リベラルアーツ

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リベラル・アーツ・カレッジ(Liberal arts college)は、アメリカ合衆国においてリベラル・アーツ教育と少人数教育を特徴とする大学(カレッジ)。幅広い教養を総合的に身に付けることを主目的とした4年制大学をリベラルアーツカレッジ(liberal arts college)と呼ぶ。リベラルアーツカレッジがアメリカに誕生したのは17世紀後半のことで、当初は古典教養を主軸とする教育を、主に上流階級の子弟を対象に行ってきた。それはイギリスのUniversity of OxfordやUniversity of Cambridgeなどが伝統的に培ってきた教育思想を多分に反映したものだった。やがて時代の流れとともにその教育方針は、地域社会のリーダー育成のための全人教育へと変わっていった。現在もリベラルアーツカレッジでは、アカデミックな教育と同時に人格教育も行っている。 リベラル・アーツ・カレッジ(Liberal arts college)は、アメリカ合衆国においてリベラル・アーツ教育と少人数教育を特徴とする大学(カレッジ)。幅広い教養を総合的に身に付けることを主目的とした4年制大学をリベラルアーツカレッジ(liberal arts college)と呼ぶ。リベラルアーツカレッジがアメリカに誕生したのは17世紀後半のことで、当初は古典教養を主軸とする教育を、主に上流階級の子弟を対象に行ってきた。それはイギリスのUniversity of OxfordやUniversity of Cambridgeなどが伝統的に培ってきた教育思想を多分に反映したものだった。やがて時代の流れとともにその教育方針は、地域社会のリーダー育成のための全人教育へと変わっていった。現在もリベラルアーツカレッジでは、アカデミックな教育と同時に人格教育も行っている。
- リベラルアーツカレッジは全米に230校近くある(カーネギー教育振興財団調べ)。総合大学に比べるとはるかに少ないが、その教育理念はアメリカ社会の中で高く評価されており、アイビーリーグに匹敵する名門校もある。多くは共学校だが、女子校も少なくなく、大学ランキングの上位に登場する優秀な女子校もある。また、地域産業やキリスト教系団体などに支えられている地域密着型の学校もあり、個性豊かである。+リベラルアーツカレッジは全米に230校近くある(カーネギー教育振興財団調べ)。総合大学に比べるとはるかに少ないが、その教育理念はアメリカ社会の中で高く評価されており、アイビーリーグに匹敵する名門校もある。多くは共学校だが、女子校も少なくなく、大学ランキングの上位に登場する優秀な女子校もある。また、地域産業やキリスト教系団体などに支えられている地域密着型の学校もあり、個性豊かである。
- 大学院課程を設けている学校もあるが、基本的には学部課程の教育が主体となっている。教養系の分野を学ぶことによって、バランスの取れた知識人の骨子をつくることになる。1、2年次は寮生活を義務づけている学校もあり、共同生活を通じて協調性や責任感などが養われる。+大学院課程を設けている学校もあるが、基本的には学部課程の教育が主体となっている。教養系の分野を学ぶことによって、バランスの取れた知識人の骨子をつくることになる。1、2年次は寮生活を義務づけている学校もあり、共同生活を通じて協調性や責任感などが養われる。
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 +学生は幅広い分野にわたる科目を履修して総合的な教養を身につける。決まった専攻分野を持たず、一般教養での学士号を取得できる。自分の興味のある分野を選んで専門的に学ぶことも可能で、複数の分野にまたがる学際的な専攻を設けている学校も多い。しかし、専攻分野の科目の割合は、全科目の25~50%というのが一般的であり、ここからも、専門性を重視するのでなく、あくまでも総合的な教養を身に付ける学校であることがわかる。
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 +授業形態は総合大学と基本的には差はなく、講義中心の授業でセミナーやラボが組み合わされている。しかし、一般に学生数5,000人以下というところが多いリベラルアーツカレッジでは、1クラスの人数は平均10~25人と少なく、教授と学生との距離が短い。教授は学生の教育に専念しており、小規模校ならではの魅力がある。また、大都市郊外や地方都市、田舎の小さな町など、静かで落ち着いた環境にある学校が多く、勉強に集中できる要因のひとつである。
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 +リベラルアーツカレッジには、総合大学に比べると提供されている専攻分野、科目、課外活動などの種類が少ないという弱点がある。その弱点を補うため、近隣の大学と提携を結んで、より多彩な科目を履修できるシステムを持っていたり、海外短期留学制度を整えていたりする学校も少なくない。特に名門リベラルアーツカレッジでは学生の向上心は高く、自校や他大学の大学院に進学する学生は多い。
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 +ヒラリー・クリントン上院議員が名門女子大であるリベラルアーツカレッジ、Wellesley College出身であることが一時話題になったが、日本ではリベラルアーツカレッジに対する認識はまだ高いとは言えない。しかし、以上のような特徴を考えた場合、学生によってはリベラルアーツカレッジのほうが学習の場としてふさわしい場合もある。留学生を歓迎している大学も少なくなく、留学先の候補として評価が高い。
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 +=== 主なリベラル・アーツ・カレッジ ===
 +*アマースト大学 (マサチューセッツ州)
 +*ウィリアムズ大学 (マサチューセッツ州)
 +*スワースモア大学 (ペンシルバニア州)
 +*ウェルズリー大学 (マサチューセッツ州)
 +*カラマズー大学(ミシガン州)
 +*カールトン大学 (ミネソタ州)
 +*ミドルベリー大学 (バーモント州)
 +*ポモナ大学 (カリフォルニア州)
 +*ボードウィン大学 (メイン州)
 +*ベイツ大学 (メイン州)
 +*デイビッドソン大学 (ノースカロライナ州)
 +*ハーバーフォード大学 (ペンシルバニア州)
 +*クレアモントマクケンヤ大学 (カリフォルニア州)
 +*ウェスリアン大学 (コネチカット州)
 +*グリネル大学 (アイオワ州)
 +*バッサー大学 (ニューヨーク州)
 +*ハービーマッド大学 (カリフォルニア州)
 +*ワシントンアンドリー大学 (バージニア州)
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その他 その他
*東京都八王子市にある大学セミナーハウスのシンボルマークは、白地に緑の切り株であるが、それについている7枚の葉は自由七学科を表している。 *東京都八王子市にある大学セミナーハウスのシンボルマークは、白地に緑の切り株であるが、それについている7枚の葉は自由七学科を表している。
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 +== 参考文献 ==
 +*デイヴィッド・W.ブレネマン/宮田敏近『リベラルアーツ・カレッジ 繁栄か,生き残りか,危機か』玉川大学出版部1996年
 +*松井 範惇 『リベラル教育とアメリカの大学』 ふくろう出版 2004年

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リベラルアーツとは、古代ギリシャに源を発する教育理念である。リベラルは「自由」に通じる言葉であり、リベラルアーツは自由市民として自律的に生きていくための教養を意味する。古代ギリシャでは、数学や倫理学、音楽理論などがリベラルアーツ教育の根幹におかれていた。日本の大学では戦後、リベラルアーツの理念に基づいて一般教育科目が設置されています。1991年の大学設置基準の改正によって、科目区分が自由化された以後は、従来の一般教育科目と専門教育科目の連携を深めて大学4年間で一体的なリベラルアーツ教育を行おうとする大学も登場している。

目次

リベラル・アーツ・カレッジ

リベラル・アーツ・カレッジ(Liberal arts college)は、アメリカ合衆国においてリベラル・アーツ教育と少人数教育を特徴とする大学(カレッジ)。幅広い教養を総合的に身に付けることを主目的とした4年制大学をリベラルアーツカレッジ(liberal arts college)と呼ぶ。リベラルアーツカレッジがアメリカに誕生したのは17世紀後半のことで、当初は古典教養を主軸とする教育を、主に上流階級の子弟を対象に行ってきた。それはイギリスのUniversity of OxfordやUniversity of Cambridgeなどが伝統的に培ってきた教育思想を多分に反映したものだった。やがて時代の流れとともにその教育方針は、地域社会のリーダー育成のための全人教育へと変わっていった。現在もリベラルアーツカレッジでは、アカデミックな教育と同時に人格教育も行っている。

リベラルアーツカレッジは全米に230校近くある(カーネギー教育振興財団調べ)。総合大学に比べるとはるかに少ないが、その教育理念はアメリカ社会の中で高く評価されており、アイビーリーグに匹敵する名門校もある。多くは共学校だが、女子校も少なくなく、大学ランキングの上位に登場する優秀な女子校もある。また、地域産業やキリスト教系団体などに支えられている地域密着型の学校もあり、個性豊かである。

大学院課程を設けている学校もあるが、基本的には学部課程の教育が主体となっている。教養系の分野を学ぶことによって、バランスの取れた知識人の骨子をつくることになる。1、2年次は寮生活を義務づけている学校もあり、共同生活を通じて協調性や責任感などが養われる。

学生は幅広い分野にわたる科目を履修して総合的な教養を身につける。決まった専攻分野を持たず、一般教養での学士号を取得できる。自分の興味のある分野を選んで専門的に学ぶことも可能で、複数の分野にまたがる学際的な専攻を設けている学校も多い。しかし、専攻分野の科目の割合は、全科目の25~50%というのが一般的であり、ここからも、専門性を重視するのでなく、あくまでも総合的な教養を身に付ける学校であることがわかる。

授業形態は総合大学と基本的には差はなく、講義中心の授業でセミナーやラボが組み合わされている。しかし、一般に学生数5,000人以下というところが多いリベラルアーツカレッジでは、1クラスの人数は平均10~25人と少なく、教授と学生との距離が短い。教授は学生の教育に専念しており、小規模校ならではの魅力がある。また、大都市郊外や地方都市、田舎の小さな町など、静かで落ち着いた環境にある学校が多く、勉強に集中できる要因のひとつである。

リベラルアーツカレッジには、総合大学に比べると提供されている専攻分野、科目、課外活動などの種類が少ないという弱点がある。その弱点を補うため、近隣の大学と提携を結んで、より多彩な科目を履修できるシステムを持っていたり、海外短期留学制度を整えていたりする学校も少なくない。特に名門リベラルアーツカレッジでは学生の向上心は高く、自校や他大学の大学院に進学する学生は多い。

ヒラリー・クリントン上院議員が名門女子大であるリベラルアーツカレッジ、Wellesley College出身であることが一時話題になったが、日本ではリベラルアーツカレッジに対する認識はまだ高いとは言えない。しかし、以上のような特徴を考えた場合、学生によってはリベラルアーツカレッジのほうが学習の場としてふさわしい場合もある。留学生を歓迎している大学も少なくなく、留学先の候補として評価が高い。

主なリベラル・アーツ・カレッジ

  • アマースト大学 (マサチューセッツ州)
  • ウィリアムズ大学 (マサチューセッツ州)
  • スワースモア大学 (ペンシルバニア州)
  • ウェルズリー大学 (マサチューセッツ州)
  • カラマズー大学(ミシガン州)
  • カールトン大学 (ミネソタ州)
  • ミドルベリー大学 (バーモント州)
  • ポモナ大学 (カリフォルニア州)
  • ボードウィン大学 (メイン州)
  • ベイツ大学 (メイン州)
  • デイビッドソン大学 (ノースカロライナ州)
  • ハーバーフォード大学 (ペンシルバニア州)
  • クレアモントマクケンヤ大学 (カリフォルニア州)
  • ウェスリアン大学 (コネチカット州)
  • グリネル大学 (アイオワ州)
  • バッサー大学 (ニューヨーク州)
  • ハービーマッド大学 (カリフォルニア州)
  • ワシントンアンドリー大学 (バージニア州)


日本におけるリベラル・アーツ教育

日本におけるリベラル・アーツ教育 日本では、戦前までの高等教育におけるリベラル・アーツ教育は主に旧制高等学校が担っていたが、戦後は主に4年制大学における一般教育課程・教養課程において行われてきた。戦後設立された4年間一貫でリベラルアーツ教育を行う教養学部としては、東京大学と国際基督教大学が嚆矢である。また、リベラルアーツ教育を標榜して学士課程教育を行っている学部・プログラムは私立大学、とりわけキリスト教系私立大学に多い。以下にその例を挙げる。

一部の総合大学・女子大学では、独立した学部としてリベラル・アーツ教育が行われている。

  • 東京大学教養学部
  • 首都大学東京都市教養学部(東京都立大学既存学部を改組・統合)
  • 早稲田大学国際教養学部
  • 上智大学国際教養学部(比較文化学部を改組)
  • 横浜市立大学国際総合科学部(2005年に商学部・国際文化学部・理学部の3学部を統合)
  • 桜美林大学リベラル・アーツ学群

単科大学を主として、米国のリベラル・アーツ・カレッジに近い教育を目指す例も存在する。なお、国際基督教大学は、日本国内では唯一米国リベラル教育学会のプログラム認証を受けている。

  • 国際基督教大学(ICU)
  • 津田塾大学
  • 東京女子大学
  • 放送大学

他にも、リベラルアーツ教育を基調とした教育を行っている大学として、以下のキリスト教系私立大学が挙げられる。(いずれも戦前からの伝統があり、いわば伝統的な欧米型カレッジの教育方法を忠実な形で日本に持ち込み、長い期間をかけて徐々に根を下ろした都市型の大学、という特徴がある)

  • 上智大学
  • 南山大学
  • 立教大学
  • 青山学院大学
  • 関西学院大学

近年の一般教育・教養課程の改組により設立された学部・プログラムでも、その豊かな教員構成を活用して、リベラルアーツ教育に類似した教育方針を掲げていることがある。

  • 京都大学総合人間学部
  • 名古屋大学情報文化学部
  • 九州大学21世紀プログラム


その他

  • 東京都八王子市にある大学セミナーハウスのシンボルマークは、白地に緑の切り株であるが、それについている7枚の葉は自由七学科を表している。

参考文献

  • デイヴィッド・W.ブレネマン/宮田敏近『リベラルアーツ・カレッジ 繁栄か,生き残りか,危機か』玉川大学出版部1996年
  • 松井 範惇 『リベラル教育とアメリカの大学』 ふくろう出版 2004年

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