類型論
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2010年2月16日 (火) 10:41の版
概要
人間はおのおの異なった多くの性格特徴を有しており、ひとりとして同一のものはいない。しかしながら、これらの多くの性格特性のいくつかはある人々に共通して見られたり、ある人々にはほとんど見られないという現象に気がつく。一方、我々の日常生活においても行動傾向の特徴から、人々を「似た者同士」というような形で区別していることもたびたびである。 性格の類型論はこのように、ある「原理」や「基準」に基づいて、多様な性格を整理、分類しようとする理論である。 この理論は人間学や性格学をその背景とし、主としてドイツやフランスを中心としたヨーロッパで発達した。 類型論はすでにギリシャ時代にその例を見ることができる。そのもっとも古い記述はヒポクラテス(Hippokrates)およびガレヌス(Galenus)の四気質説である。また、アリストテレス(Aristoteles)は人相学(観相術)を紹介し、テオフアストス(Theophrastos)は文学的な表現でもって性格像を描写しその分類を行っている。さらにがる(F.J.Gall)の骨相学や、シュプルツハイム(J.G.Spurzheim)の頭誌学も類型論の例である。
類型論の長所・短所
類型論は人間を「質的」に理解しようとする立場であり、類型化の(分類)の背景には一定の理論がある。 おのおのの類型論については、その類型の「典型」が示されている。したがって、個人個人の性格を「全体的に」「直感的に」把握することが容易である反面、次のような欠点も指摘されている。第一に多様な性格を少数の型に分けるために、中間型や移行型が無視されやすい。二番目にその類型に特有の性質を持っているか否かという事が注目されるため、ほかの特徴が無視されやすく、常にステレオタイプ的な見方に陥りやすい。三番目は類型論では性格の把握の仕方が固定的であり、力動的側面である、社会的、文化的環境の要因が無視されがちである、などがある。
参考文献
八千代出版 入門人格心理学 加藤義明編著