ロシアの教育

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2010年2月10日 (水) 00:17の版
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- ロシアの教育の最初は日本と同じく1歳から3歳までは保育園、3歳から6歳までは幼稚園となる。ロシアの家庭では圧倒的に共働きが多いので、子供を保育園や幼稚園に預けるのが普通である。幼稚園の頃から簡単な授業があり、子供たちは遊びながら英語を覚えたりする。+==就学前教育施設==
 +生後2ヶ月から就学前までの乳幼児が入り、保育・教育を行う機関。種類としては保育所、幼稚園、保育・幼稚園の3種からなる。保育所は生後2ヶ月から三歳まで、幼稚園は3歳から就学前まで(小学校入学が6歳と7歳の二つある)、保育・幼稚園は生後2ヶ月から就学前の子供を収容し、保育及び教育を行っている。なお、ソ連時代の60年代以降新設の場合保育・幼稚園の施設が原則となっていたので、都会を中心に3歳児未満も幼稚園に入れるケースが多い。また、施設が不足している場合は学校に幼稚園を付設する場合も見られる。
- その後、小学校へ通うのだが、就学年齢は親の選択により6歳または7歳から選べ、7歳就学時の場合4年間の初等学校での初等一般教育を3年で済ませる。前期中等学校は5年で後期中等学校(高校)は2年の3段階よりなり、11年の一貫教育で、日本の小中高を合わせたものに相当し、同一校舎で同一校長によって運営管理されているが、義務教育は初等学校と前期中等学校の9年間である。ロシアではこの義務教育終了後99% の生徒が高校へ行く。学校は公立と私立があり、私立学校においては、ロシア教育省の定めた学科のほかに、日本語や上級英語、雄弁術などといった追加の科目も教えている。公立高校は申請すればすぐ入れるが、私立高校は受験があり、競争は厳しい。また、授業料は高額なため、負担できるのは高収入の家庭のみと限られている。また、夏休みは6月から8月の3ヶ月あり、宿題が沢山出る。さらに、義務教育期間に飛び級や留年もある。授業時間についても特徴的で、午前の部と午後の部に分かれており、6歳から10歳の初等小学校は午前の授業、10歳から15歳の前期中学校は午後2時から8時までの午後の授業、15歳から17歳までの高校は午前の授業となっている。 
- また、義務教育の終了後、中等専門教育機関に通うことも可能である。これは、中等技術学校と専修学校であり、一般的に3年間学習する。看護師や保育士や図書館員、地下鉄の機関士などが中等専門教育機関修了者となる。専門学校の教育プログラムでは普通一般の学生の10・11年生が学んでいる科目と専門科目を平行して行っており、これを受けた後、その分野の大学に入る者も多く、大学入学の際有利になることも有る。 +==初等・中等普通教育==
 +初等普通教育、基礎普通教育、中等(完全)普通教育の三段階で構成される。諸島普通教育は満6歳あるいは満7歳から入学し、4年ないし3年間(カリキュラムは3年制と4年制がある)であり基礎普通教育はその後5年間である。中等(完全)普通教育は基礎普通教育修了者が入学でき、2年制の教育を行い、国家試験合格者は大学への進学の資格を取得する。つまり、ロシアの初等・中等教育制度は4-5-2制で9年間の教育内容を履修することが義務ということになる。なお、9年制の普通教育修了者の約99%が第10学年に進級している。これらのほか、「発達に障害のある学習者のための特殊教育(矯正教育)施設」「孤児及び親の保護を受けていない子供のための施設」なんかも有る。
 +学校の設置携帯は、多様な設置形態が見られ、国立・公立以外に民間により設置された学校が存在する。初等・中等教育施設は公立学校が大多数であり、学校は番号で示されている(例えばモスクワ第20番学校)が一般の学校以外に「リツェイ」(理科系の英才児を収容する学校)、「ギムナジア」(文科系の英才児を収容する学校)、「特定の教科を深く学ぶ学校」(数学・物理学校や外国語学校などと略される)などと呼ばれる学校も存在する。また、私学も個人も宗教団体などにより設立され、特色ある教育を進めている。
 +学校の特徴として、義務教育期間に飛び級や留年もあったり、授業時間については午前の部と午後の部に分かれており、初等期間は午前の授業、基礎期間は午後2時から8時までの午後の授業、中等期間は午前の授業となっている。
- 高校卒業後17歳からは大学や専門学校などに入り勉強が出来、基本的に大学(ウニベルシテートと呼ばれる総合大学)は5年(医学部は6年)、短大や専門学校(カレッジ・インスティトゥートとも呼ばれる)は3から4年となっている。ちなみに、大学期間の就学年数が変ったのはソビエト崩壊以降で、4年制から5年制になる過渡期には4年と半年という時期もあったそう。また、ソ連時代には大学は国立で、教育にかかる経費は政府が負担していた。今でも無料の大学も残ってはいるが、人気のある大学や学部では有料となっている。大学に入るには入試と面接が必要である。ロシアの大学へは、高校時代から将来の職業を大体決めて、必要な科目を集中的に勉強し、大学を選び進学する。基本的に大学で学んだ知識などを生かす職業に就くのである。ロシアでは、大学間に人気の差はあまりなく、自分の住んでいる町の近く、通いやすい大学を選ぶ人が多い。 
 +==職業教育施設==
 +職業教育施設としては、初級職業教育・中級職業教育・上級職業教育・上級後職業教育の4種に分けられる。言い換えれば、中等教育段階の初等職業教育、中等後期段階から大学前期段階にわたる中等職業教育、大学段階の高等職業教育(上級職業教育は大学教育と同じに使われている)、大学院段階の教育ということになる。
 + 初等職業教育は基礎普通教育を基礎とした(9年卒)、1~3年の職業教育施設であり、一般に「職業・技術学校」と呼ばれる、初級職業人養成のための学校である。
 + 中級職業教育は基礎普通教育修了者を受け入れる場合と中等(完全)普通教育修了者を受け入れる場合との二種類があり、前者の場合修行年限は3~4年、後者の場合は2~3年(職種によって異なる)となっている。
 +高等職業教育は中等(完全)普通教育及び中級職業教育を基礎としたもので、高等教育施設で行われる。修業年限は5年または6年(医学関係)となっている。高等教育施設には「総合大学」「専門大学」の二種類があり、専門大学は各種の職業種ごとに設置されている。また、上級職業教育は大学・研究機関付設の大学院で行うことになっている。
-参考: 
-ロシアの教育システム:http://byeryoza.com/topic/log1/edu.htm 
-ロシアの教育制度:http://www.rengo-hokkaido.gr.jp/russia/education.htm+参考
-環日本海経済研究所http://www.erina.or.jp/jp/Appear/opinion/2001/Russia/kobayashi.htm+『ロシアの教育課程と教科書』諸外国の教科書に関する調査研究委員会 2005年3月
 + 
 +『新興ロシアの教育』山下徳治著 白石書店 1980年5月
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 +ロシアの教育システム:http://byeryoza.com/topic/log1/edu.htm
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 +ロシアの教育制度:http://www.rengo-hokkaido.gr.jp/russia/education.htm

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就学前教育施設

生後2ヶ月から就学前までの乳幼児が入り、保育・教育を行う機関。種類としては保育所、幼稚園、保育・幼稚園の3種からなる。保育所は生後2ヶ月から三歳まで、幼稚園は3歳から就学前まで(小学校入学が6歳と7歳の二つある)、保育・幼稚園は生後2ヶ月から就学前の子供を収容し、保育及び教育を行っている。なお、ソ連時代の60年代以降新設の場合保育・幼稚園の施設が原則となっていたので、都会を中心に3歳児未満も幼稚園に入れるケースが多い。また、施設が不足している場合は学校に幼稚園を付設する場合も見られる。


初等・中等普通教育

初等普通教育、基礎普通教育、中等(完全)普通教育の三段階で構成される。諸島普通教育は満6歳あるいは満7歳から入学し、4年ないし3年間(カリキュラムは3年制と4年制がある)であり基礎普通教育はその後5年間である。中等(完全)普通教育は基礎普通教育修了者が入学でき、2年制の教育を行い、国家試験合格者は大学への進学の資格を取得する。つまり、ロシアの初等・中等教育制度は4-5-2制で9年間の教育内容を履修することが義務ということになる。なお、9年制の普通教育修了者の約99%が第10学年に進級している。これらのほか、「発達に障害のある学習者のための特殊教育(矯正教育)施設」「孤児及び親の保護を受けていない子供のための施設」なんかも有る。 学校の設置携帯は、多様な設置形態が見られ、国立・公立以外に民間により設置された学校が存在する。初等・中等教育施設は公立学校が大多数であり、学校は番号で示されている(例えばモスクワ第20番学校)が一般の学校以外に「リツェイ」(理科系の英才児を収容する学校)、「ギムナジア」(文科系の英才児を収容する学校)、「特定の教科を深く学ぶ学校」(数学・物理学校や外国語学校などと略される)などと呼ばれる学校も存在する。また、私学も個人も宗教団体などにより設立され、特色ある教育を進めている。 学校の特徴として、義務教育期間に飛び級や留年もあったり、授業時間については午前の部と午後の部に分かれており、初等期間は午前の授業、基礎期間は午後2時から8時までの午後の授業、中等期間は午前の授業となっている。


職業教育施設

職業教育施設としては、初級職業教育・中級職業教育・上級職業教育・上級後職業教育の4種に分けられる。言い換えれば、中等教育段階の初等職業教育、中等後期段階から大学前期段階にわたる中等職業教育、大学段階の高等職業教育(上級職業教育は大学教育と同じに使われている)、大学院段階の教育ということになる。  初等職業教育は基礎普通教育を基礎とした(9年卒)、1~3年の職業教育施設であり、一般に「職業・技術学校」と呼ばれる、初級職業人養成のための学校である。  中級職業教育は基礎普通教育修了者を受け入れる場合と中等(完全)普通教育修了者を受け入れる場合との二種類があり、前者の場合修行年限は3~4年、後者の場合は2~3年(職種によって異なる)となっている。 高等職業教育は中等(完全)普通教育及び中級職業教育を基礎としたもので、高等教育施設で行われる。修業年限は5年または6年(医学関係)となっている。高等教育施設には「総合大学」「専門大学」の二種類があり、専門大学は各種の職業種ごとに設置されている。また、上級職業教育は大学・研究機関付設の大学院で行うことになっている。


参考

『ロシアの教育課程と教科書』諸外国の教科書に関する調査研究委員会 2005年3月

『新興ロシアの教育』山下徳治著 白石書店 1980年5月

ロシアの教育システム:http://byeryoza.com/topic/log1/edu.htm

ロシアの教育制度:http://www.rengo-hokkaido.gr.jp/russia/education.htm


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