聖書
出典: Jinkawiki
2009年6月15日 (月) 21:26の版 Bunkyo-student2008 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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新約聖書は大きく分けると、イエスの生涯とその言葉を伝える'''福音書'''・イエスの死後使徒たちの働きを描いた'''使徒言行録'''・ | 新約聖書は大きく分けると、イエスの生涯とその言葉を伝える'''福音書'''・イエスの死後使徒たちの働きを描いた'''使徒言行録'''・ | ||
パウロやペテロ、ヨハネ使徒たちの'''書簡'''・預言の書である'''ヨハネの黙示録'''から構成されている。 | パウロやペテロ、ヨハネ使徒たちの'''書簡'''・預言の書である'''ヨハネの黙示録'''から構成されている。 | ||
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+ | 福音書というのは、《神のよき知らせ》という意味で、イエスの誕生から復活までをまとめた伝記の形とりつつ、イエスの教えや言葉を盛り込んでいる。4つの福音書があり、そのなかの3つは構成や内容がほぼ同じなことから'''共観福音書'''と呼ばれ、4つ目の福音書はヨハネによるものであり、イエスの肉体的現実を強調し、ギリシア思想の影響で観念化する傾向を批判するなど、他にはない特徴がみられる。 | ||
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+ | ヨハネの黙示録というのは、新約聖書の最後に収められ、新約唯一の預言書といえる。天変地異と人類滅亡の危機とキリスト再臨による救いの完成を描いた幻想的な内容となっている。これは、ノストラダムスの大予言のもとになっている。 | ||
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+ | まず、'''旧約聖書'''は先のにも書いてあるように多くの書物が集まってできている。最も古い記述はB.C.1100年頃で、新しいものでもB.C.150年頃であるといわれている。また、多くの書物が成立したのは、バビロン捕囚(B.C.597年)以降といわれている。口伝えによる伝承で、1000年以上もの長い年月をかけて築かれてきたものである。 | ||
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+ | 作者はほとんど不明だが、五書(トーラ)はモーセが書いたといわれている。今日でもユダヤ教では'''ソフェル'''と呼ばれる専門家が羊皮紙に墨で聖書を一字一句漏らさず書き写し、巻物にして'''シナゴーグ'''(ユダヤ教の会堂)に納めている。このようにして、民族としてのアイデンティティを維持していってるのである。 | ||
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+ | '''新約聖書'''は、4つの福音書があるが、そのなかで一番古いのは〈マルコによる福音書〉であり、A.D.68年頃に書かれたとされる。マルコという人物の詳細は不明である。この福音書をベースに80年代後半に〈マタイによる福音書〉が登場する。作者はイエスの弟子、徴税人マタイといわれるがこちらも不明である。また、〈ルカによる福音書〉は80年頃といわれる。作者のルカは医者であり、パウロの友人であったとされている。この福音書もマルコのをベースにしていたが、マタイもルカもイエス語録('''Q文書''')をそれぞれの観点から書き足していったものと考えられる。〈ヨハネによる福音書〉はこれら3つを踏まえており、90年代に成立したとされている。 | ||
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+ | 図解雑学 聖書 監修 関田 寛雄 ナツメ社2001年8月30日 発行 |
最新版
目次 |
聖書とは?
神と人との出会いを綴った物語である。2000年以上に渡り、人々の心の拠り所となってきた‘祈りの書’を意味する。
聖書は、創世記・出エジプト記・イザヤ記などのそれぞれが一つの書物であるものが集められている。また、聖書には旧約聖書と新約聖書がある。旧約聖書はもともとはユダヤ教の聖典として伝わったが、後にキリスト教のみならず、イスラム教のの聖典にもなっている。 新約聖書は旧約聖書の内容も踏まえながらイエスの死後書かれたものである。ただし、キリスト教では旧約聖書と新約聖書の二つが聖書とみなされているが、ユダヤ教やイスラム教は旧約聖書のみを聖書とみなしているようである。
ところで、旧約、新約というように「約」にはどのような意味があるのだろうか?
「約」には神と人との契約を意味し、旧約とは、神とユダヤ人との契約を意味する。 旧約聖書の中では繰り返し、『人々が神を敬い正しい行いをすれば、神は人を愛し繁栄をもたらす』と述べている。しかし人々は十戒を破り、神に背いてしまった。神は人々にたびたび警告するが、人々は過ちを繰り返す。そこで神は‘神の子’イエスを地上に送り、ユダヤ人だけでなくすべての人々と新たな契約を結ぶ。これが新約である。
旧約聖書の構成
旧約聖書は全部で39の書物からなる。大きく分けて、五書(モーセ五書、ユダヤ教ではトーラと呼ばれる。)・歴史書・知恵文学・預言書・旧約聖書続編からなっている。
五書は、創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記の5つからなる。これはユダヤ教の最も基本的な聖典である。創世記には、バベルの塔や、ノアの方舟などのよく知られた物語が記されている。
歴史書は約束の地カナンに着いてからのイスラエルの民の歴史を描いたものである。ダビデやソロモンなどが登場し、バビロン捕囚などが記されている。
知恵文学は人生のアドバイスや、生きてく上で役に立つ教えを集めた箴言(しんげん)、信仰や祈りの言葉、絶望の淵で歌われたものを集めた詩編、また愛の歌を集めた雅歌(がか)、人生の不条理を問うヨブ記などがある。
預言書は預言者が語った神の意志や、預言者たちの激しい行動、内面の苦悩が描かれている。
旧約聖書続編ユディト記、スザンナ記、トビト記など欧米では物語としてよく知られているが、宗派によっては収録されていない。
新約聖書の構成
新約聖書は大きく分けると、イエスの生涯とその言葉を伝える福音書・イエスの死後使徒たちの働きを描いた使徒言行録・ パウロやペテロ、ヨハネ使徒たちの書簡・預言の書であるヨハネの黙示録から構成されている。
福音書というのは、《神のよき知らせ》という意味で、イエスの誕生から復活までをまとめた伝記の形とりつつ、イエスの教えや言葉を盛り込んでいる。4つの福音書があり、そのなかの3つは構成や内容がほぼ同じなことから共観福音書と呼ばれ、4つ目の福音書はヨハネによるものであり、イエスの肉体的現実を強調し、ギリシア思想の影響で観念化する傾向を批判するなど、他にはない特徴がみられる。
ヨハネの黙示録というのは、新約聖書の最後に収められ、新約唯一の預言書といえる。天変地異と人類滅亡の危機とキリスト再臨による救いの完成を描いた幻想的な内容となっている。これは、ノストラダムスの大予言のもとになっている。
いつ、誰が書いたのか?
まず、旧約聖書は先のにも書いてあるように多くの書物が集まってできている。最も古い記述はB.C.1100年頃で、新しいものでもB.C.150年頃であるといわれている。また、多くの書物が成立したのは、バビロン捕囚(B.C.597年)以降といわれている。口伝えによる伝承で、1000年以上もの長い年月をかけて築かれてきたものである。
作者はほとんど不明だが、五書(トーラ)はモーセが書いたといわれている。今日でもユダヤ教ではソフェルと呼ばれる専門家が羊皮紙に墨で聖書を一字一句漏らさず書き写し、巻物にしてシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)に納めている。このようにして、民族としてのアイデンティティを維持していってるのである。
新約聖書は、4つの福音書があるが、そのなかで一番古いのは〈マルコによる福音書〉であり、A.D.68年頃に書かれたとされる。マルコという人物の詳細は不明である。この福音書をベースに80年代後半に〈マタイによる福音書〉が登場する。作者はイエスの弟子、徴税人マタイといわれるがこちらも不明である。また、〈ルカによる福音書〉は80年頃といわれる。作者のルカは医者であり、パウロの友人であったとされている。この福音書もマルコのをベースにしていたが、マタイもルカもイエス語録(Q文書)をそれぞれの観点から書き足していったものと考えられる。〈ヨハネによる福音書〉はこれら3つを踏まえており、90年代に成立したとされている。
●参考文献
図解雑学 聖書 監修 関田 寛雄 ナツメ社2001年8月30日 発行