日本の境界線
出典: Jinkawiki
2009年1月25日 (日) 13:49の版 Bunkyo-student2008 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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東日本、西日本とよく言われるが、明確な境界線はない。正確にいえば、ないのではなくありすぎる。何を基準にして境界線とするのかで変わってくる。
- 地球科学からみた境界線
本州の中央部を横断する大地溝帯フォッサマグナの西辺にあたる糸魚川静岡構造線、これが日本列島を東西に分ける、地球科学から見た境界線である。この糸魚川静岡構造線よりも東が北アメリカプレート、西がユーラシアプレートと呼ばれ、その境界地域では火山活動や地震が起こりやすいことはよく知られている。
- 歴史的にみた境界線
東西の日本を著す言葉として、古くから「関東」「関西」という言葉がある。文字どおりに解釈すれば、関より東、関より西の地方という意味になる。「関西」という言葉は奈良時代にはすでに使われており、越前の愛発の関、美濃の不破の関、伊勢の鈴鹿の関の3つの関所を結んだ線より、西を関西と呼んでいたという。歴史的にはこの線が、東日本と西日本の境界線であろう。なお「関東」という言葉が使われるようになるのは室町時代以降で、その場合の関とは箱根の関所である。
- 行政上の境界線
明治維新後、日本は8地方に区分され、その場合、三重県は近畿地方に属するが、国税庁、裁判所、法務省、衆議院比例区などの区分では、近畿ではなく東海地方に含まれている。
- 電気の境界線
家庭に供給されている電力の周波数が、新潟県の糸魚川から群馬・長野県堺、静岡県の富士川を結ぶラインを境として、東日本が50ヘルツ、西日本が60ヘルツと分かれている。これは明治時代に当時の電力会社、東京電燈が関東でドイツ製発電機を、大阪電燈が関西でアメリカ製発電機を、周波数が違うのに独自に採用したことに端を発している。最近の家電製品はどちらでも使用できるヘルツフリー使用のものが多い。
- 味の境界線
料理の味付けは、関東では鰹だし、関西では昆布だしが基本である。日清食品では、市場調査に基づいて、名古屋市付近を境として東日本味、西日本味の2種類のカップうどん「どん兵衛」を販売している。東洋水産の「赤いきつね」も同じように東西で異なるだしのものが販売されている。
- 苗字の境界線
都道府県の苗字の上位ランキングを見ると愛知県以東では、鈴木姓が第一位だが、北陸・近畿以西では、鈴木姓はかなり下位で、田中姓が一位の府県が多い。
- スポーツの境界線
プロ野球・Jリーグ・高校ラグビー・テニス・剣道など多くの競技で東西対抗戦が実施されている。その場合の東西の境界は必ずしも同じではないが、おおむね愛知・岐阜・福井までが東軍、それ以西が西軍となることが多い。
- その他
他にも、NTTの境界線、JRの境界線、角餅と丸餅の境界線、マクドナルドの略称(マックとマクド)の境界線、エスカレーター右並びと左並びの境界線など、東西の文化や習慣には様々な違いがあり、東海地方から北陸地方までの面で、東日本と西日本が分かれるというのが妥当であろう。
- 財団法人日本地図センターの見解
「古くから、民俗学者や郷土史家といった研究者が東日本と西日本の分析をしていますが、どこで分かれるかは分野によって大きく変わるというのが実情です。たとえば、東日本では『沢』のつく地名が多く、西日本では『谷』がつく地名が多いという傾向がある。地質学的には、新潟県と富山県との境である親不知から静岡県の安倍川に至る大断層線、いわゆる糸魚川静岡構造線が東日本と西日本の境目といわれています」
参考資料
「ビックリ!意外日本地理」 宇田川勝司 草思社