ロジャーズ

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2009年1月31日 (土) 02:26の版
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カール・ロジャーズは、アメリカの臨床心理学者で、来談者中心療法を創始した。

カウンセリングの研究手法として現在では当然のものとなっている面接内容の記録・逐語化や、心理相談の対象者を患者ではなくクライエント(来談者:client)と称したのも彼が最初である。1982年、アメリカ心理学会による調査「20世紀に最も影響の大きかった心理療法家」では第1位に選ばれた。学生時代に1度、その後も2度来日している。


プロテスタントの宗教的に厳格な家庭に生まれ、父の農園を継ぐために農学を専攻するが、YMCA活動を通じてキリスト教に興味が移り、牧師を目指すために私学に専攻を変えた。大学卒業後、ユニオン神学校に入学するが、牧師を目指す道に疑問を感じ、コロンビア大学教育学部で臨床心理学を学び、在学中ニューヨーク児童相談所の研修員になった。卒業後、ロチェスター児童虐待防止教会で12年間臨床に携わる。その中で、従来のカウンセリング理論に疑問を感じ、自らの理論的枠組みを形成し始めた。教育と研究に従事し、非指示的カウンセリングを提唱する。これが後に来談者中心療法と称されるようになる。


来談者中心療法とはクライエント中心療法とも言われ、カウンセラー側の知識の量や権威は不必要とされ、それよりもカウンセラーの態度、つまり無条件の肯定的関心、共感的理解、自己一致をどう実現するかが重視される。また、カウンセラーの態度条件を満たすためには、カウンセラー自身の自己実現が求められることとなる。 ロジャーズのカウンセリング論の特徴は人間に対する楽観的な見方にあり、それはフロイトに見られるような原罪的な悲観論とは対照をなすものであり、彼は、人間には有機体として自己実現する力が自然に備わっている。有機体としての成長と可能性の実現を行うのは、人間そのものの性質であり、本能である。カウンセリングの使命は、この成長と可能性の実現を促す環境を作ることにある、と言っている。

こういったロジャーズの考えをもとにした教育論に感銘を受けたダニエル・グリンバーグという人物が、サドベリバレイ校の中心的教師になっていった。


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