ダイオキシン
出典: Jinkawiki
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また、山火事や火山活動などの自然現象などによっても発生する。家庭内でも、塩素を含む薬剤、漂白剤などの使用、プラスチックや食品トレイの燃焼によっても発生する。 | また、山火事や火山活動などの自然現象などによっても発生する。家庭内でも、塩素を含む薬剤、漂白剤などの使用、プラスチックや食品トレイの燃焼によっても発生する。 | ||
日本全体では、ダイオキシンは一年間に約5140~5300グラムが環境中に排出されていると試算されている。 | 日本全体では、ダイオキシンは一年間に約5140~5300グラムが環境中に排出されていると試算されている。 | ||
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+ | WHO(世界保健機構)の国際がん研究機関(IARC)では、動物実験や人への影響の評価をもとに化学物質の人への発がん性の強さを分類しているが、平成9年2月、ダイオキシンの中でも最も毒性が強い2, 3, 7, 8-TCDDは、人に対する発がん性があるという評価を行なっている。しかし、現在の日本の通常の環境の汚染レベルではダイオキシンにより、がんになるほどではないと考えられている。 | ||
+ | 妊娠中の動物実験(ねずみなど)にダイオキシンを与える実験で、口蓋裂、水腎症などの奇形を起こすことがわかっている。人については、ベトナム戦争帰還兵の子供の脊椎の奇形について、ダイオキシンと関連があるのでは、との報告もあるが、まだ不明な点が多いようだ。しかし、現在日本の通常の環境の汚染レベルではダイオキシンにより奇形が生ずるほどではないと考えられている。 | ||
+ | 動物実験において、ダイオキシンは体内のホルモンと似たような働きをすることにより、甲状腺機能が低下したり、生殖器官が小さくなったり精子数が減ったり、また免疫機能が低下したりすることが報告されている。ただし、人に対しても同じような影響があるのかどうかについては、まだよくわかっていない。 |
2009年8月8日 (土) 20:17の版
構造と性質
ダイオキシンの構造は、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)をまとめてダイオキシン類と呼んでいる。 また、コプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCB)のようなダイオキシン類と同様の毒性を示す物質をダイオキシン類似化合物とよぶ。 ダイオキシン類は塩素を含む物質の不完全燃焼や、薬品類の合成の際、意図しない副合成物として生成する。 化合物字訳基準に従っ名称は、ジオキシンという。
ダイオキシンの性質は、無色無臭の個体で、蒸発しにくくほとんど水には溶けないが、脂肪などには溶けやすい。また、他の化学物質や酸、アルカリとは容易に反応しない安定した性質を持っているが、太陽からの紫外線で徐々に分解されることがわかっている。800℃以上の高温での完全燃焼により分解可能であるが、300℃程度の温度で「デノボ合成」(:デノボ、とは新しいものという意味で、低温での炭素からのダイオキシン生成のことをいう)により再合成される。
発生源
ダイオキシンは、意図的につくられることはない。しかし、炭素・酸素・水素・塩素が熱せられるような工程で意図せずできてしまう。 ダイオキシンの主な発生源は、自動車排ガス、煙草の煙、ゴミの焼却による燃焼工程等の他、金属精錬の燃焼過程や紙などの塩素漂白工程など、さまざまなところで発生する。 また、山火事や火山活動などの自然現象などによっても発生する。家庭内でも、塩素を含む薬剤、漂白剤などの使用、プラスチックや食品トレイの燃焼によっても発生する。 日本全体では、ダイオキシンは一年間に約5140~5300グラムが環境中に排出されていると試算されている。
生物への影響
陸上動物においても水生生物においても食物連鎖の低位にある生物よりも高位にある生物の方がより高いダイオキシン濃度を示すことが知られている。一方、PCDD、PCDF については、食物連鎖の高位にある生物の方がより低い濃度を示す傾向があることが確認されている。 WHO(世界保健機構)の国際がん研究機関(IARC)では、動物実験や人への影響の評価をもとに化学物質の人への発がん性の強さを分類しているが、平成9年2月、ダイオキシンの中でも最も毒性が強い2, 3, 7, 8-TCDDは、人に対する発がん性があるという評価を行なっている。しかし、現在の日本の通常の環境の汚染レベルではダイオキシンにより、がんになるほどではないと考えられている。 妊娠中の動物実験(ねずみなど)にダイオキシンを与える実験で、口蓋裂、水腎症などの奇形を起こすことがわかっている。人については、ベトナム戦争帰還兵の子供の脊椎の奇形について、ダイオキシンと関連があるのでは、との報告もあるが、まだ不明な点が多いようだ。しかし、現在日本の通常の環境の汚染レベルではダイオキシンにより奇形が生ずるほどではないと考えられている。 動物実験において、ダイオキシンは体内のホルモンと似たような働きをすることにより、甲状腺機能が低下したり、生殖器官が小さくなったり精子数が減ったり、また免疫機能が低下したりすることが報告されている。ただし、人に対しても同じような影響があるのかどうかについては、まだよくわかっていない。