コンドルセ

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2009年1月31日 (土) 14:00の版
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コンドルセ(Marquis de condorcet、1743~1794)


概要

 フランス革命期にあって、革命政治家として目覚ましい活躍をした人物。もとは数学者であったが、革命勃発後にパリ選出の代議員として議会に席を置いた。 在籍中の1792年4月18日の議会に「公教育の全般的組織に関する報告及び法案」を報告した。この教育計画は、戦争の勃発をはじめとする緊迫した内外情勢の為に実施されなかったが、革命期のフランスで古典的取扱いを受け、その影響は極めて大きく、その理念は、その後のフランスの教育制度の基盤となったと評価されている。

思想

彼の教育への考え方の根底には、平等を保障するという意識が強くみられる。  彼の主張によると、教育を受けなかった者と受けた者の間には自然と上下関係が形成されてしまうとされている。  例えば、日常生活にも必要な、計算や字の書き方を知らないものは、知っている者に頼り、依存するしかなく絶えず干渉を受けることになり、平等権だけでなく人間としての独立性を持つことができないとしている。  また、上流階級にだけに国に必要な、法律・医療・経済の知識などが独占的されていたことが、王や貴族による専制的支配の原因であったとしており。この考え方が上記の法案に反映されている。  教育計画等を中心に公教育思想を述べていくと

1,国民に教育を保障することは政府の義務であり、個人が持って生まれた能力を全面的に開花させると共に社会的職務を十分に遂行できる能力を身につけられなければならない。

 2、政府は教育に責任を負うとするが、その権限は無制限ではなく関与してはならない限界がある。 具体的にまとめると、公教育は、知識を育てることのみを対象するべきであって、道徳宗教的教育は親に委任するべきであり、個人個人が持つ思想を侵害し、また思想を強制してはならないとした。

3、教育の自由を保障するために、教育は政治的権威から独立させるのが最善の道である

4、教育の機会は均等に保障されなければならない。そのためには

①公教育は無償とすべきこと

②すぐれた能力を有する生徒のために、奨学制度を確立させる

③男女の教育は実質的に平等でなくてはならない

④人間が一生完成に向かって成長、発達するものであるならば、一生涯教育の機会が保障されるべきである

このように、現代の義務教育・生涯学習の基礎と言えることを構想していたといえる。


  人間科学大事典

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