学校教育相談

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== 参考文献 == == 参考文献 ==
 +坂野雄二(編) 臨床心理キーワード[補正版] 有斐閣双書,2000

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目次

概要

 狭義には、学校内で教員を中心にカウンセリングの理論や技法を、学習面や適応面に焦点を当てて、教育活動に生かすことを指す。広義では、学校内に臨床心理士などの心理の専門家がスクールカウンセラーとして入って相談活動を展開する場合も含めて考えられ、この場合には「学校カウンセリング」とも呼ぶ。類似概念として、「教育相談」があるが、これには教育相談所などの教育関連機関で相談活動を行う場合が含まれる。教育相談は、相談の対象者が幼児、児童、生徒であり、幼稚園や学校籍の者を対象として、相談活動が展開されている場合であり、より広い意味をもつ。一方、「学生相談」は高等教育機関に所属する学生を対象とした相談活動である。

学校教育相談と予防的カウンセリング

 学校で対象となる子どもは、多くは心理的に健康である。したがって、心理的な問題に対応するよりも、問題を予防することが学校教育相談では重視されるようになってきた。真理的な問題解決のためにカウンセリングを行う場合を治療的カウンセリングと呼ぶ。これに対して、予防的カウンセリングがある。予防的カウンセリングとは「本格的な問題に発展する前にその兆候を発見し、早期に対応するとともに、対象者が心理的な問題に陥ったり、教育上の諸問題を抱えないようにすること」である。問題の予防理論によれば、問題の予防には三段階のステップがあるとされる。事前に問題を予測し、それに対して問題を回避する段階(一次的予防)、問題を予兆の見られる早い段階で発見し、問題が悪化するのを防ぐ段階(二次的予防)、そして、問題が本格化した段階で対応する段階(三次的予防)である。三次的予防には治療的カウンセリングが含まれ、狭義には、予防的カウンセリングという場合には一次的予防と、二次的予防のことを指す。

予防的カウンセリングと開発的カウンセリング

一次的予防はさらに二段階に分かれる。「問題を避ける、問題に備える段階」と「心理的に健康な個人をはぐくむ段階」である。病気の予防にたとえれば、前者は「衛生管理」であり、後者は「滋養強壮、健康増進」である。特に後の場合を開発的カウンセリングと呼ぶ。開発的カウンセリングは、人間の発達を促進させるという意味があり、学校教育相談でいえば、「児童・生徒自らが心理的に健康であることを願い、それを求める姿勢を培うこと」である。

参考文献

坂野雄二(編) 臨床心理キーワード[補正版] 有斐閣双書,2000


  人間科学大事典

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