イップス2
出典: Jinkawiki
2020年1月31日 (金) 13:14の版 Daijiten2014 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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イップスとは イップスは誰もが出会う可能性のある精神的な症状です。ゴルフ、野球だけでなく様々なスポーツやダンス、演奏などのあらゆる芸術表現等において、今までできていたにも関わらず、突然思い通りのパフォーマンスができなくなる症状です。 ゴルフの世界では、昔からイップスという言葉が知られていました。イップスに悩むプレーヤーが多いのは、それだけゴルフという競技がメンタルのスポーツだということの現れではないかと考えられます。 最近では、ゴルフだけでなくあらゆるスポーツにおいて、イップスという言葉が使われるようになってきました。外部からのプレッシャーや自分の心の中に生じるプレッシャーによって、普段は何も考えず無意識にできていることが、急にできなくなってしまうのです。イップス症状は、心の葛藤(意識的、または無意識的)により、筋肉 や神経細胞にまで影響を及ぼす心理的症状です。あらゆるスポーツの集中すべき場面で、プレッシャーによる極度の緊張から、無意識に筋肉の硬化を起こし、思い通りのパフォーマンスを発揮できない症状なのです。特に、野球の投球や送球、ゴルフのドライバーやアプローチやパター、サッカーのPK、テニスや卓球のフォアハンドやサーブ、ダーツのスローイングなどにおいて、イップスに苦しむ選手が多いといえます。さらに、スポーツ分野に限らず、作家の執筆活動や医者の手術、音楽家の演奏(ピアノ、バイオリン等)などでも、筋肉の硬化によって自分の思いと違った体の動き、指の動きになってしまうことがあります。生活習慣の影響により、人生の過程で、イップスは誰にでも起こり得ます。 イップスを英語のスペルで表記すると、YIPS"です。YIPとは、日本語に訳すと「(子犬などが)キャンキャンと吠える」です。吠えるというのは、「言葉を吐き出す」という意味合いもあります。本当の気持ち (心から伝えたいこと)が言えず、人と本音で話ができないと、言葉を吐き出せずに溜め込むことになります。そうすると、イップスの症状として現れてくるのです。「こんなことを言ったら恥ずかしい」、あるいは「もし話したら迷惑になるだろう」、そういった思いから、「言わない方が良い」「言わない方が楽」「言わない方が無難」と考え、言えなくなってしまうのです。そのように我慢していることにも気づかないのが特徴といえます。 今まで言えていたことが言えなくなってしまう、これもイップス症状の特徴なのです
イップス症状の例 ・練習では問題なくても、試合になると思い通りに動けなくなる。 ・試合になると逃げたくなる。 ・体の一部分が擦撃やしびれを起こす。 ・手や指先、足に力が入らない。 ・練習すればするほど悪化してしまう。 以上のように、あらゆるスポーツ競技、プレゼンテーション、仕事に支障をきたす症状です
なぜ、イップスになってしまうのか? ここ数年の傾向として、スポーツ選手に限らず一般の人々の中にもイップス症状を訴える人が増えています。その理由を考えた時、時代背景も大きく影響していると言えます。 日本は戦後、大きな経済発展を遂げ、1980年代後半にはバブル景気に沸き、多くの人々が物質的に恵まれた環境で生活できました。賢沢な暮らしの中で、求めるものはほとんど手に入れられ、我慢することを忘れてしまったかのようでした。ところが、パプル崩壊後は不況が長引き、経済状況が悪化したまま、改善の兆しがほとんど見られません。このような生活状況の中で、人々にとっては我慢せざるを得ないことがたくさん出てきたのです。ここで「我慢」という言葉について少し考えてみましょう。 私は、この「我慢」という言葉には、とてもネガティブな響きがあるように感じます。なぜでしょうか日本人は古来より、我慢は美徳といった観力をしてきました。でも、こうした考え方が場合によっては、イップスの症状を起こす最大の原因でもあると考えています。世の中にある我慢のほとんどは悪い我慢ですが、中には良い我慢もあります。自分の中で意識している我慢は「良い我慢」なのです。例えば、「こういう時期だから、今遊ぶのは我慢して練習しよう」「こういう時だからこそ、我慢して節約しよう」というのは、自分で意識している我慢です。これに対して、無意識の我慢というのがあります。「~は当たり前でしょう」「みんなくしているじゃないか」などと人に言われた場合、言った人にとっては何か(~の 内容)を我慢しているわけではないかもしれません。しかし、自分にとっては無意識のうちに我慢することになってしまうのです。
メンタルによる運動障害「イップス」かもしれないと思ったらまず読む本 著者:河野昭典
ハンドルネーム:ka.ka