シュタイナー教育3
出典: Jinkawiki
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== シュタイナー教育の教育方針 == | == シュタイナー教育の教育方針 == | ||
- | *あらゆる子どもに対して開かれた学校 | + | あらゆる子どもに対して開かれた学校 |
- | *男女共学 | + | 男女共学 |
- | *12年一貫教育 | + | 12年一貫教育 |
- | *先生達が学校運営に中心的な役割を担い、行政や財源からの影響を最小限に抑えること。 | + | 先生達が学校運営に中心的な役割を担い、行政や財源からの影響を最小限に抑えること。 |
これらは、すべてのシュタイナー学校に引き継がれている。政治や財源の意図によって教育が行われるのではなく、あくまで子供のため、子どもの本質をひたすら育むための教育を目標にしている。それは、一言で「自由への教育」と呼ばれている。しかし、ここでいう「自由」は勝手気まま、自由放任ではなく、何者かに依存したりすることがなく、自分の判断をもってくだし、行動できるような大人、つまり自由な人間になるための教育ということである。 | これらは、すべてのシュタイナー学校に引き継がれている。政治や財源の意図によって教育が行われるのではなく、あくまで子供のため、子どもの本質をひたすら育むための教育を目標にしている。それは、一言で「自由への教育」と呼ばれている。しかし、ここでいう「自由」は勝手気まま、自由放任ではなく、何者かに依存したりすることがなく、自分の判断をもってくだし、行動できるような大人、つまり自由な人間になるための教育ということである。 | ||
2010年2月12日 (金) 11:35の版
目次 |
シュタイナー教育
「シュタイナー教育」はドイツの思想家で哲学者であるルドルフ・シュタイナーが始めた教育である。シュタイナーは、アントロポゾフィーという人間観、世界観を提唱した。また、実践面においても、その時代時代のテーマにいつも真正面から向き合う人で、教育の問題に向き合ったときに、自分の考え方を根本において作り出したのが「シュタイナー教育」である。
シュタイナー教育の始まり
1919年にドイツに設立された学校が世界で最初のシュタイナー学校である。1919年とは第1次世界大戦が終わった年であり、シュタイナーは第1次世界大戦を引き起こした原因は社会問題に対する捉え方が間違っているからであり、それを正しくする必要があると考えた。そこで、「政治的な領域での平等、経済領域での友愛、そして人間の文化活動や精神活動には絶対的な自由が与えられるべきである」という考え方を打ち出し、この考え方が多くの人に支持され、社会を根本的に変えようという運動へと広がった。こうした運動の中、ヴァルドルフ・アストリアという煙草会社の労働者たちがシュタイナーに講演を頼み、大きな反響を呼び、また、労働者の子弟のための学校を作りたいという煙草会社の社長の相談に応じる形で、世界で初めてシュタイナー学校が開校したのである。 現在では、世界約65カ国、800近い学校までに増えている。
シュタイナー教育の教育方針
あらゆる子どもに対して開かれた学校 男女共学 12年一貫教育 先生達が学校運営に中心的な役割を担い、行政や財源からの影響を最小限に抑えること。 これらは、すべてのシュタイナー学校に引き継がれている。政治や財源の意図によって教育が行われるのではなく、あくまで子供のため、子どもの本質をひたすら育むための教育を目標にしている。それは、一言で「自由への教育」と呼ばれている。しかし、ここでいう「自由」は勝手気まま、自由放任ではなく、何者かに依存したりすることがなく、自分の判断をもってくだし、行動できるような大人、つまり自由な人間になるための教育ということである。
シュタイナー教育の授業形態
最も特徴的なのは、同じ科目を3~5週間集中して行う「エッポク授業」である。毎日午前中の2時間あてられているエポック授業では、まず歌を歌ったり、笛を吹いたりしながら子供たちの心の準備を整え、残りの1時間45分くらいの時間で、国語、算数、社会、理科などを行う。この授業は、算数を3~5週間毎日、次に国語を3~5週間毎日、次に社会、理科と行われていくので、一度やった教科を次にやるのは半年後であったり、1年後である。それでは、習ったことを忘れてしまうと思ってしまいがちだが、子供の成長に対する深い考え方によって行われているから安心なのだ。担任も12年の中で、1年~8年まで持ち上がりなのだ。また、シュタイナー学校の授業ではすべてに芸術的な要素が盛り込まれている。さらに、シュタイナー教育には、テストも教科書もない。その代わりに、先生の話をじっくりと聞き、家に帰ってからその日に聞いたことをノートに書き綴る。そうやって出来上がったノートこそが、いわば手作りの教科書なのだ。
生涯にわたる学習への動機づけ
シュタイナーは、新入学の日の第1時間目の授業の大切さを、大変強調している。「子供たちはなぜ学校に来たのか、そのわけを聞かされ理解されるべき」とシュタイナーは述べていて、子供たちは大人がすでにできることをいつの日か、彼らが成長したときにできるように期待されていることを教師から聞かされるべきであり、多くの観点から具体的に説明されるべきである。教師は、子供たちに向かって理想を物語ることをためらってはいけない。すぐには理解しなくても、後になって思い出されるからである。そして、思い出されたときに感情に深い感銘を与える。このような意識・環境で行っているシュタイナー教育だからこそ、子供たちものびのびと学ぶことができる。
日本のシュタイナー教育?
日本には学校法人として許可されたシュタイナー学校はまだないが、いわゆるフリースクールの形をとっている。日本に作れない原因としては、日本では学校を作るときに必要な規定が難しいことや、土地の確保や校舎の建築にお金がかかりすぎることが考えられる。全国各地でシュタイナー学校を作ろうという動きはでてきているが、日本におけるシュタイナー学校の本格的な定着はこれからの課題とも言える。土・日の学校がないときに、講座としてシュタイナー教育が全国各地で行われている。
≪参考文献≫
- 『シュタイナー教育入門』、著 子安美知子・上松祐二・西平直ほか、学研
- 『シュタイナー教育 その理論と実践』、著 ギルバート・チャイルズ 訳 渡辺穣司、イザラ書房
- 『シュタイナー再発見の旅』、著 子安美知子、小学館