日米安全保障条約
出典: Jinkawiki
2009年1月7日 (水) 23:35の版 Bunkyo-student2008 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
最新版 Bunkyo-student2008 (ノート | 投稿記録) |
||
1 行 | 1 行 | ||
- | |||
日米安全保障条約とは、日本とアメリカが共同で日本を防衛することを定めた条約のことである。1951年、日本の占領統治を終結させるサンフランシスコ平和条約とほぼ同時に締結されたが、この時の条約はアメリカ軍の日本駐留を定めたのみで、アメリカがどこまで日本の防衛にあたるかが定かでなかった。そこで日本政府は1960年、日米共同防衛義務を明記、別途の文書でアメリカ軍との事前協議制も盛り込んだ新安保条約を締結したが、「米ソの戦争に巻き込まれる」「憲法違反」との反対もあり空前の「安保闘争」を引き起こした。冷戦の集結にともない、日米両国は1995年「安保再定義」を公表。日米安保をアジア・大平洋地域の安定の基軸とし、今後も日米安保堅持を続けていくことを表明した。 | 日米安全保障条約とは、日本とアメリカが共同で日本を防衛することを定めた条約のことである。1951年、日本の占領統治を終結させるサンフランシスコ平和条約とほぼ同時に締結されたが、この時の条約はアメリカ軍の日本駐留を定めたのみで、アメリカがどこまで日本の防衛にあたるかが定かでなかった。そこで日本政府は1960年、日米共同防衛義務を明記、別途の文書でアメリカ軍との事前協議制も盛り込んだ新安保条約を締結したが、「米ソの戦争に巻き込まれる」「憲法違反」との反対もあり空前の「安保闘争」を引き起こした。冷戦の集結にともない、日米両国は1995年「安保再定義」を公表。日米安保をアジア・大平洋地域の安定の基軸とし、今後も日米安保堅持を続けていくことを表明した。 | ||
5 行 | 4 行 | ||
日本政府は新・旧の安保条約によってアメリカ軍に軍事基地を提供し、日本国内への軍隊の駐留を認めている。この在日アメリカ軍が憲法9条の禁止する「戦力」にあたらないか問題になったことがある。この問題について大きく分けて二つの考えがある。まず、外国の軍隊は「戦力」にあたるため、日本の意思に基づいて日本の領土内に置くことは、憲法9条2項に違反するという立場の違憲説がある。これに対して、憲法の定めている戦力の保持は、日本の戦力の規定であって在日アメリカ軍は憲法に違反しないという合憲説があります。または、憲法前文で国際連合による安全保障を予定しているので、国際的な集団安全保障方式が完成するまでの措置として、一時的なアメリカ軍の駐留は認められるとする合憲説もある。実際に旧安保条約によりアメリカ軍の駐留が裁判で争われたのが砂川事件がある。これについて、東京地裁は意見と判断した。東京地裁の判断として日本の要請によるアメリカ軍出動の可能性の大きさをあげている。これが日本の「戦力の保持」にあたるとしたものである。この東京地裁の判決に対して、最高裁は、在日アメリカ軍の場合は「戦力」にはあたらないとしている。アメリカ軍の場合は日本の防衛力の不足を補うための駐留であるから、違憲無効であることが明白とはいえないという判断を示している。最高裁判所の判決は法と同等な効力を持つため当面この判断は変わらず、議論も多くされることだろう。 | 日本政府は新・旧の安保条約によってアメリカ軍に軍事基地を提供し、日本国内への軍隊の駐留を認めている。この在日アメリカ軍が憲法9条の禁止する「戦力」にあたらないか問題になったことがある。この問題について大きく分けて二つの考えがある。まず、外国の軍隊は「戦力」にあたるため、日本の意思に基づいて日本の領土内に置くことは、憲法9条2項に違反するという立場の違憲説がある。これに対して、憲法の定めている戦力の保持は、日本の戦力の規定であって在日アメリカ軍は憲法に違反しないという合憲説があります。または、憲法前文で国際連合による安全保障を予定しているので、国際的な集団安全保障方式が完成するまでの措置として、一時的なアメリカ軍の駐留は認められるとする合憲説もある。実際に旧安保条約によりアメリカ軍の駐留が裁判で争われたのが砂川事件がある。これについて、東京地裁は意見と判断した。東京地裁の判断として日本の要請によるアメリカ軍出動の可能性の大きさをあげている。これが日本の「戦力の保持」にあたるとしたものである。この東京地裁の判決に対して、最高裁は、在日アメリカ軍の場合は「戦力」にはあたらないとしている。アメリカ軍の場合は日本の防衛力の不足を補うための駐留であるから、違憲無効であることが明白とはいえないという判断を示している。最高裁判所の判決は法と同等な効力を持つため当面この判断は変わらず、議論も多くされることだろう。 | ||
+ | |||
+ | '''アメリカで9条の会設立''' | ||
+ | |||
+ | [[チャールズ・オーバービ]] | ||
+ | |||
+ | 1926年、アメリカ・モンタナ州生まれ。ミネソタ大学卒業。B29パイロットとして朝鮮戦争に従事。その後、ウィンスコン大学で博士号取得(機械工学)。現オハイオ大学名誉教授。湾岸戦争の1991年3月「第9条の会」をアメリカで設立し、「日本国憲法第9条」を世界中の人びとに伝える運動を展開。「平和のための在郷軍人会」の一員。 | ||
+ | 彼は、日本国憲法第9条は戦争が当たり前の世界を法律で平和な世界にしていくとてつもなく偉大な知恵であると、明言し核兵器を実際に使用してしまった人類を破壊から救う力があるのはこの9条であると主張している。また彼は「憲法9じょうは日本だけのものではなく、全世界のものにするべきだ。日本国民の9条を大切にする気持ちを全世界に伝えてほしい。また、9条を守ることができるのは主権を持つ日本市民のあなた方だけなのです。」と数々の講演会などを通して主張している。日本が世界で一番平和に対して進んでいるのであるから、その責任を自覚し、平和主義を考えていかなければならないのは、言うまでもない。 | ||
+ | |||
+ | |||
+ | |||
参考文献 図解雑学 憲法 後藤光圀著 ナツメ出版 50-53頁 | 参考文献 図解雑学 憲法 後藤光圀著 ナツメ出版 50-53頁 | ||
+ | |||
+ | ちゃんと学ぼう憲法1 歴史教育協議会編 青木書店 63頁 |
最新版
日米安全保障条約とは、日本とアメリカが共同で日本を防衛することを定めた条約のことである。1951年、日本の占領統治を終結させるサンフランシスコ平和条約とほぼ同時に締結されたが、この時の条約はアメリカ軍の日本駐留を定めたのみで、アメリカがどこまで日本の防衛にあたるかが定かでなかった。そこで日本政府は1960年、日米共同防衛義務を明記、別途の文書でアメリカ軍との事前協議制も盛り込んだ新安保条約を締結したが、「米ソの戦争に巻き込まれる」「憲法違反」との反対もあり空前の「安保闘争」を引き起こした。冷戦の集結にともない、日米両国は1995年「安保再定義」を公表。日米安保をアジア・大平洋地域の安定の基軸とし、今後も日米安保堅持を続けていくことを表明した。
日米安全保障条約に関する裁判
日本政府は新・旧の安保条約によってアメリカ軍に軍事基地を提供し、日本国内への軍隊の駐留を認めている。この在日アメリカ軍が憲法9条の禁止する「戦力」にあたらないか問題になったことがある。この問題について大きく分けて二つの考えがある。まず、外国の軍隊は「戦力」にあたるため、日本の意思に基づいて日本の領土内に置くことは、憲法9条2項に違反するという立場の違憲説がある。これに対して、憲法の定めている戦力の保持は、日本の戦力の規定であって在日アメリカ軍は憲法に違反しないという合憲説があります。または、憲法前文で国際連合による安全保障を予定しているので、国際的な集団安全保障方式が完成するまでの措置として、一時的なアメリカ軍の駐留は認められるとする合憲説もある。実際に旧安保条約によりアメリカ軍の駐留が裁判で争われたのが砂川事件がある。これについて、東京地裁は意見と判断した。東京地裁の判断として日本の要請によるアメリカ軍出動の可能性の大きさをあげている。これが日本の「戦力の保持」にあたるとしたものである。この東京地裁の判決に対して、最高裁は、在日アメリカ軍の場合は「戦力」にはあたらないとしている。アメリカ軍の場合は日本の防衛力の不足を補うための駐留であるから、違憲無効であることが明白とはいえないという判断を示している。最高裁判所の判決は法と同等な効力を持つため当面この判断は変わらず、議論も多くされることだろう。
アメリカで9条の会設立
1926年、アメリカ・モンタナ州生まれ。ミネソタ大学卒業。B29パイロットとして朝鮮戦争に従事。その後、ウィンスコン大学で博士号取得(機械工学)。現オハイオ大学名誉教授。湾岸戦争の1991年3月「第9条の会」をアメリカで設立し、「日本国憲法第9条」を世界中の人びとに伝える運動を展開。「平和のための在郷軍人会」の一員。 彼は、日本国憲法第9条は戦争が当たり前の世界を法律で平和な世界にしていくとてつもなく偉大な知恵であると、明言し核兵器を実際に使用してしまった人類を破壊から救う力があるのはこの9条であると主張している。また彼は「憲法9じょうは日本だけのものではなく、全世界のものにするべきだ。日本国民の9条を大切にする気持ちを全世界に伝えてほしい。また、9条を守ることができるのは主権を持つ日本市民のあなた方だけなのです。」と数々の講演会などを通して主張している。日本が世界で一番平和に対して進んでいるのであるから、その責任を自覚し、平和主義を考えていかなければならないのは、言うまでもない。
参考文献 図解雑学 憲法 後藤光圀著 ナツメ出版 50-53頁
ちゃんと学ぼう憲法1 歴史教育協議会編 青木書店 63頁