PM2.5④
出典: Jinkawiki
2020年1月30日 (木) 22:22の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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定義
定期としては、大気中に浮遊するごくごく微小な粒子ということになる。PMとはparticulate matterの略であって、PM2.5というのは直径が概ね2.5μm(マイクロメートル)(1μm=1mmの千分の1)以下の超微小粒子である。目に見えないほどの小さな小さな粒子の単位であって、特定の物質をあらわすものではない。例えるなら、髪の毛の太さの30分の1程度でしかなく、あまりの超微粒子のせいで肺の奥深くにまでも入ってしまう。
詳細
その成分としては炭素成分、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩のほか、ケイ素、ナトリウム、アルミニウムなどの無機元素などが含まれる。原因となる物質としては、工場から出る煤煙や自動車の排気ガスなどのように物の燃焼などによって排出されるもの(人為起源)と、土壌や火山、黄砂など自然に由来するもの(自然起源)などさまざまである。これらの発生には、大気に排出された時点で既に微小粒子となっている一時生成と、排出された時は気体でも大気中で化学反応を起こして微小粒子化する二次生成がある。家庭においても、喫煙や調理、ストーブなどから発生する。また、季節的なものとしては、例年、冬から春にかけて濃度が上昇する傾向が見られる。
影響
PM2.5は髪の毛の30分の1くらいの微小粒子のため、肺の奥深くまで入ってしまう。そのため、喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患に影響を及ぼしたり、肺がんのリスクを高めたり、不整脈など循環器系への影響も懸念されている。 このような影響を考慮したうえで、日本においては2009年に環境省がPM2.5の環境基準を定めた。これは人の健康を保護する上で維持されることが望ましいとする基準ですが、PM2.5の場合「1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下であること」と定められている。さらに、環境省が平成25年2月に設置した「微小粒子状物質(PM2.5)に関する専門家会合」では、健康影響が出現する可能性が高くなると予測される濃度水準として、注意喚起のための暫定的な指針となる値を1日平均値70μg/m3と定めている。ただし、呼吸器系や循環器系の疾患のある方や、小児や高齢者などでは個人差が大きいと考えられていて、これより低い濃度でも健康への影響の可能性は否定できないとされている。
防止策
PM2.5の濃度が暫定的な指針となる値(1日平均値70μg/m3)を超えた場合には、その吸入を減らすため、屋外での長時間の激しい運動や外出をできるだけ減らすことが有用とされている。また、屋内では窓の開閉をなるべく行わないことで外気を取り込まないようにすることも効果がある。マスクを着用する事で、PM2.5の吸入を減少させることが出来るが、インフルエンザや花粉症などの対策に用いる一般用マスクでは様々な性能のものが市販されていて、PM2.5への効果は様々である。一方、医療用や産業用の高性能な防じんマスク(N95※1やDS1※2以上の規格のもの)の場合は、微粒子捕集効果の高いフィルターを使っているため、PM2.5の吸入を減らす効果がある。空気清浄機に関しては、機器ごとのフィルターの有無や性能が異なるため、効果があるかどうかは一概には言えない。