朝鮮戦争 4

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目次

概要

米ソ対立が激化する中で起こったこの戦争は米ソの「代理戦争」といわれ、これによって西ドイツのNATO軍編入や東南アジア条約機構(SEATO)結成など、アメリカ陣営の再軍備が促進された。これに対し、ソ連側も55年にワルシャワ条約機構(WTO)を成立させ、西側と対決する姿勢を示した。

朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国との間に起こった戦乱であり、第二次世界大戦後、朝鮮は日本の支配を離れ、北緯38度線を境に北はソ連、南はアメリカの占領下にはいり、別々に国を建てた。

1950年6月、北朝鮮軍が北緯38度線を越えて猛烈な勢いで進撃したことから、軍事衝突が始まり、韓国軍は圧倒され後退を続けた。初め北軍は釜山に迫ったが、アメリカは、国連緊急安保理に「北朝鮮による侵略非難・韓国援助」の決議を求めた。中国代表権問題で欠席戦術をとっていたソ連を除いて安保理は開催され、アメリカ案が採択された。安保理の勧告により、アメリカ軍以下十数の加盟国の軍隊は「国連軍」の名を得た。国連軍は仁川へ上陸、鴨緑江岸まで北上した。これに対して北軍は中華人民共和国義勇軍の援助を受けて反撃し、戦線は38度線付近で膠着した。1951年両軍代表により板門店で朝鮮休戦会談が始まり、53年7月朝鮮休戦協定が成立した。朝鮮全土の80%が焦土となり、300万人がこの戦争の犠牲になった。1953年の休戦協定の成立によって戦闘は停止したが、民族分断の悲劇は今なお続いている。現在も韓国に駐留しているアメリカ軍は、「国連軍」ということになっている。


特需

「特殊需要」の略。広義には駐留軍将兵と家族の日本国内消費などであるが、ふつうには朝鮮特需をさす。

1950年朝鮮戦争のために国連軍が行った軍需資材の買付けや運輸・修繕に対する注文で、ドル支払いが行われ、1950~53年の間で9.8億ドルにも達した。これにより日本の貿易収支が立ち直り、好景気を招き経済の再建が急速に進められた。(ドッジ・ラインによる不況から脱出した。)


冷戦期の主な国際紛争(冷戦を反映した紛争)

1.1945~49年

国共内戦


2.1946~54年

インドシナ戦争


3.1948~49年

ベルリン封鎖


4.1950~53年休戦

朝鮮戦争


5.1956年

ハンガリー反ソ暴動


6.1960~65年

コンゴ動乱


7.1962年

キューバ危機


8.1965~75年

ヴェトナム戦争


9.1968年

チェコ事件(※1)


10.1979~89年

ソ連のアフガニスタン侵攻(※2)


11.1979~90年

ニカラグア内戦


12.1979~91年

カンボジア紛争


13.1983年

米軍グレナダ侵攻


※1:ドプチェク第一書記が進めた自由化・民主化の改革(「プラハの春」)に対して、ソ連などワルシャワ条約機構軍が介入し、チェコスロヴァキア全土を占領。ドプチェクら首脳はソ連に連行され、自由化・民主化路線は阻止された。

※2:ソ連がアフガニスタンに軍を送り、親ソ連派の共産主義政権を樹立。それに対し、アフガニスタンの人々は反ソ連の武装組織を結成して武力闘争に突入した。


参考文献など

1.『最新図説 政経』 浜島晃 浜島書店 2007年

2.『日本史事典 三訂版』 旺文社 2000年

3.『世界史辞典 三訂版』 旺文社 2000年


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