麻薬探知犬

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目次

概要

  • 近年増加している麻薬類の密輸入を防止する目的で導入されたシステム。税関では昭和54年6月に米国税関の協力を得て麻薬探知犬2頭を導入したのが始まりで、現在では全国の税関に120頭を超える麻薬探知犬が配備されている。正式な麻薬探知犬になるためには、約4ヶ月の厳しい訓練を受け、認定試験に合格する必要がある。現在、麻薬探知犬として使われている犬の種類は、主にジャーマン・シェパード、ラブラドール・リトリバーの2種類であり、これらの犬種は、知能、嗅覚、運動神経が優れている。全国の税関で入国旅客の携帯品及び外国郵便物等の輸入検査等に活用されており、導入以降、大量の覚せい剤、大麻等の不正薬物の摘発に貢献している。


沿革

  • 昭和54年3月…麻薬探知犬導入準備室の設置
  • 昭和54年6月…アメリカから2頭の麻薬探知犬を連れ、成田空港に導入
  • 昭和55年9月…国内で麻薬探知犬の育成を開始
  • 昭和56年4月…国内犬の麻薬探知犬認定第1号
  • 昭和62年10月…東京税関に麻薬探知犬訓練センターを開設(成田)
  • 平成元年11月…初の女性ハンドラー誕生
  • 平成5年9月…場内犬(パッシブドッグ)導入
  • 平成14年4月…爆発物を探知可能な麻薬探知犬導入
  • 平成21年4月…銃器を探知可能な麻薬探知犬導入


具体的な活動場所と役割の種類

  • 主な活動場所は入国検査場、ソーティング場、保税地域、税関検査上、国際郵便局などであり、場合によっては漁港などに派遣されることもある。役割は大きく2つに分かれている。1つは、場外にいて怪しい荷物を見つけ出すアグレッシブ・ドッグと呼ばれるものであり、もう1つは、到着ターミナルで麻薬を隠し持っている人を見つけるパッシブ・ドッグである。いずれの役割も正確性が重要視される。


問題点と課題

  • 様々な薬物のにおいを教え込まれる犬にとって、最もかぎ分けやすいのが大麻のにおいであり、これまでの麻薬探知犬の特徴となっていた。しかし、アメリカなどで大麻合法化州法が導入されたことにより、現在では犬が大麻のにおいを識別したとしても、それが違法とは限らない可能性があるという問題が生じている。警察は、すでに麻薬探知犬の教育変更を始めており、早急な対応を行っている。また、現役の麻薬探知犬は、従来の行動パターンが身に付いてしまっていることから、長い時間をかけて再教育を受けさせる必要があるといわれている。


新たな取り組み

  • ドイツでは、麻薬探知犬を一般のクライアントに“貸し出す”ビジネスを行っている。貸し出される犬は、アメリカのテキサスで警察犬としての訓練を受けており、大麻をはじめ、ヘロイン、スピード、エクスタシーなどの違法薬物の探知を専門としている。青少年の麻薬犯罪が増加していることから、それを防止するべく、子どもが学校に行っている留守のあいだに自宅や車、衣類などを調査をするという活動を行っている。場合によっては子どもが家にいる時間に学校を調べにいくこともある。この活動を多くの地域で展開することによって、青少年の麻薬犯罪増加の抑止力になるのではないかと考えられている。



参考資料

子犬のへや

子どものドラッグ使用を疑う親のために麻薬探知犬を貸し出すビジネスが普及中


UMA


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