教師学

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2009年1月30日 (金) 01:10の版
Bunkyo-student2008 (ノート | 投稿記録)

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トマス=ゴードンは、心に問題を抱える子どもたちが親との関係がうまくいってないことに着目し、親のためのトレーニング・プログラムとして開発した。これが親業である。現在は欧米からアジア各国まで、世界的に広がっている。 トマス=ゴードンは、心に問題を抱える子どもたちが親との関係がうまくいってないことに着目し、親のためのトレーニング・プログラムとして開発した。これが親業である。現在は欧米からアジア各国まで、世界的に広がっている。
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-<行動の四角形>'''+'''<行動の四角形>'''
…行動の四角形とは相手を見ている私自身が自分の気持ちを理解するためにもつ「四角形」である。「心の窓」「知覚の窓」ともいわれる。教師学では、相手の行動について自分がどのように感じるかを重視する。それを行動の四角形で整理することによって、相手のかかわり方をどのようにしていくかを選択することになるからである。 …行動の四角形とは相手を見ている私自身が自分の気持ちを理解するためにもつ「四角形」である。「心の窓」「知覚の窓」ともいわれる。教師学では、相手の行動について自分がどのように感じるかを重視する。それを行動の四角形で整理することによって、相手のかかわり方をどのようにしていくかを選択することになるからである。
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③ 自分(教師)の感情  …正直に ③ 自分(教師)の感情  …正直に
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-                          の三部構成になっている。+
わたしメッセージには、「肯定のわたしメッセージ」「予防のわたしメッセージ」「宣言のわたしメッセージ」などがある。 わたしメッセージには、「肯定のわたしメッセージ」「予防のわたしメッセージ」「宣言のわたしメッセージ」などがある。
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1、 命令・指示→子どもに何かするように、しないように言う 1、 命令・指示→子どもに何かするように、しないように言う
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      (例)「文句ばかり言ってないで、さっさと行きなさい」       (例)「文句ばかり言ってないで、さっさと行きなさい」
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2、 注意・脅迫→悪い結果を予想させて怯えさせる 2、 注意・脅迫→悪い結果を予想させて怯えさせる
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      (例)「そんなことをしたら、勉強がわからなくなるよ」       (例)「そんなことをしたら、勉強がわからなくなるよ」
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3、訓戒・説教→やるべきことを教えさとす 3、訓戒・説教→やるべきことを教えさとす
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        (例)「わからないことを言わないの。もうお兄ちゃんでしょ」         (例)「わからないことを言わないの。もうお兄ちゃんでしょ」
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4、提案・忠告→どうしたら悩みを解消できるのか、親の考えを言う 4、提案・忠告→どうしたら悩みを解消できるのか、親の考えを言う
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        (例)「車で送ってあげよう」         (例)「車で送ってあげよう」
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5、講義・理論→理屈で説明する 5、講義・理論→理屈で説明する
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        (例)「学校へ行くのをいやだと思わなければいいのよ」         (例)「学校へ行くのをいやだと思わなければいいのよ」
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6、非難・批判→子どもが悪いと言う 6、非難・批判→子どもが悪いと言う
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        (例)「お前は、まったく怠け者だ」         (例)「お前は、まったく怠け者だ」
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7、同意・称賛→子どもの意見に同調したり、肯定的な評価をする 7、同意・称賛→子どもの意見に同調したり、肯定的な評価をする
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        (例)「行きたくなければ、行かなくてもいいよ」         (例)「行きたくなければ、行かなくてもいいよ」
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8、侮辱・悪口→馬鹿にするようなことを言う 8、侮辱・悪口→馬鹿にするようなことを言う
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        (例)「甘ったれ!」         (例)「甘ったれ!」
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9、解釈・分析→子どものすることの原因を親が分析する 9、解釈・分析→子どものすることの原因を親が分析する
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        (例)「成績が下がったから、そんなふうに思うんじゃない?」         (例)「成績が下がったから、そんなふうに思うんじゃない?」
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10、同情・激励→慰めて、気持ちを変えようとする 10、同情・激励→慰めて、気持ちを変えようとする
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         (例)「頑張って行ってごらん」          (例)「頑張って行ってごらん」
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11、尋問・質問→親が判断するために、子どもから情報を得ようとする 11、尋問・質問→親が判断するために、子どもから情報を得ようとする
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         (例)「何か嫌なことがあったの?いじめられているの?」          (例)「何か嫌なことがあったの?いじめられているの?」
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12、ごまかす→子どもを悩みからそらそうとする 12、ごまかす→子どもを悩みからそらそうとする
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        (例)「さあ、さあ、ご飯食べて!」         (例)「さあ、さあ、ご飯食べて!」
-このような対応をすると、子どもは反発しり、やる気をなくしたりして心を閉ざし、コミュニケ―ションをあきらめてしまう。将来子どもは自主性・責任を負う能力を失う危険性がある。+ 
 +このような対応をすると、子どもは反発しり、やる気をなくしたりして心を閉ざし、コミュニケ―ションをあきらめてしまう。将来自主性・責任を負う能力を失う危険性がある。

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<教師学とは>

…教師学とは、アメリカの臨床心理学者トマス=ゴードンによって開発されたPARENTEFFECTIVENESS TRAINING(親業)の教師版であるTEACHER EFFECTIVENESS TRAININGを邦訳したものの呼称。教師学は小学校、中学校、高校と、どの年齢の子どもたちに対しても有効な方法である。

トマス=ゴードンは、心に問題を抱える子どもたちが親との関係がうまくいってないことに着目し、親のためのトレーニング・プログラムとして開発した。これが親業である。現在は欧米からアジア各国まで、世界的に広がっている。


<行動の四角形>

…行動の四角形とは相手を見ている私自身が自分の気持ちを理解するためにもつ「四角形」である。「心の窓」「知覚の窓」ともいわれる。教師学では、相手の行動について自分がどのように感じるかを重視する。それを行動の四角形で整理することによって、相手のかかわり方をどのようにしていくかを選択することになるからである。

一つの行動につき一つの窓が基本。四角形の中に☆を入れるのは相手の具体的な行動である。この「四角形」はその人に対する穴と個人の独特な見解を示している。子どもが言ったりしたりする事柄は、受容か非受容か、いずれにしても「四角形」の中にすべて入る。

受容か非受容かを決めるのは自分自身であり、常識ではない。受容できるかどうかは、子ども(年齢や性別)・自分自身(していること、状況や欲求)・環境(場所や時間)の三つの要素の影響を受ける。

例: (a)8才の太郎が平日夜9時からのテレビが見たいと言う

   (b)14才の春子が平日夜9時からのテレビが見たいと言う

↑これを自分は受容か非受容かを考え、行動の四角形に☆を入れていく


<わたしメッセージ>

…わたしメッセージとは、自分が今、どのような気持ちになっているのかを率直に話し、明確に伝えることで、相手にわかってもらえる可能性を高めるようにする方法である。相手の行動について非受容であるため否定的感情になっているときには、その行動をはっきりと特定させる必要がある。

たとえば子どもの私語が気になって授業がしづらくなったときがあったとする。注意するときの言葉は「静かにしなさい」といったものが多いだろう。そのときわたしメッセージでは、「○○君がおしゃべりしていると、それが気になって授業を進めにくくて困るんだ」という言い方になる。

わたしメッセージは

① 相手(子ども)の行動  …行動、事実を非難がましくなく述べる

② 自分/本人(教師/子ども)への影響  …どんな影響を受けるか、具体的に

③ 自分(教師)の感情  …正直に                               の三部構成になっている。

わたしメッセージには、「肯定のわたしメッセージ」「予防のわたしメッセージ」「宣言のわたしメッセージ」などがある。


<お決まりの12の型>

…よくありがちな言葉がけ=あなたメッセージ  (例)は子どもが「学校に行くの嫌だな」と言ったときに教師や親が言ってしまう言葉


1、 命令・指示→子どもに何かするように、しないように言う

      (例)「文句ばかり言ってないで、さっさと行きなさい」

2、 注意・脅迫→悪い結果を予想させて怯えさせる

      (例)「そんなことをしたら、勉強がわからなくなるよ」

3、訓戒・説教→やるべきことを教えさとす

        (例)「わからないことを言わないの。もうお兄ちゃんでしょ」

4、提案・忠告→どうしたら悩みを解消できるのか、親の考えを言う

        (例)「車で送ってあげよう」

5、講義・理論→理屈で説明する

        (例)「学校へ行くのをいやだと思わなければいいのよ」

6、非難・批判→子どもが悪いと言う

        (例)「お前は、まったく怠け者だ」

7、同意・称賛→子どもの意見に同調したり、肯定的な評価をする

        (例)「行きたくなければ、行かなくてもいいよ」

8、侮辱・悪口→馬鹿にするようなことを言う

        (例)「甘ったれ!」

9、解釈・分析→子どものすることの原因を親が分析する

        (例)「成績が下がったから、そんなふうに思うんじゃない?」

10、同情・激励→慰めて、気持ちを変えようとする

         (例)「頑張って行ってごらん」

11、尋問・質問→親が判断するために、子どもから情報を得ようとする

         (例)「何か嫌なことがあったの?いじめられているの?」

12、ごまかす→子どもを悩みからそらそうとする

        (例)「さあ、さあ、ご飯食べて!」


このような対応をすると、子どもは反発しり、やる気をなくしたりして心を閉ざし、コミュニケ―ションをあきらめてしまう。将来自主性・責任を負う能力を失う危険性がある。




<参考文献> ・教育相談に生かせる15の心理技法 

・親業(おやぎょう)訓練ミニ・レクチャー 今、教師としての7章 教育学手帖

・教師学入門 教師のためのコミュニケーション論


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