ケナフ
出典: Jinkawiki
2009年1月30日 (金) 13:51の版 Bunkyo-student2008 (ノート | 投稿記録) ← 前の差分へ |
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ケナフはアオイ科のフヨウ属である。ハイビスカスもその属であるが、学名をハイビスカス・カナバイナスというのが普通のケナフである。このケナフは約4000年前、原産地ははっきりしないが、おそらく西アフリカの原産の植物で南のルートを通ってきた。これが主体となり、インド、パキスタン、その近辺を通って中国へと伝わった。そして中国で品種改良したものを1990年に日本へ環境植物として伝わった。また、それの他にも、タシケントを通って公主嶺(昔の満州)へ来たルートもある。
ケナフは繊維を目的として、インド、バングラデシュ、タイ、アフリカの一部、ヨーロッパの東南部などで古くから栽培されてきた。1990年代に入り温暖化が世界的な問題となり、地球環境保全、特に森林の保護をめぐる国際的な世論の高まりを背景に、環境保全効果が期待される植物として非木材資源のケナフが注目されるようになってきた。また1990年から2年間、ケナフ協議会が日本で行われ、環境庁の委託を受けて調査研究に当たった『森林保全のためのケナフ等代替資源利用検討委員会』の委員が中心となって、1991年11月22日に設立し発足した日本最初のケナフに関する会員組織である。当初の正式名称は『ケナフ等代替資源利用による地球環境保全協議会』であったが、1997年7月1日の定時総会においてもっと幅広い見地からの研究開発が必要であるとして『ケナフ等植物資源利用に地球環境保全協議会』と名前を変更した。この変更の理由は3つあり、1つ目にケナフの栽培と利用は他の植物資源(特に木材や農産廃棄物など)の適切な利用法の研究開発の促進と連動させることも重要であるとし、2つ目に製紙以外のケナフの用途が数多く開発されてきたというのうのが挙げられる。3つ目に当初期待した製紙用の代替資源利用の進展にはまだ時間がかかるとの認識からである。さらに2000年10月、ケナフ協議会は世界で初めてのケナフ国際会議を広島で行った。そこでは多くのケナフに関する研究発表や情報交換が行われた。そこで日本への協力依頼も幾つかあり、アメリカにおいてのケナフの多用途開発も活発になってきている。そして現在へと至る。
最近の日本では市民団体によるケナフ植栽運動や、学校教育でのケナフを教材とする栽培と利用などが活発化している。これはケナフが普及してきたとも捉えることができる。しかし、その裏でいくつかの問題も生じてきた。それはケナフへの過信や逆に行き過ぎてしまったケナフ否定などの動きなどである。このケナフへの過信の動きはケナフを植えることによって地球温暖化防止に役立つと短絡的に考えたり、木材パルプの生産、消費が熱帯林減少の主な原因であるとの誤った認識を持つなどである。行き過ぎたケナフ否定の動きとしてはケナフが森林保全や環境保全に貢献することはないと決めつけることやケナフが日本で帰化する可能性を必要以上の危機感であおることなどである。特に帰化に関しては国際的にも重要な事柄であり、ケナフ会議では次のような結論に達した。まず、アメリカでのケナフの帰化の事実はなく、適切に管理し栽培すれば日本でも帰化の心配はないということである。またケナフは成長速度が大変速く、また単位面積あたりの繊維の生産量が多いため、空気中から吸収する二酸化炭素の量が大きく、それにより二酸化炭素による温室効果を和らげることにも繋がり、地球温暖化防止に効果を発揮する。他にも繊維原料としてケナフを紙やボード類、その他の繊維製品などの利用することによって環境保全に役立たせることが出来る。他には水中の窒素、水質保全にも効果が認められている。また油を吸水しやすい特徴を利用したケナフ製品も開発が進み、環境保全に一役かっている。
ケナフ協会議としては太陽光を最も有効に利用する植物として、でんぷんのとうもろこし、タンパク質の大豆とともに、繊維のケナフの三つの栽培植物の育成がこれからの21世紀の課題である。
参考URL
・http://www.ne.jp/asahi/doken/home/charoku/kenaf/kenaf.htm