国際連合2
出典: Jinkawiki
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これには、大国の足並みがそろわず実行性の伴わない決議を避ける役割もある。冷戦中は、米ソによる拒否権に行使がさかんに行われ安保理がうまく機能しなかったが、冷戦終結後は発動回数が減少している。 | これには、大国の足並みがそろわず実行性の伴わない決議を避ける役割もある。冷戦中は、米ソによる拒否権に行使がさかんに行われ安保理がうまく機能しなかったが、冷戦終結後は発動回数が減少している。 | ||
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2009年7月12日 (日) 11:52の版
国際連盟から国際連合へ
第一次世界大戦の反省からアメリカのウィルソン大統領が1918年平和原則14か条を発表した。大まかな内容として、①軍備縮小、②民族自決の原則に基づく植民地問題の公正な解決、③国際連盟の設立などがある。これは、カントの*永久平和論が影響している。1919年に行われたパリ講和会議はこのウィルソンが発表したものを基本原則とし、国際連盟設立を決議した。同年の6月に第一次世界大戦の講和条約、ヴェルサイユ条約が結ばれ、この条約の第一編が国際連盟規約となった。そして、1920年国際連盟が成立した。しかし、1929年に世界恐慌がおこり、国際連盟の平和維持機能が不十分で1939年第二次世界大戦が勃発した。
1941年大西洋憲章といわれる会談をアメリカのローズウェルトと、イギリスのチャーチルが行った。これは、戦争と国際連盟の失敗を反省し、国際連合と戦後の平和構想について話し合ったものである。1942年連合国共同宣言をして、このとき初めて、ローズヴェルトが「国際連合」という名称を使用した。
1944年に行われたダンバートン・オークス会議にはアメリカ・イギリス・ソ連・中国の4カ国が参集し、国際連合設立を具体化した、「一般的国際機構設立に関する提案」を作成した。そして翌年の1945年ヤルタ会談でアメリカ・イギリス・ソ連の三首脳が、国連安全保障理事会の表決方法(五大国の拒否権利)を決定した。同年のサンフランシスコ会議で国際連合憲章が採択され、国際連合が正式に成立した。
*カントの永久平和論…ドイツの哲学者カントは、人間戦争の手段として扱ってはならないとし、人格の尊厳と平等を主張した。さらに国際法の必要性を理論づけ、国際連盟設立の基本思想に影響を与えた。
● 国際連合憲章
1945年に採択され、日本はこれに1956年に批准した。
国際連合の目的や原則、機構などを定めている。安全保障理事会に強力な権限が与えられており、第7章では、平和を破壊する国に対して経済的・軍事的措置を講ずること認めている。第53条と第107条は「旧敵国条項」とよばれ、第二次世界大戦中に連合国の敵であった国(日本、ドイツ、イタリアなど)の再侵略に備える強制行動には、安全保障理事会による決議は不要としている。これらの条項はすでに死文化したとして、1995年に削除が決定したが、憲章改正の手続きはまだ行われてない。
● 拒否権
安全保障理事会の表決では、常任理事国にこの権利が認められている(「大国一致の原則」、これまでに240回あまり行使された)。5カ国のうちの1カ国でも反対すると決議は成立しない。このため、大国による平和を乱す行為があったとき、安保理では非難や制裁の決議を行えず、大国に優位な仕組みとなっている。
これには、大国の足並みがそろわず実行性の伴わない決議を避ける役割もある。冷戦中は、米ソによる拒否権に行使がさかんに行われ安保理がうまく機能しなかったが、冷戦終結後は発動回数が減少している。
● 国連加盟国
1956年、日本は加盟した。国連にはバチカン市国を除くすべての独立国が加盟している。
国連加盟国の地域バランスは、アジア・アフリカの割合が多くなっている。このため、一律に一国一票が与えられる総会での発言力が強まっている。また、
2002年に永世中立国であるスイスが加盟した。これは、冷戦終結と湾岸戦争を機に国連が米ソ対立の場ではなく、全地球的な安全保障と国際貢献の役割を担う組織となったことを示す。