靖国神社公式参拝違憲訴訟

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2009年1月31日 (土) 06:27の版
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③国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教活動もしてはならない。 ③国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教活動もしてはならない。
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== 各裁判所の判断 == == 各裁判所の判断 ==
福岡地方裁判所は、2004(平成16)年4月7日の判決において、首相の靖国神社への参拝は宗教的意義を持ち、靖国神社を援助・助長・促進するような効果をもたらすのであって違憲とすると判断した。公用車の使用や「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳するなど、内閣総理大臣としての職務遂行であると認定し、内閣総理大臣としての参拝は、社会通念に従って客観的に判断すると、憲法20条3項によって禁止されている宗教活動に当たり違憲であると判事したのである。他の裁判所の判断は以下の通りである。 福岡地方裁判所は、2004(平成16)年4月7日の判決において、首相の靖国神社への参拝は宗教的意義を持ち、靖国神社を援助・助長・促進するような効果をもたらすのであって違憲とすると判断した。公用車の使用や「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳するなど、内閣総理大臣としての職務遂行であると認定し、内閣総理大臣としての参拝は、社会通念に従って客観的に判断すると、憲法20条3項によって禁止されている宗教活動に当たり違憲であると判事したのである。他の裁判所の判断は以下の通りである。
-・大阪地裁(2月27日)・・・「内閣総理大臣の資格で行われた」として、参拝の公的性格を認定し、憲法判断には踏み込まず違憲確認を却下した。+・大阪地裁・・・「内閣総理大臣の資格で行われた」として、参拝の公的性格を認定し、憲法判断には踏み込まず違憲確認を却下した。
 + 
 +・松山地裁・・・「法律に基づかない単なる事実行為」と判断し、違憲確認は却下した。
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 +・大阪地裁・・・「参拝は国の機関としての首相の職務行為とは言えない」として、参拝を私的なものと認定し、憲法判断には踏み込まなかった。
 + 
 +・大阪高裁・・・職務行為性(公的行為性)を認めた上で、目的効果基準を適用して、参拝行為を憲法の禁止する宗教活動に当たるとした。
 +== 国と首相の反応==
 +判決に対して小泉首相は、憲法違反であることに強い不満を示し、今後も毎年参拝を続けるという考えを強調した。なお、この訴訟では賠償請求自体は棄却されていて、主張を認められた国と首相は控訴することはできず、判決は確定したが、確定しても違憲の判断は拘束力を持たない。
 + 
-・松山地裁(3月16日)・・・「法律に基づかない単なる事実行為」と判断し、違憲確認は却下した。 
-・大阪地裁(5月13日)・・・「参拝は国の機関としての首相の職務行為とは言えない」として、参拝を私的なものと認定し、憲法判断には踏み込まなかった。+参考文献
 +*政治経済資料2005 東京法令出版
 +*緒方章宏(編著)わかりやすい憲法 文化書房博文社 2008

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靖国神社は、幕末の国事受難者と戊辰戦争の官軍の戦死者を祀るため、1869(明治2)年に東京招魂社として設立された神社である。1879年に靖国神社と改称された。以来、明治以後の戦没者約250万人の霊を英霊として祀っている。戦後、GHQから神道指令の後は一宗教法人となったが、その後、自由民主党を中心に靖国神社を再び国営化しようとする動きが生じ、法案の提出が何度か行われたが、実現していない。

目次

概要

2001(平成13)年8月13日、当時の首相であった小泉純一郎氏が往復に公用車を用い、首相秘書官を同行させて、靖国神社を参拝した。そして、参集所内において「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳した後、本殿に昇殿し祭壇に黙祷した。さらに、「献花内閣総理大臣小泉純一郎」というな札つきの献花を行った。これらの行為が憲法が定めている政教分離原則に違反するとして、九州・山口の戦没者遺族や宗教家211人が小泉首相と国に2110万円(原告1人当たり10万円)の賠償を求める訴えが福岡地方裁判所等に提起された。

憲法20条

憲法20条では、信教の自由を定めている。

・条文

①信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

②何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

③国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教活動もしてはならない。

各裁判所の判断

福岡地方裁判所は、2004(平成16)年4月7日の判決において、首相の靖国神社への参拝は宗教的意義を持ち、靖国神社を援助・助長・促進するような効果をもたらすのであって違憲とすると判断した。公用車の使用や「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳するなど、内閣総理大臣としての職務遂行であると認定し、内閣総理大臣としての参拝は、社会通念に従って客観的に判断すると、憲法20条3項によって禁止されている宗教活動に当たり違憲であると判事したのである。他の裁判所の判断は以下の通りである。

・大阪地裁・・・「内閣総理大臣の資格で行われた」として、参拝の公的性格を認定し、憲法判断には踏み込まず違憲確認を却下した。

・松山地裁・・・「法律に基づかない単なる事実行為」と判断し、違憲確認は却下した。

・大阪地裁・・・「参拝は国の機関としての首相の職務行為とは言えない」として、参拝を私的なものと認定し、憲法判断には踏み込まなかった。

・大阪高裁・・・職務行為性(公的行為性)を認めた上で、目的効果基準を適用して、参拝行為を憲法の禁止する宗教活動に当たるとした。

国と首相の反応

判決に対して小泉首相は、憲法違反であることに強い不満を示し、今後も毎年参拝を続けるという考えを強調した。なお、この訴訟では賠償請求自体は棄却されていて、主張を認められた国と首相は控訴することはできず、判決は確定したが、確定しても違憲の判断は拘束力を持たない。


参考文献

  • 政治経済資料2005 東京法令出版
  • 緒方章宏(編著)わかりやすい憲法 文化書房博文社 2008

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