APEC
出典: Jinkawiki
2009年1月25日 (日) 13:08の版 Bunkyo-student2008 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
2009年1月25日 (日) 20:46の版 Bunkyo-student2008 (ノート | 投稿記録) 次の差分へ → |
||
33 行 | 33 行 | ||
- | |||
3.新規参加基準 | 3.新規参加基準 | ||
41 行 | 40 行 | ||
すべてのメンバーのコンセンサスがあること | すべてのメンバーのコンセンサスがあること | ||
+ | |||
【APECの3本柱】 | 【APECの3本柱】 | ||
190 行 | 190 行 | ||
年4回開催。レベルは次官級。閣僚の指示の下、各種委員会やワーキング・グループの作業を監督し、閣僚会議の準備を行う。 | 年4回開催。レベルは次官級。閣僚の指示の下、各種委員会やワーキング・グループの作業を監督し、閣僚会議の準備を行う。 | ||
- | '''3.貿易投資委員会(CTI: Committee on Trade and Investment)''' 年4回、SOMの直前に開催。レベルは外務審議官から課長。CTIはSOMを通じ閣僚会議に報告書を提出。閣僚会議は毎年貿易・投資に関する課題の進展をレビューし、同委員会の作業計画を決定。 | + | '''3.貿易投資委員会(CTI: Committee on Trade and Investment)''' |
+ | |||
+ | 年4回、SOMの直前に開催。レベルは外務審議官から課長。CTIはSOMを通じ閣僚会議に報告書を提出。閣僚会議は毎年貿易・投資に関する課題の進展をレビューし、同委員会の作業計画を決定。 | ||
・目的 | ・目的 |
2009年1月25日 (日) 20:46の版
目次 |
APEC
APEC(Asia Pacific Economic Cooperation)はアジア太平洋経済協力会議の略称であり、1989年に設立された。発展の著しいアジア諸国と米国という世界のGDPの半分の国と地域が参加しており、「開かれた地域協力の理念のもとにアジア太平洋地域ひいては世界経済の発展を目指す地域協力の枠組み」である。
方針
【APECの考え方(ソウルAPEC宣言より)】
1.目的
地域の成長と発展を持続し、もって世界経済の成長と発展に貢献
経済的相互依存関係の進展に基づく利益の増進
開かれた多角的貿易体制の推進・強化
財、サービスの貿易・投資における障壁の削減
2.原則
・開かれた地域協力
・多角的自由貿易体制の推進・強化
・WTO原則との整合性
・アジア太平洋地域の多様性への配慮
・コンセンサス主義 等
3.新規参加基準
アジア太平洋地域において強固な経済的つながりを有していること
APECの目的および原則を受け入れること
すべてのメンバーのコンセンサスがあること
【APECの3本柱】
・「貿易・投資の自由化」
・「貿易・投資の円滑化」
併せてTILF(ティルフ:Trade and Investment Liberalization and Facilitation)と呼ばれている。
・「経済・技術協力」 (Economic and Technical Cooperation)Ecotech(エコテク)と呼ばれている。
変遷
1989年 1月 ホーク豪首相(当時)がアジア太平洋の協議システムの創設を提唱
11月 第1回閣僚会議(キャンベラ):APEC(Asia¬ Pacific Economic Cooperation:アジア太平洋経済協力)を発足
発足当初はASEAN6ヶ国(インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、マレーシア)、韓国、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、アメリカ、日本の12のメンバーで構成
1990年 7月 閣僚会議(シンガポール)
1991年11月 閣僚会議(ソウル)
・中国、チャイニーズ・タイペイ、香港が参加
・APECの基本理念等を集大成したソウル宣言を採択
1992年 9月 閣僚会議(バンコク)
・事務局の設置(シンガポール)、および予算制度の確立を合意
1993年11月 閣僚会議(シアトル)
・貿易投資委員会(CTI)の設置
・賢人会議(EPG)の報告書の提出
・メキシコ、パプア・ニューギニア(PNG)の参加
・閣僚会議の直後に、首脳会議(Economic Leaders' Meeting)を初開催(シアトル):首脳会議の開催は、クリントン米大統領(当時)
の提案によるもの。(経済非公式首脳会議
1994年11月 閣僚会議(ジャカルタ)
・経済動向および諸問題に関するアド・ホック会合(ETI)の経済委員会(EC)への昇格
・賢人会議(EPG)および太平洋ビジネス・フォーラム(PBF)報告書の提出
・チリの参加
経済非公式首脳会議(ボゴール)
・2020年までの域内の貿易・投資の自由化の達成という長期目標の採択
1995年11月 閣僚会議(大阪)
「大阪行動指針」を採択。
「APEC経済首脳の行動宣言」の発出
1996年11月 閣僚会議(マニラ)
自由化・円滑化の現状と今後の具体的な行動を示した「個別行動計画」(IAP)を提出。
「共同行動計画」(CAP)を策定し、「APECマニラ行動計画96」(MAPA96)として採択。
経済・技術協力の分野にも焦点を当て、「経済協力・開発強化に向けた枠組みに関する閣僚宣言」を発出。
1997年11月 閣僚会議(ヴァンクーヴァー)
1998年11月 閣僚会議(クアラ・ルンプール)
1999年11月 閣僚会議(オークランド)
2000年11月 閣僚会議(バンダル・スリ・ブガワン)
2001年10月 閣僚会議(上海)
2002年10月 閣僚会議(ロス・カボス)
・「APEC透明性基準の実施のための声明」及び「貿易とデジタル・エコノミーに関するAPEC政策実現のための声明」を採択。
・テロ事件に関連した「APECメンバー・エコノミーでの最近のテロリズム行為に関するAPEC首脳声明」及びテロ対策についてとりまとめた「テ ロリズムとの闘い及び成長の促進に関するAPEC首脳声明」を採択。
・北朝鮮の核開発計画の放棄を求める「北朝鮮に関するAPEC首脳声明」 採択。
2003年10月 閣僚会議(バンコク)
・「APEC構造改革行動計画」を採択。
・テロ対策・安全保障の分野では、SARSや生物テロなどの問題に対応するための協力について「健康安全保障問題に関するAPEC首脳声明」が取
りまとめられた。
2004年11月 閣僚会議(サンティアゴ)
・「FTAベスト・プラクティス」を策定。
・「構造改革実施のための首脳の課題(LAISR)」を採択。
2005年11月 閣僚会議(釜山)
・ボゴール目標の今後の道程を示す中間評価報告書を策定。
・水際措置等の3つのガイドラインを採択。
・「インフルエンザ流行への備え及び影響の軽減に関するAPECイニシアティブ」を採択。
2006年11月 閣僚会議(ハノイ)
・ハノイ行動計画を策定。
・「WTO・DDAに関する声明」を採択。
・北朝鮮による核実験に関する口頭声明を議長が発出。
2007年9月 閣僚会議(シドニー)
・「気候変動、エネルギー安全保障及びクリーン開発に関するシドニーAPEC首脳宣言」を採択。
・WTO交渉についての独立声明を採択。
・地域経済統合の促進方法を研究した報告書(PDF)が承認。
参加国
ASEAN7ヶ国(ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)、日本、韓国、中国、チャイニーズ・タイペイ、中国香港、メキシコ、パプアニューギニア、オーストラリア、ニュージ-ランド、アメリカ、カナダ、ペルー、チリ、ロシア
概要
1.閣僚会議
年1回、各メンバー国・地域より1~3名の外務、貿易担当閣僚が参加し、1年間のAPECの活動をレビューするとともに、今後の貿易投資、域内経済協力の在り方を議論
2.高級事務レベル会合(SOM: Senior Officials Meeting)
年4回開催。レベルは次官級。閣僚の指示の下、各種委員会やワーキング・グループの作業を監督し、閣僚会議の準備を行う。
3.貿易投資委員会(CTI: Committee on Trade and Investment)
年4回、SOMの直前に開催。レベルは外務審議官から課長。CTIはSOMを通じ閣僚会議に報告書を提出。閣僚会議は毎年貿易・投資に関する課題の進展をレビューし、同委員会の作業計画を決定。
・目的
貿易・投資に関するAPECの共通認識の醸成。
域内の貿易・投資の自由化及び拡大のための機会を追及。
自由化推進の障害の除去に関するコンセンサス形成等
・主要な活動
投資原則作成、貿易政策対話(地域統合、日米協議など)、基準・認証の調和、市場アクセスの行政的障害の洗い出し、ウルグアイ・ラウンドの結果の評価と着実な実施、関税手続の簡素化および関税データ・ベースの作成。
4.行財政委員会(BAC: Budget and Administrative Committee)
年3回程度開催。レベルは局長から課長。これまでの10のワーキンググループの代表によるシェパード(調整国、取りまとめ国)会合を格上げし、行財政委員会を新設することが、第5回閣僚会議で決定された。予算および機構改革(ワーキンググループの統廃合、事務局の機能強化など)につき協議する。
5.経済委員会(EC: Economic Committee)
・1994年11月の閣僚会議での承認を得て、「経済動向および諸問題に関するアド・ホック会合」(ETI)から昇格。少なくとも年2回開催。レベルは局長から課長。可能な限り既存の国際機関のデータや分析を引用しつつ、APEC経済のマクロ・ミクロ経済環境、およびAPEC経済に影響を及ぼす構造的または部門別諸問題につき、非公式な議論を行う。
・目的
経済担当の実務者間の交流の発展・強化を支援
経済対話を促進し、透明性を高め、閣僚レベルの対話に貢献。
6.ワーキング・グループ
1.貿易・投資データのレビュー
2.貿易促進
3.産業技術
4.アジア・太平洋多国間人材養成構想
5.域内エネルギー協力
6.海洋資源保全(海洋汚染)
7.電気通信
8.運輸
9.観光
10.漁業
参考
『APEC入門 開かれた地域協力を目指して』 著:山澤逸平・鈴木敏郎・安延申 出版:東洋経済新報社
『国際通貨とAPEC 日本対外行動論』 著:近藤健彦 出版:大蔵省印刷局