コナント報告
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コナント報告書とは、元ハーバード大学学長で駐西ドイツ大使を務めたコナントJames B. Conant(1893―1978)が、カーネギー財団の資金援助による調査研究に基づき、アメリカの中等教育および教員養成について行った一連の教育改革に関する勧告書の総称である。報告書は4次にわたり、それぞれ後期中等教育(1959)、前期中等教育(1960)、教員養成制度(1963)、総合制中等学校(1967)に関している。
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背景
第二次世界大戦後の1957年、ソビエト連邦は世界最初の人工衛星の打上げに成功した。そしてアメリカは、この「スプートニク・ショック」によって科学技術の立ち後れを思い知らされ、理科や数学などの自然科学系の教科をはじめとして、各分野の教科でいっせいに内容の高度化を図ることになった。この傾向は、その後1960年代にかけて世界的な傾向となり、「教育の現代化」とよばれた。
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内容
基本的には総合制中等学校の存続などアメリカの伝統である民主主義的教育の諸価値を認めつつ、一方で、アカデミックな教科目の拡充や英才教育のための能力別学級編制の導入など、科学技術の革新や国際競争の激化といった新しい時代の要求に応じた教育の確保を具体的に提言した。報告書は、全体的には中庸を得たものであり、アメリカ国内だけでなく、日本を含む多くの国においても広く注目された。
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論争
子どもたちに何を教えるかと考えたとき、論争になるのが本質主義であるか、進歩主義であるかということである。本質主義とは、学問的なものを重視する考えであり、進歩主義とは、経験から学ぶという実用性を重視した考えである。この時期アメリカは、即戦力になり、国家に貢献できる子どもを育てたかったため、コナント報告は進歩主義の立場で考えられたものである。