社会民主主義
出典: Jinkawiki
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資本主義経済がもたらす貧困や格差などを解消するために、様々な社会主義思想が唱えられた。階級闘争と革命を志向するマルクス主義と区別して、議会への進出によって労働者の利益を図る路線を社会民主主義と呼んだ。20世紀に入ると西欧の多くの国で労働組合を基盤とする社会民主主義政党が議会政治の有力な担い手となった。そして、第2次世界大戦後、イギリス、ドイツ、北欧などで社会民主主義政党が政権を取り、福祉国家を整備した。現在では、新自由主義を推進するアメリカモデルと社会民主主義を推進するヨーロッパモデルとが政治の対立軸を形成している。日本ではかつての社会党(現・社会民主党)がマルクス・レーニン主義に強く影響されていたが、社会民主主義の担い手となる有力な政党は存在しなかった。しかし、貧しい地方に補助金や公共事業費が投下され、競争力の弱い業界が護送船団型の規制によって保護されてきたことによって、日本ではヨーロッパと異なった方法で相対的な平等が達成された。この点を捉えて日本の経済システムを社会民主主義的と呼ぶこともある。新自由主義改革を追求した小泉政権は、自民党抵抗勢力と官僚が支えてきた日本的社会民主主義システムと戦っていたということもできる。ただし、本来の社会民主主義政策を体系的に掲げる政党が存在しないことが、日本における政治的対立を分かりにくくしていることは確かである。
引用「知恵蔵2012の解説」