コンプレックス

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2009年1月28日 (水) 10:24の版
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コンプレックス、心的複合体、複合 Complex

無意識にあって、何らかの感情によって彩られ、絡み合って複雑に結ばれている心的内容の集まり。これが意識の作業を妨げたり、促したりする。無意識的わだかまり、こだわり。無意識の中の閉じ込められた(抑圧された)欲求不満のエネルギーという意味で情動の負荷のかかった意味と経験のクラスターを指す。

あまりにも一般化されてしまっているが、精神分析のキーワードである。また、コンプレックスという言葉を、日本では一般的に「劣等感」という意味で使用されることが多いが、これは誤りである。

歴史的には、ブロイエルとフロイトの共著『ヒステリー研究』(1895)おいて、「ヒステリーの病院として働く無意識的な観念・記憶の集合体」という意味で使用されたのが最初である。しかし、現在一般的に使用されているような意味の「コンプレックス」という用語が使用されたのは、スイスの精神科医ユングである。1906年に発表された彼の言語連想実験についての著作の中で、「感情によって色づけられたコンプレックス」(gefuhlsbetonter Komplex)という語が用いられ、これが後に「コンプレックス」と呼ばれるようになった。

コンプレックスが強くなりすぎると自我を崩壊させる神経症となり、それが自我によるコントロール可能な程度のとき、感情の富んだ生活が営める。また、コンプレックスは子供時代の発達に根ざし、意識と無意識双方にまたがると考えられている。

コンプレックスの種類は多彩に存在し、親に対する「エディプス・コンプレックス」、兄弟間の葛藤に関わる「カイン・コンプレックス」、自己の能力の劣等に対する「インフェリオリティ・コンプレックス」、性的な不安に関する「去勢コンプレックス」、日本的な母子関係に関わる「阿闍世(あじゃせ)コンプレックス」など、様々な物がある。

〈参考文献〉

編者・小林司 2004 カウンセリング大事典 株式会社新曜社

著者・コリン・フェルサム ウインディ・ドライデン 監訳者・北原歌子 発行者・加藤克典 2000 カウンセリング辞典 株式会社ブレーン出版

発行人・横井秀明 編集人・清水均 2008 現代用語の基礎知識 自由国民社


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