ジェノサイド2

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 ジェノサイド(genocide)とは、ギリシャ語で「種」を意味する「genos」に、ラテン語で「殺」を意味する接尾辞である「-cide」が付加された造語である。一般に、ジェノサイドという言葉によって抱かれる印象は大量殺戮、大量虐殺である。1948年12月に国連総会で定められた「集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約」(ジェノサイド条約)によれば、ジェノサイドとは、国民的、人種的、民族的または宗教的な集団の全部または一部を破壊する意図をもって行われる殺害や危害などと定義される。ジェノサイドという言葉が思い起こさせる情景とは、大きく2つに大別できる。第一は、軍服を着た人々が淡々と対象者を死へと追い込むものである。例えば、ナチスが毒ガスなど科学技術を駆使してホロコーストを行うものである。第二は、憎悪や恐怖に取り憑かれた民衆が、手当たり次第に敵を殺していくものである。彼らがジェノサイドに加担するケースを大別すると、虐殺そのものに価値が見出されているケース、虐殺が別の目的に資すると考えられているケース、虐殺を行っている集団の個人に対して同調への圧力が働いているケース、である。個々のケースでは様々なことがあるが、一部の中心的な実行者や積極的協力者による、あからさまな脅しを始めとする同調圧力によって、多数の人々が虐殺に参加させられたというのが、多くのジェノサイドの実際の情景である。


参考文献

月村太郎(2013)『民族紛争』岩波書店


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