グローバリゼーション3

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2009年8月9日 (日) 02:23の版
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国境を越えた自由移動の突破口は、核戦力の国境を越えた移動という形で開かれた。まず政治経済ではなく、軍事力の世界で生まれたといえる。核兵器の巨大なエネルギーや大気圏外を飛行する宇宙衛星やミサイルの登場は、旧来の国境の枠組みの中では収まりきらず、国家という枠組みをこえてしまったといえる。しかし、マネー・モノ・ヒトといった経済的要素の国境を越えた移動には、第二次世界大戦後も国家によって幾層もの規制があった。実際、第二次世界大戦後の西側世界のマネーと商品の国際移動のあり方を定めたのは1944年のブレトン・ウッズ会議だったが、そこで生まれた国際通貨基金(IMF)にせよ、関税と貿易に関する一般協定(GATT)にせよ、マネーと商品、労働力の国境を越えた移動を管理したり、必要な制限を加えることは国家として当然だという考え方を基に成り立っていた。 国境を越えた自由移動の突破口は、核戦力の国境を越えた移動という形で開かれた。まず政治経済ではなく、軍事力の世界で生まれたといえる。核兵器の巨大なエネルギーや大気圏外を飛行する宇宙衛星やミサイルの登場は、旧来の国境の枠組みの中では収まりきらず、国家という枠組みをこえてしまったといえる。しかし、マネー・モノ・ヒトといった経済的要素の国境を越えた移動には、第二次世界大戦後も国家によって幾層もの規制があった。実際、第二次世界大戦後の西側世界のマネーと商品の国際移動のあり方を定めたのは1944年のブレトン・ウッズ会議だったが、そこで生まれた国際通貨基金(IMF)にせよ、関税と貿易に関する一般協定(GATT)にせよ、マネーと商品、労働力の国境を越えた移動を管理したり、必要な制限を加えることは国家として当然だという考え方を基に成り立っていた。
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 +藤岡惇『グローバリゼーションと戦争―宇宙と核の覇権目指すアメリカ―』大月書店 2004/7/20

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○グローバリゼーションとは


モノとマネーの自由移動の全球化。この言葉には、グローバリゼーションの3つの標識、

①自由移動―モノ(財貨、情報、軍事力など)とマネー(貨幣、資本)の移動に対する国家的な制約が弱まり、国境の壁が低まること。

②全―この動きが60億人の全人類をとらえるようになったこと。

③球―世界を平面としてではなく、球体として管理する宇宙技術と情報技術の革命を伴っている

が含まれている。

グローバリゼーションは宇宙・情報技術の指揮管理化で進んでいる。そもそも国境を越えてモノが自由移動するということの始まりは、核戦争の管理であるとも考えられる。


○核とグローバリゼーション

1950~1960年代にかけて宇宙衛星と核ミサイルが開発された。航空機と違って大気圏外を超高速で飛ぶミサイルはつかまえたり撃ち落とすことが当時簡単ではなく、領土領空をいくら侵犯されても手をつけられなかった。他面、核戦争は国境の枠を簡単に超えてしまう性質を持っている。核兵器の第一世代である核爆弾は、宇宙の開発が進むと、核弾頭ミサイルになり、国境を自由に越え、地球規模で動けるようになった。

国境を越えた自由移動の突破口は、核戦力の国境を越えた移動という形で開かれた。まず政治経済ではなく、軍事力の世界で生まれたといえる。核兵器の巨大なエネルギーや大気圏外を飛行する宇宙衛星やミサイルの登場は、旧来の国境の枠組みの中では収まりきらず、国家という枠組みをこえてしまったといえる。しかし、マネー・モノ・ヒトといった経済的要素の国境を越えた移動には、第二次世界大戦後も国家によって幾層もの規制があった。実際、第二次世界大戦後の西側世界のマネーと商品の国際移動のあり方を定めたのは1944年のブレトン・ウッズ会議だったが、そこで生まれた国際通貨基金(IMF)にせよ、関税と貿易に関する一般協定(GATT)にせよ、マネーと商品、労働力の国境を越えた移動を管理したり、必要な制限を加えることは国家として当然だという考え方を基に成り立っていた。


藤岡惇『グローバリゼーションと戦争―宇宙と核の覇権目指すアメリカ―』大月書店 2004/7/20


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