ギムナジウム

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目次

概要

ドイツの大学進学を前提とした中等教育機関。7年制または9年制。ギムナジウム最後の2年間の成績と、ギムナジウム卒業時に実施されるアビトゥーア試験の総合成績が一定のレベルに達した者に対し、大学入学資格(アビツゥーア)を付与する仕組みになっている。この資格を取得した者は原則としてドイツ国内のどの大学、学部にも入学することが出来。古典語系、現代語系、数学・自然科学系があり、同年齢集団の20~25%のモノが就学している。このほかに新しいタイプのものとして、後期中等教育段階にあたる第11学年からの3年制の経済系、社会科学系などのギムナジウムもある。

略歴

18世紀のドイツには、数々の教育機関、とくに、諸学校と大学との間の相互関係は欠如していた。つまり諸学校と大学の関係は垂直的な上下関係ではなく、並立関係にあったので大学に入学するうえで前提となる確固とした中等教育期機関もなく、また大学入学のために必要とされる確定した資格も存在しなった。そのため、農民や職人の子弟も大学に入学するころができていた。こうした事態は大学終了者の過剰排出を生み出し、彼らは官史や聖職者などのエリート的職業につくことができず、社会的不安のもとになった。 1787年、プロイセン政府はそれまでの場当たりな方策の段階を越え、高等学務委員会を設置することによって、大学入試を監督する恒常的中央行政機関を確立した。そして、諸学校において終了者すべてに対して試験が行われ、大学の勉学に適しているかどうかを示す証明書が与えられねばならないとした。試験は年二回、筆記と口頭の両方という形式であった。証明書には、生徒の品行や勤勉さ、言語や学術的知識、特に歴史の知識について、詳細に記された。 しかし、これがうまくはいかなかった。試験手続きに欠陥が出たり、試験の時間や内容も必ずしも厳格に取り締まわれることはなかった。そこで、誕生したのが、アビトゥーアの創出を頂点とする学校卒業資格であり、アビトゥーアを授与できる学校は特別な存在と化していった。そこに、ギムナジウムと呼称されるエリート中等学校が生誕した。


特色

ドイツ全体に見られる教育制度の大きな特色として、各州とも複線型のシステムが採られているということだ。かつてまでは、ギムナジウムを経て大学入学へと至るのが伝統的大学進学コース(第一の教育の道)であったが、現在では、ギムナジウム以外の学校を経由して大学進学を目指すことも可能となっている(第二の教育の道)。バーテン・ヴュルテンベルク州で見ると、たとえば、実科学科に進学した生徒は、中級教育終了証を取得後、職業ギムナジウムまたは上構ギムナジウムに進学することにより『大学入学資格』を取得することが出来る。ドイツの大学は大きく2つの種類に区分されていて、博士号や大学教授資格が取得できる学術大学と、そうでない専門大学である。前者には総合大学や神学大学、芸術・教育といった単科大学が含まれる。 学術大学には、一般にギムナジウム上級段階を終えた者が進学する。専門大学は、それまでの技術者学校や、高等専門学校などの職業中等教育機関が大学に昇格したもので、1970年から発足した。専門大学には、『専門大学入学資格』を取得した者が進学するケースが多い。



参考文献

ドイツ・エリート要請の社会史~ギムナジウムとアビトゥーアの世界~ 望田幸男 著 [www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/238/023802.pdf -]


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