北朝鮮の核実験

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・概要

2009年5月25日、北朝鮮が「地下核実験を行ったと発表した。核実験とは核兵器が設計したとおりに爆発するか試すことをいう。北朝鮮は以前から核兵器を持っていると宣言しており、3年前にも同じ場所で核実験を行っている。実験したことを発表するのは「いつでも格を使える」とアピールして他国との関係を有利に進めようとしている。核兵器の材料には、原子力発電の副産物としてできるプルトニウムと、ウランを遠心分離器にかけて濃縮する濃縮ウランの2種類がある。北朝鮮はヨンビョンに建設された核関連施設でプルトニウムを製造しているとみられている。またこれとは別に、濃縮ウランを使った核兵器の開発も進めている疑いがある。北朝鮮に核開発をやめさせる話し合いは、北朝鮮とアメリカ、中国、ロシア、日本、韓国による六カ国協議で、これまで断続的に進められてきた。2007年には、北朝鮮が段階的に核開発を中止する代わりに、ほかの5カ国も段階的に1000万トンの重油を援助するという合意が成立し、いったんは核関連施設の無能力化作業が進んでいた。しかし核廃棄をどのように検証するかという検証の手続きをめぐって交渉が決裂し、北朝鮮は再び態度を硬化させてしまった。2009年4月北朝鮮は弾道ミサイルの発射実験を行った。しかし北朝鮮は「ミサイルではなく人工衛星を打ち上げた」と主張している。国連安保理は、発射を非難する議長声明を発表した。5月の核実験はこの議長声明への反発として行われたもので、同時に対決姿勢をエスカレートさせ、アメリカを交渉のテーブルに着かせたいという狙いもある。

・核開発問題の歴史 1993年、北朝鮮の核開発疑惑が浮上、北朝鮮IAEAの視察を拒否

1994年10月、米朝枠組み合意成立

2002年10月、高濃縮ウランによる核開発計画が発覚

2003年1月、北朝鮮、NTPを脱退

2003年8月、六カ国協議開始

2005年2月、北朝鮮、核保有を宣言

2005年9月、六カ国協議共同声明で北朝鮮が核放棄を約束

2006年7月、北朝鮮、ミサイル発射実験

2006年10月、北朝鮮、地下核実験

2007年2月、六カ国協議共同文書に北朝鮮が段階的な核放棄に合意

2009年4月、北朝鮮ミサイル発射実験

2009年5月、北朝鮮、地下核実験


出典

北朝鮮 北東アジアの緊張  櫻井よしこ ダイヤモンド社

まるわかり時事用語  ニュース・リテラシー研究所 編著


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