奥女中

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2011年1月28日 (金) 15:03の版
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奥女中とは

江戸時代の千代田城を初め、城内では政治をとる「表」に対し、将軍の正室や側室、子女が居住したところを「奥」と呼ばれている。千代田城では、幕府の政庁である「表」につづいて、官邸ともいうべき「中奥」があり、さらにその奥に将軍の私邸ともいうべき「大奥」があった。この大奥に、家を出て働きにくる女性たちのことを奥女中という。大奥は中奥と御錠口の御杉戸を境として、男子禁制の場所となっていた。この表、中奥、大奥の3つの区域は厳重に区別されていた。奥女中は身分の高低に関わらず、表を見ることはできなかった。奥女中のみならず、将軍の正夫人である御台所をでさえ、生涯にただ一度だけ「御表拝見」という行事があるに過ぎず、中にはこの行事をせずに終わった人さえいた。大奥の生活は、将軍の住む「本丸」では夫人たる御台所を中心に、前将軍または将軍の子どもの住む「西丸」では大御台所御簾中が中心となって行われた。


奥女中の職制 

奥女中の職制には段々の階級があり、「御目見え以上」「御目見え以下」に分かれている。

―御目見え以上―

上臈(上臈年寄)(じょうろう):公家の娘。大奥の最高位であるが、実権はない。

御年寄(おとしより):表の老中に匹敵するほどの要職。大奥の一切を仕切る第一権力者。

中年寄(ちゅうどしより):御台所につく役。御年寄の指示を受けて働く。

御客会釈(おきゃくあしらい):将軍が大奥にお成りの時のおとりなし、ご家門等の女使の接待を行う。

御中老(おちゅうろう):将軍、御台所の近くで身辺のお世話をする。高級旗本の娘が御小姓を経てなる。

御坊主(おぼうず):将軍に従い中奥、表に行けた唯一の役職。女でありながら頭を坊主にし、男の着物を着ていた。

御小姓(おこしょう):御台所、御簾中及び姫君のお側に仕え、煙草やお手水の世話をする。

表使(おもてづかい):お年寄りの指示により、表の御用人などと応接するいわば大奥の外交官。

御次(おつぐ):仏間、台所、御膳部、御道具の係で、大奥で催しがある時は、演じる役を担う。

御右筆(おゆうしつ):日記、諸記録、書状などの製作にあたる役

御錠口衆(おじょうぐちしゅう):御錠口(中奥と大奥を連絡する御鈴廊下の端の杉戸)を監視する。「上の御鈴」と「下の御鈴」の2つがあるが、下は非常口、上は将軍が大奥に出入りするもの。

御切手(おきって):七つ口から出入りする者を取り締る。

呉服之間(ごふくのま):服飾を司る専門職。

―御目見え以下―

御三之間(おさんのま):親許が、お目見え以上の旗本の場合に始めに就く役職。他には、御台所の居間の掃除。

御仲居(おなかい):御膳所の係。献立の一切、煮炊を司る。

御火之番(おひのばん)大奥の部屋の巡回をし、火の元の注意。

御使番(おつかいばん):御広敷御錠口の開閉、外部のお使い。

御末(おすえ):御端下(おはした)ともいい、風呂や台所の水汲み、掃除などの雑用。

上記より下の位に「部屋方」というのがあり、合の間、タモン、小僧などがいた。


  出典

江戸城大奥の生活 高柳金芳著 雄山閣

江戸奥女中物語 畑尚子 講談社現代新書


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