原子力発電4

出典: Jinkawiki

(版間での差分)
2012年8月3日 (金) 16:11の版
Bunkyo-studen2008 (ノート | 投稿記録)

← 前の差分へ
2012年8月8日 (水) 20:58の版
Bunkyo-studen2008 (ノート | 投稿記録)

次の差分へ →
3 行 3 行
福島原発事故で使われている放射能測定単位は「シーベルト」である。これは放射能の「人体への影響」を表示する単位として扱われている。放射能が物質にあたったときその物質が吸収する放射能量はもちろん、放射能の強さに比例する。 福島原発事故で使われている放射能測定単位は「シーベルト」である。これは放射能の「人体への影響」を表示する単位として扱われている。放射能が物質にあたったときその物質が吸収する放射能量はもちろん、放射能の強さに比例する。
-放射能による影響には個人差がある。また、放射能障害が発症するまで極めて長い時間がかかることがあげられる。+チェルノブイリ事故では、放射性降下物は、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアだけでなく、ヨーロッパの広範な地域にまで降り注ぎ、汚染食品の摂取等による内部被曝も含めて、相当数の人々に影響を及ぼしたと見られている。とくに知られている影響として小児の甲状腺癌の発生がある。チェルノブイリ雲と呼ばれる放射性プルーム(radioactive plume)による放射能汚染の影響はアメリカにまで及んでおり、イギリスでは今なお小児の甲状腺癌を引き起こしているとの報告がある。
-例としては、名古屋大学名誉教授の沢田昭二が挙げられる。沢田は1945年8月6日広島原発の当日、爆心地からわずか1400mの地点で被爆した。熱線や爆風は別としてこの距離だと、沢田は致死量に近い放射能を浴びているはずである。しかし、沢田には急性の症状は現れなかった。髪の毛すら抜けなかった。爆心地から4000m圏内にいた人の中で重傷な放射能障害が現れた人は数知れずいる。沢田がおかれた条件がよかったにせよ、ここから直ちに引き出せる結論で、「放射能障害の発症は個体差が大きい」以上のことはいえない。+
 +これまで、癌の原因は特定できないとされてきたが、2011年、ヘルムホルツ中央ミュンヘン(Helmholtz Zentrum München)の放射線細胞遺伝学部門の研究チームは、低線量の電離放射線に被曝したことを示す甲状腺乳頭癌の遺伝子変化を発見した。この遺伝子マーカーをいわゆる放射線指紋(radiation fingerprint)として用いることで、自然に発症した癌と放射能汚染に起因する癌を区別することが可能となってきた。これは癌の放射線病因論を示す初めての遺伝子マーカーを立証したものであり、チェルノブイリ細胞バンク(Chernobyl Tissue Bank)によるチェルノブイリ地区の甲状腺癌データの集約(研究目的として凍結細胞などの素材が利用可能)によってもたらされたとされる。

2012年8月8日 (水) 20:58の版

原発事故による人体への影響

東日本大震災では、原発事故による放射能が発生し人体に影響を及ぼすため、福島原発の周辺に住む住民に避難勧告が出された。 福島原発事故で使われている放射能測定単位は「シーベルト」である。これは放射能の「人体への影響」を表示する単位として扱われている。放射能が物質にあたったときその物質が吸収する放射能量はもちろん、放射能の強さに比例する。

チェルノブイリ事故では、放射性降下物は、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアだけでなく、ヨーロッパの広範な地域にまで降り注ぎ、汚染食品の摂取等による内部被曝も含めて、相当数の人々に影響を及ぼしたと見られている。とくに知られている影響として小児の甲状腺癌の発生がある。チェルノブイリ雲と呼ばれる放射性プルーム(radioactive plume)による放射能汚染の影響はアメリカにまで及んでおり、イギリスでは今なお小児の甲状腺癌を引き起こしているとの報告がある。

これまで、癌の原因は特定できないとされてきたが、2011年、ヘルムホルツ中央ミュンヘン(Helmholtz Zentrum München)の放射線細胞遺伝学部門の研究チームは、低線量の電離放射線に被曝したことを示す甲状腺乳頭癌の遺伝子変化を発見した。この遺伝子マーカーをいわゆる放射線指紋(radiation fingerprint)として用いることで、自然に発症した癌と放射能汚染に起因する癌を区別することが可能となってきた。これは癌の放射線病因論を示す初めての遺伝子マーカーを立証したものであり、チェルノブイリ細胞バンク(Chernobyl Tissue Bank)によるチェルノブイリ地区の甲状腺癌データの集約(研究目的として凍結細胞などの素材が利用可能)によってもたらされたとされる。


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成