フォルケホイスコーレ12
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フォルケホイスコーレ12
フォルケホイスコーレの組織状況
政府は財政援助を行うが、人事とカリキュラム、授業内容には一切干渉できない。フォルケホイスコーレは、個人の集まり、労組や協会、市民運動団体などの諸団体、そして自治体などの創設者グレープと、学校教職員の代表で集められた理事会で運営され、設立に関与した多くの地域の住民がその構成メンバーとなっている。
学校には、校長と教職員で構成する教職員会議があり、合議制で学校を運営する。かつては校長が私財をなげうって設立したり、また政府の認可も校長個人に出されていたため、わんまんの傾向があったが、戦後に改正された。とくに1970年以後は、直接民主主義的な傾向が強くなっている。それがゆえ、学生の委員も会議に参加することもある。
校長や教職員の賃金は、政府の定める基準に応じて支払われ、大学そつとそれ以外の経歴というおおまかなくぶんがあるが、後者の教員も、経験が6年を越えれば、大学卒教員と同じ体系になる。基本的にフォルケホイスコーレはなんの資格をもたなくとも、人に教える経験を持っておれば、教壇に立つことはできる。
政府は干渉できないが、設立認可の際は、ガイドラインをもっており、カリキュラムと校長にかんしてはその承認を与えて、フォルケホイスコーレが設立される。また、文化省の青少年指導局が、そのフォルケホイスコーレの中で、校長と職員の対立、あるいは教職員と理事会の対立などにより混乱して、適切な教育がなされていないと判断したときは補助金の不交付をすることができる。
フォルケホイスコーレの上級学校であるフォルケホイスコーレの教員養成大学に対しては、ここがフォルケホイスコーレの教員資格だけでなく、普通の中学と小学校の教員資格を与えることができるので、日本の教員養成大学とは比較にならないくらい自由であるけれども、一定の基準が教員省によって要求されている。しかし、これを守らない場合でも、補助金をカットできるだけで、その大学が自前で経営すれば、それ以上の干渉はできない。トヴィンドの教員養成大学は、あまりにリベラルなので、政府は補助金を交付していないが、その学校を否定することはしていない。これは下級学校であるフリースコーレやエフタースコーレでも同じである。
参考文献 清水満(1996)『改訂新版 生のための学校 デンマークで生まれたフリースクール「フォルケホイスコーレ」の世界』新評論
HN:KI