少子化
出典: Jinkawiki
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1行政サービスへの影響 | 1行政サービスへの影響 | ||
- | 税や社会保障に関する負担が増加することによって起こる。今後は高齢者の割合が高くなることが予想され、それに伴って現世世代の私たちに、税金や年金等の負担が過度にかかる恐れがある。さらに、限られていた税収で行政サービスを行わなくてはならず、現代のサービスの質が保てなくなる。特に、高齢者増加の出費から、社会保障関係サービスへの影響が深刻になることが予想される。実際、平成12年10月の厚生労働省推計によると、社会保障給付費は2005年に100兆円、2010年には127兆円と税収入の約4倍、2025年には207兆円になった。 | + | 税や社会保障に関する負担が増加することによって起こる。 |
+ | 今後は高齢者の割合が高くなることが予想され、それに伴って現世世代の私たちに、税金や年金等の負担が過度にかかる恐れがある。 | ||
+ | さらに、限られていた税収で行政サービスを行わなくてはならず、現代のサービスの質が保てなくなる。 | ||
+ | 特に、高齢者増加の出費から、社会保障関係サービスへの影響が深刻になることが予想される。 | ||
+ | 実際、平成12年10月の厚生労働省推計によると、社会保障給付費は2005年に100兆円、2010年には127兆円と税収入の約4倍、2025年には207兆円になった。 | ||
2経済への影響 | 2経済への影響 | ||
- | 経済の影響は、労働人口の減少によって起こる。国の生産力を支える15~64歳までの生産年齢人口が減少すると経済活動が低迷し、経済成長が鈍化または停滞する恐れがある。また、年金減額などによって生活費や医療費が不足する高齢者が増えると、貯金を取り崩すことになる。銀行などの金融機関に一斉に押しかけることで、充分な資金が不足し、積極的な投資が出来なくなる。こうして金融関係に悪影響を与える恐れがある。また、世帯主の年齢階級別所得再分配状況によれば、60歳以上か未満かで当初所得と再分配所得の額が逆転して税金がもらえない、ということになりかねないということも分かっている。 | + | 経済の影響は、労働人口の減少によって起こる。 |
+ | 国の生産力を支える15~64歳までの生産年齢人口が減少すると経済活動が低迷し、経済成長が鈍化または停滞する恐れがある。 | ||
+ | また、年金減額などによって生活費や医療費が不足する高齢者が増えると、貯金を取り崩すことになる。 | ||
+ | 銀行などの金融機関に一斉に押しかけることで、充分な資金が不足し、積極的な投資が出来なくなる。 | ||
+ | こうして金融関係に悪影響を与える恐れがある。 | ||
+ | また、世帯主の年齢階級別所得再分配状況によれば、60歳以上か未満かで当初所得と再分配所得の額が逆転して税金がもらえない、ということになりかねないということも分かっている。 | ||
3社会への影響 | 3社会への影響 | ||
- | 家族や地域社会の形態が変化することによって起こる。少子化が進むと、親の過干渉や過保護が増える一方で、同世代・異世代を含む子供たち同士の交流機会が減少する。子供は多くの人と出会いながら、自他の存在を認めていくものだが、少子化に伴う交流機会の減少は、こうした社会性の育成を妨げる要因となる。 | + | 家族や地域社会の形態が変化することによって起こる。 |
+ | 少子化が進むと、親の過干渉や過保護が増える一方で、同世代・異世代を含む子供たち同士の交流機会が減少する。 | ||
+ | 子供は多くの人と出会いながら、自他の存在を認めていくものだが、少子化に伴う交流機会の減少は、こうした社会性の育成を妨げる要因となる。 | ||
このように、少子化は様々な面でこれからの日本を支える世代の弱体化を引き起こす恐れのある深刻な問題と言える。 | このように、少子化は様々な面でこれからの日本を支える世代の弱体化を引き起こす恐れのある深刻な問題と言える。 | ||
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==問題点の背景== | ==問題点の背景== |
2016年7月27日 (水) 13:48の版
目次 |
少子化とは
全人口に対して年少人口(15歳未満の人口)の比率が低くなることを指す。 現在の日本では年少人口率が13%前後であり、統計によると2055年には9%台まで減少すると言われている。 1人の女性が一生に産む子供の人数を平均化したものが合計出生率というが、第1次ベビーブーム期には合計出生率が4.3を超えていたが、1950(昭和25)年以降急激に低下した 。 その後、第2次ベビーブーム期を含め、ほぼ2.1台で推移していたが、1975年に2.0を下回ってから再び低下傾向となった。 1989(平成元)年にはそれまで最低であった1966(昭和41)年(丙午:ひのえうま)3の数値を下回る1.57を記録し、さらに、2005(平成17)年には過去最低である1.26まで低下している。 つまり、2005年には二人兄弟以上の家族が珍しいという社会になっていたということである。
世界の少子化
主な国(アメリカ、フランス、スウェーデン、英国、イタリア、ドイツ)の合計特殊出生率の推移をみると、1960年代までは、すべての国で2.0以上の水準であった。 その後、1970(昭和45)年から1980(昭和55)年頃にかけて、全体として低下傾向となったが、その背景には、子どもの養育コストの増大、結婚・出産に対する価値観の変化、避妊の普及等があったと指摘されている。 1990(平成2)年頃からは、出生率の動きは国によって特有の動きをみせ、ここ数年では回復する国もみられるようになってきている。 特に、フランスやスウェーデンでは、出生率が1.6台まで低下した後、回復傾向となり、直近ではフランスが2.01(2011(平成23)年)、スウェーデンが1.90(2011年)となっている。 これらの国の家族政策の特徴をみると、フランスでは、かつては家族手当等の経済的支援が中心であったが、1990年代以降、保育の充実へシフトし、その後さらに出産・子育てと就労に関して幅広い選択ができるような環境整備、すなわち「両立支援」を強める方向で政策が進められている。 スウェーデンでは、比較的早い時期から、経済的支援とあわせ、保育や育児休業制度といった「両立支援」の施策が進められてきた。
また、ドイツでは、依然として経済的支援が中心となっているが、近年、「両立支援」へと転換を図り、育児休業制度や保育の充実等を相次いで打ち出している。
少子化の問題点
1行政サービスへの影響 税や社会保障に関する負担が増加することによって起こる。 今後は高齢者の割合が高くなることが予想され、それに伴って現世世代の私たちに、税金や年金等の負担が過度にかかる恐れがある。 さらに、限られていた税収で行政サービスを行わなくてはならず、現代のサービスの質が保てなくなる。 特に、高齢者増加の出費から、社会保障関係サービスへの影響が深刻になることが予想される。 実際、平成12年10月の厚生労働省推計によると、社会保障給付費は2005年に100兆円、2010年には127兆円と税収入の約4倍、2025年には207兆円になった。
2経済への影響 経済の影響は、労働人口の減少によって起こる。 国の生産力を支える15~64歳までの生産年齢人口が減少すると経済活動が低迷し、経済成長が鈍化または停滞する恐れがある。 また、年金減額などによって生活費や医療費が不足する高齢者が増えると、貯金を取り崩すことになる。 銀行などの金融機関に一斉に押しかけることで、充分な資金が不足し、積極的な投資が出来なくなる。 こうして金融関係に悪影響を与える恐れがある。 また、世帯主の年齢階級別所得再分配状況によれば、60歳以上か未満かで当初所得と再分配所得の額が逆転して税金がもらえない、ということになりかねないということも分かっている。
3社会への影響 家族や地域社会の形態が変化することによって起こる。 少子化が進むと、親の過干渉や過保護が増える一方で、同世代・異世代を含む子供たち同士の交流機会が減少する。 子供は多くの人と出会いながら、自他の存在を認めていくものだが、少子化に伴う交流機会の減少は、こうした社会性の育成を妨げる要因となる。 このように、少子化は様々な面でこれからの日本を支える世代の弱体化を引き起こす恐れのある深刻な問題と言える。
問題点の背景
少子化の主な原因は、晩婚化や未婚化である。その背景には、女性の社会進出の影響や若年層の人生設計の困難さである。 女性の社会進出は、高学歴化によって高度で専門的な能力を備えた女性が増えたことが大きな要因である。一方、「男は仕事、女は家庭」と言った性別的な役割も減ってはいるが依然としてまだある。その結果として男性は長時間労働を行い、子育てを女性に依存する家庭も多い。つまり、女性に出産・育児の負担が集中することになる。こうした負担感から、女性が仕事と結婚を迫られた場合仕事を選ぶことが多く、結果的に未婚化や晩婚化につながり、出産できる機械が減少する。 一方、若年層の人生設計の困難さは、不景気やそれに伴う雇用状態の悪化が大きな要因である。日本のほとんどの企業は新卒採用を主体とした採用を行っているが、昨今の経済状態の悪化の影響で採用自体を控える影響にある。よって非正規雇用で働くことになる。収入が低くなりがちの非正規雇用者は、子育て費用をはじめとして生活費を確保することが難しくなる。こうした状態では、将来にわたっての収入の見通しが予測しにくく、人生設計や家族計画が立てづらくなる。こうしたことから、子供を受けることを先送りしたり懸念したりする過程が生まれやすいのである。 つまり、少子化の問題の背景には社会の在り方が大いに関係していると考える。
対応策・改善策
少子化対策の主なものは、子育てのしやすい環境づくりと若年層への雇用対策である。 子育てのしやすい環境づくりについては、育児休業制度の整備、看護休暇制度の促進、保育所の充実化である。また、女性の出産や育児に対しての過度の負担から、晩婚化や未婚化が生じるという指摘から、男性が子育てに参加しやすい環境を作る必要がある。 例えば、育児休養を取りやすい環境作りの促進やイクメンを増やすプロジェクトの推進等である。 若年層への雇用対策では、非正規社員化が主体となる。具体的には、カウンセリングや職業訓練の実施、新卒採用偏重からの脱却を企業に呼びかけることなどが挙げられる。
参考文献・引用 世界各国の出生率 内閣府 (観覧日7/24) http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/sekai-shusshou.html 少子化の現状 内閣府 (観覧日7/24) http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2014/26webgaiyoh/html/gb1_s1-1.html 少子化と日本経済の影響 独立行政法人経済産業研究所 (観覧日7/25) http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/02111501.html 働き方の変化 作成者不明 (観覧日7/25) http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h24/hakusho/h25/html/n1213000.html 大学入試小論文の完全ネタ帳 神崎史彦 文英堂 少子化とエコノミー パネル調査で描く東アジア 篠塚英子・永瀬伸子 作品社 少子化とジェンダー分析 目黒依子・西岡八郎編 勁草書房