酸化炭素が排出される。アルカリ加水分解葬では、二酸化炭素排出量は火葬の10分の1に抑えられる。
アメリカとイギリスでは、液化させた遺体を下水に流したり、堆肥として利用したりすることが合法となっている。ただ、問題として挙げられるのは、下水処理にかかる負荷だ。二酸化炭素の排出が抑えられるとはいえ、処理にかかるコストは上がる。アルカリ性になったものを中世に戻すためには薬剤を使わなければならないのだ。 アメリカとイギリスでは、液化させた遺体を下水に流したり、堆肥として利用したりすることが合法となっている。ただ、問題として挙げられるのは、下水処理にかかる負荷だ。二酸化炭素の排出が抑えられるとはいえ、処理にかかるコストは上がる。アルカリ性になったものを中世に戻すためには薬剤を使わなければならないのだ。
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=参考文献= =参考文献=

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目次

葬送とは

『広辞苑』によると、「遺体を墓まで葬り送ること。また、葬るのを見送ること。」とある。ここでは、死後、人を送る儀式のこととして取り扱う。葬送は、国、宗教等の文化、社会状況によって大きな違いがある。国際社会の関わりから、葬送についてみていく。

合理主義 対 宗教

葬送様式と宗教には深い関係がある。宗教が浸透している国は土葬、近代的な合理社会の国は火葬が多い傾向がある。元々は土葬の文化圏でも、宗教的価値観よりも土地や衛生面などを重視し、効率の良い葬送である火葬を選ぶ国もいる。社会の状況によって、宗教よりも合理的なメリットに重きを置く場合もある。土地、合理的な社会になるにつれて、土葬から火葬に移り変わる傾向がある。世界の葬送を知ることで、その地域の民の価値がどこに置かれているか、価値観を量ることができるといえる。

仏教

仏教では、火葬が主な葬送法である。由来は、釈迦が火葬されたことにある。仏教には、輪廻転生という思想がある。キリスト教の復活とは違い、魂が同じ肉体に宿るのではなく、別のものに生まれ変わるという考えだ。火葬することで、魂が煙と共に天へ昇っていくと考えられている。

キリスト教

キリスト教では、土葬が中心である。イエス・キリストが磔の刑に処された3日後に復活したという話が根底にある。死者は復活するので、身体を燃やしてはならないと考えられている。

儒教

儒教は孔子が体系立てた思想体系のことである。絶対的な存在がなく、死後の世界は触れておらず、生活するうえで則るべき考えを説いている。そのため、宗教というよりも思想、規範に近いものである。中国や台湾、香港など東アジア中心に広まっている。「死後抜け出た魂が戻る場所が必要」だという考えに基づき、本来は土葬の宗教である。親孝行をするべきだという考えから、親の肉体を燃やすことを嫌う文化がある。

中国

1956年に毛沢東が火葬の導入を唱えたことにより、2005年には火葬率が53%となっている。理由としては、都市化が進んだこと、土地の有効利用の考えや衛生観念が強まったことが挙げられる。都市部は火葬、地方は土葬の傾向がある。世代の傾向としては、年配者は土葬、若者は火葬でもよいと考えている人が多い。

日本の葬送

日本でもっとも一般的な葬送法は火葬である。日本に火葬風習が入ってきたのは、仏教の伝播と同じころとされる。火葬が一般的になったのは、第二次世界大戦頃である。火葬が仏教とともに広まったわけではないのは、費用が高く、身分が高い一部の者にしかできなかったからだ。日本の古来の葬送方法は土葬であった。日本に火葬が定着したのは、都市化や技術の向上もあるが、日本人が遺体に執着しない特徴があるからだとされる。衛生面、国土の有効活用、効率化から、日本では火葬が行われている。

葬儀の国際関係

葬送業界には、国際葬儀連盟という世界90カ国が加盟する国際組織が存在する。2020年の6月には、国際葬儀連盟が開く世界大会が横浜で開催される。 葬儀連盟には3つの分野で達成したい目標がある。 一つは、国を超えて人が亡くなった時の遺体搬送、葬儀の仕方についての情報共有だ。国や宗教ごとに火葬にするか、土葬か、それとも別の方法か葬送の形は異なる。海外で亡くなってしまったときの遺体運搬、葬儀方法などの対応をどうするのか、国際的なルールを決めて、情報を共有していく予定だ。 二つ目は、葬送文化をユネスコに無形文化遺産として登録することだ。葬送の儀礼文化は、国ごとに独自の特色があり、脈々と受け継がれてきた伝統文化だ。登録することにより、国際的に葬儀文化を守り、継承していくことを目標としている。 三つ目は、国際的な研修制度をつくることだ。海外の葬儀事業者間で研修生を送りあうことで、文化の違いを身で実感することができ、そこから見えてくる自国の葬送法の特色や、文化が違っていても変わらない人の思いを学ぶことができる。実際に日本にはスペインとボリビアの研修生が学びに来ている。 以上のように、葬送には世界的なコミュニティがある。国家間で協力することにより、葬送文化のさらなる発展と、自国、他国問わず文化を尊重した葬送がとりおこなわれていくことであろう。


環境保護の観点から

アルカリ加水分解葬

熱、圧力、アルカリ液、水を使い遺体を処理すること。地球温化が進展する現代では、あらたな葬送として注目されている。 現在一般的な火葬では、膨大な二酸化炭素が排出される。アルカリ加水分解葬では、二酸化炭素排出量は火葬の10分の1に抑えられる。 アメリカとイギリスでは、液化させた遺体を下水に流したり、堆肥として利用したりすることが合法となっている。ただ、問題として挙げられるのは、下水処理にかかる負荷だ。二酸化炭素の排出が抑えられるとはいえ、処理にかかるコストは上がる。アルカリ性になったものを中世に戻すためには薬剤を使わなければならないのだ。

参考文献

・世界の葬送 松涛弘道 イカロス出版 2009-6-15 ・遺体は燃やさず「溶かして下水に流す or 肥料にする」葬儀が間もなく主流へ! 温暖化対策に最適、超エコな“水の火葬”が素晴らしい! トカナ (参照2020-01-22)  https://tocana.jp/2019/11/post_124468_entry.html (参照 2020-1-22) ・日本葬儀社連盟 横浜で6月に世界大家 18年ぶりの日本開催  日本消費者新聞 https://www.jc-press.com/?p=4123 (参照 2020-1-22) ・儒教は宗教?宗教でない? Beast Time https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/430 (参照 2020-1-22)

HN.安寧forever


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