チャータースクール
出典: Jinkawiki
2008年12月15日 (月) 16:19の版 Bunkyo-student2008 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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- | チャータースクールとは、特別認可で開設された公立学校である。わかりやすく言うと、「特認校」である。 | + | チャータースクールとは、特別認可で開設された公立学校である。わかりやすく言うと、「特認校」ということになる。 |
- | 例えば、普通の公立学校とは違う、自分たち独自の「学校」をつくりたい教師や親などのグループがあるとする。開設したい学校の構想をまとめたら、当局に「チャーター」(特別認可)を申請する。「チャーター」がおりたら、いよいよ自分たちの学校を始めることができる。ただし、その特別認可には有効期限が決まっていて、その間に「結果」を出さなければ「チャーター」の更新ができないため、存続できなくなる。つまり、それ相応の結果責任を引き受ける新種の公立学校なのである。 | + | |
+ | 例えば、普通の公立学校とは違い、自分たち独自の「学校」をつくりたい教師や親などのグループがあるとする。開設したい学校の構想をまとめたら、当局に「チャーター」(特別認可)を申請する。「チャーター」がおりたら、いよいよ自分たちの学校を始めることができる。ただし、有効期限が決まっていて、その間に「結果」を出さなければ「チャーター」の更新ができないため、存続できなくなる。つまり、それ相応の結果責任を引き受ける新種の公立学校なのである。 | ||
チャータースクールを運営するためには、それぞれの州などにおけるチャータースクールに関する制度にのっとらなければならない。 | チャータースクールを運営するためには、それぞれの州などにおけるチャータースクールに関する制度にのっとらなければならない。 | ||
- | チャータースクール制度とは、市民が自治体と契約(チャーター)を結び、公立学校を運営する教育システムである。審査にパスすれば、学校開設、教育方針、予算、人事に至るまで幅広い権限が委譲され、学校の自律性が保障される。もちろん公立学校なので授業料を払う必要はない。原則的に選抜試験もない。ただ自由と権限の代価として、学力の向上、学習機会の増大、革新的教授法の実施などの結果責任と年次報告などの説明責任が課せられ、達成できない場合や運営に失敗した場合は、閉校あるいは一般の公立校に転換する可能性もある。 | + | チャータースクール制度とは、市民が自治体と契約を結び、公立学校を運営する教育システムである。審査にパスすれば、学校開設、教育方針、予算、人事に至るまで幅広い権限が委譲され、学校の自律性が保障される。もちろん公立学校なので、生徒・保護者などは授業料を払う必要はない。原則的に選抜試験もない。ただし先にもあげたように、自由と権限の代価として、学力の向上、学習機会の増大、革新的教授法の実施などの結果責任と年次報告などの説明責任が課せられ、達成できない場合や運営に失敗した場合は、閉校あるいは一般の公立校に転換する可能性もある。 |
- | チャータースクールは全米に約3000校あるが、これは全学校の3パーセントにしかすぎない。しかし、チャータースクールは一つとして同じものはない、という。 | + | |
- | 市民のニーズとアイデアに委ねるチャータースクール制度からは、特色があるというより全く違ったタイプの新しい学校が多く誕生している。 | + | |
- | しかし、マイノリティのための学校や特定の教授法に特化した学校には、同じ階層、似た志向を持つ人々が集まりやすい。多様な学校は存在するが、その多様性ゆえに学校の中では同質化するというパラドックスが生まれる。この矛盾を緩和するためには、外部との交流機会を多くすることやインクルーシブ教育(健常者と障害者など、違った立場の人々が一緒に学ぶ教育)の推進、社会や他者との関係性を育てる「シチズンシップの教育」が不可欠だろう。 | + | |
+ | チャータースクールは全米に約3000校あるが、これは全学校の3パーセントにしかすぎないという。しかし、チャータースクールは一つとして同じものはない。 | ||
+ | 市民のニーズとアイデアに委ねるチャータースクール制度からは、特色があるというよりは全く違ったタイプの新しい学校が多く誕生している。 | ||
+ | しかし、マイノリティのための学校や特定の教授法に特化した学校には、同じ階層、似た志向を持つ人々が集まりやすい。多様な学校は存在するが、その多様性ゆえに学校の中では同質化するというパラドックスが生まれる。この矛盾を緩和するためには、外部との交流機会を多くすることやインクルーシブ教育(健常者と障害者など、違った立場の人々が一緒に学ぶ教育)の推進、社会や他者との関係性を育てる「シチズンシップの教育」が不可欠となるだろう。 | ||
- | 希望としてのチャータースクール-学校を公設民営- 大沼安史 著 | ||
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+ | 希望としてのチャータースクール-学校を公設民営- 大沼安史 著 | ||
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チャータースクールとは、特別認可で開設された公立学校である。わかりやすく言うと、「特認校」ということになる。
例えば、普通の公立学校とは違い、自分たち独自の「学校」をつくりたい教師や親などのグループがあるとする。開設したい学校の構想をまとめたら、当局に「チャーター」(特別認可)を申請する。「チャーター」がおりたら、いよいよ自分たちの学校を始めることができる。ただし、有効期限が決まっていて、その間に「結果」を出さなければ「チャーター」の更新ができないため、存続できなくなる。つまり、それ相応の結果責任を引き受ける新種の公立学校なのである。
チャータースクールを運営するためには、それぞれの州などにおけるチャータースクールに関する制度にのっとらなければならない。
チャータースクール制度とは、市民が自治体と契約を結び、公立学校を運営する教育システムである。審査にパスすれば、学校開設、教育方針、予算、人事に至るまで幅広い権限が委譲され、学校の自律性が保障される。もちろん公立学校なので、生徒・保護者などは授業料を払う必要はない。原則的に選抜試験もない。ただし先にもあげたように、自由と権限の代価として、学力の向上、学習機会の増大、革新的教授法の実施などの結果責任と年次報告などの説明責任が課せられ、達成できない場合や運営に失敗した場合は、閉校あるいは一般の公立校に転換する可能性もある。
チャータースクールは全米に約3000校あるが、これは全学校の3パーセントにしかすぎないという。しかし、チャータースクールは一つとして同じものはない。
市民のニーズとアイデアに委ねるチャータースクール制度からは、特色があるというよりは全く違ったタイプの新しい学校が多く誕生している。
しかし、マイノリティのための学校や特定の教授法に特化した学校には、同じ階層、似た志向を持つ人々が集まりやすい。多様な学校は存在するが、その多様性ゆえに学校の中では同質化するというパラドックスが生まれる。この矛盾を緩和するためには、外部との交流機会を多くすることやインクルーシブ教育(健常者と障害者など、違った立場の人々が一緒に学ぶ教育)の推進、社会や他者との関係性を育てる「シチズンシップの教育」が不可欠となるだろう。
希望としてのチャータースクール-学校を公設民営- 大沼安史 著
もう一つの学校案内 オルタナティブスクールガイド NPO法人 21世紀教育研究所