エリス

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ピッツバーグに生まれ、コロンビア大学で臨床心理学の学位を得た。 合理情動療法を創始した心理療法家で,ニューヨーク合理情動療法研究所所長。当初はホーナイ派の精神分析の訓練を受けてニューヨークで心理療法のクリニックを開業した。だが、1955年に精神分析から離れ、行動療法や一般意味論、実存主義、プラグマティズムなどの影響を受けなが、ABCシェマという独自の理論を構築し、合理情動療法を発展させた。1982年のアメリカ心理学会による調査「20世紀に最も影響の大きかった心理療法家」ではカール・ロジャーズに次いで、堂々2位に選ばれた。また、1957年以降、論文への引用頻度でも一位を続けていた。1955年に心理療法の新しいアプローチとして論理療法(Rational Therapy)を考案した。 1962年に論理療法を論理情動療法/理性感情療法(Rational-Emotive Therapy:RET)と名称を変更した。 1995年に論理情動療法を論理情動行動療法/理性感情行動療法(Rational Emotive Behavior Therapy:REBT)と名称を変更した。 ピッツバーグに生まれ、コロンビア大学で臨床心理学の学位を得た。 合理情動療法を創始した心理療法家で,ニューヨーク合理情動療法研究所所長。当初はホーナイ派の精神分析の訓練を受けてニューヨークで心理療法のクリニックを開業した。だが、1955年に精神分析から離れ、行動療法や一般意味論、実存主義、プラグマティズムなどの影響を受けなが、ABCシェマという独自の理論を構築し、合理情動療法を発展させた。1982年のアメリカ心理学会による調査「20世紀に最も影響の大きかった心理療法家」ではカール・ロジャーズに次いで、堂々2位に選ばれた。また、1957年以降、論文への引用頻度でも一位を続けていた。1955年に心理療法の新しいアプローチとして論理療法(Rational Therapy)を考案した。 1962年に論理療法を論理情動療法/理性感情療法(Rational-Emotive Therapy:RET)と名称を変更した。 1995年に論理情動療法を論理情動行動療法/理性感情行動療法(Rational Emotive Behavior Therapy:REBT)と名称を変更した。
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 +==論理療法==
 +  エリス(Ellis, A. & Harper, R. A.1975)によって創始された心理療法。論理情動療法あるいは論理療法とも訳される。近年では,エリス自らが「行動」の文字を加え,合理情動行動療法(rational emotive behavioral therapy ; REBT)と称している。 認知の変容を治療目標とする一つの治療体系である。人の 反応は
 + 刺激によってのみ生じるものではなく,刺激の解釈などの認知的変数によって生じると考える。そこで,個人の 思考のスタイルに焦点を当て,それが変化すれば反応が変化すると考えた。この点では, ベックの 認知療法と同様である。
 + 合理情動療法の特徴はABCシェマという理論に集約される。Aとはactivating eventのことであり,その後の反応を導き出す原因となる出来事のことである。賦活事象と訳されることもある。Bはbeliefであり, 信念(ビリーフ)と訳される。これはAについての思考や信念などの認知的変数を表す。Cはconsequenceであり,Bから生じた情動的あるいは行動的結果であり,反応を表す。結果Cは, クライエントの目には賦活事象Aが直接引き起こすかのように見える。だが,じつはその間に信念Bとよぶ 認知スタイルが存在する。この場合,クライエントに問題を引き起こさせるBが問題となる。問題を引き起こすことに関連する思考スタイルを非合理的な信念(irrational belief)とよぶ。合理情動療法では,ABCシェマの構造について学び,非合理的な信念を見出して,それに代わって問題を軽減させる思考,すなわち合理的な信念(rational belief)を使用することを勧める。信念の変更に抵抗のある場合には論争(dispute, 論破,論駁とも訳す)を行う。そのうえで問題の生じる場面で実際に合理的信念を行わせる宿題(ホームワーク課題)を課す。
 + 以上のように,合理情動療法は認知的構えを変更させる手法が主体であり,そのことで行動の変容を図っており, 認知行動療法の発展に大きな影響を与えている。 認知療法  認知行動療法

2010年2月2日 (火) 22:39の版

概要

ピッツバーグに生まれ、コロンビア大学で臨床心理学の学位を得た。 合理情動療法を創始した心理療法家で,ニューヨーク合理情動療法研究所所長。当初はホーナイ派の精神分析の訓練を受けてニューヨークで心理療法のクリニックを開業した。だが、1955年に精神分析から離れ、行動療法や一般意味論、実存主義、プラグマティズムなどの影響を受けなが、ABCシェマという独自の理論を構築し、合理情動療法を発展させた。1982年のアメリカ心理学会による調査「20世紀に最も影響の大きかった心理療法家」ではカール・ロジャーズに次いで、堂々2位に選ばれた。また、1957年以降、論文への引用頻度でも一位を続けていた。1955年に心理療法の新しいアプローチとして論理療法(Rational Therapy)を考案した。 1962年に論理療法を論理情動療法/理性感情療法(Rational-Emotive Therapy:RET)と名称を変更した。 1995年に論理情動療法を論理情動行動療法/理性感情行動療法(Rational Emotive Behavior Therapy:REBT)と名称を変更した。


論理療法

  エリス(Ellis, A. & Harper, R. A.1975)によって創始された心理療法。論理情動療法あるいは論理療法とも訳される。近年では,エリス自らが「行動」の文字を加え,合理情動行動療法(rational emotive behavioral therapy ; REBT)と称している。 認知の変容を治療目標とする一つの治療体系である。人の 反応は  刺激によってのみ生じるものではなく,刺激の解釈などの認知的変数によって生じると考える。そこで,個人の 思考のスタイルに焦点を当て,それが変化すれば反応が変化すると考えた。この点では, ベックの 認知療法と同様である。  合理情動療法の特徴はABCシェマという理論に集約される。Aとはactivating eventのことであり,その後の反応を導き出す原因となる出来事のことである。賦活事象と訳されることもある。Bはbeliefであり, 信念(ビリーフ)と訳される。これはAについての思考や信念などの認知的変数を表す。Cはconsequenceであり,Bから生じた情動的あるいは行動的結果であり,反応を表す。結果Cは, クライエントの目には賦活事象Aが直接引き起こすかのように見える。だが,じつはその間に信念Bとよぶ 認知スタイルが存在する。この場合,クライエントに問題を引き起こさせるBが問題となる。問題を引き起こすことに関連する思考スタイルを非合理的な信念(irrational belief)とよぶ。合理情動療法では,ABCシェマの構造について学び,非合理的な信念を見出して,それに代わって問題を軽減させる思考,すなわち合理的な信念(rational belief)を使用することを勧める。信念の変更に抵抗のある場合には論争(dispute, 論破,論駁とも訳す)を行う。そのうえで問題の生じる場面で実際に合理的信念を行わせる宿題(ホームワーク課題)を課す。  以上のように,合理情動療法は認知的構えを変更させる手法が主体であり,そのことで行動の変容を図っており, 認知行動療法の発展に大きな影響を与えている。 認知療法  認知行動療法


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