ブラックメタル
出典: Jinkawiki
2010年7月29日 (木) 19:11の版
目次 |
= ブラックメタルとは
ブラックメタルとはヘヴィメタルのジャンルの一種である。ブラックメタルは普通のヘヴィメタルとは違い、白人至上主義やファシズム、自然崇拝(ペイガニズム)やサタニズム崇拝などを思想とするメタルで非常に速いテンポのドラムとトレモロ(ピッキングの一種)で弾かれる歪みに歪みを重ねたギターリフ、悲鳴やつぶやきに似た恐怖心を煽るボーカルなどが特徴である。
歴史
1982年にイギリスのNWOBHMバンドVENOMが2ndアルバム「Black Metal」を発表。今より録音技術の発達していない当時においても非常に音質の悪いアルバムとして有名で、決してうまいとは言えない演奏に反キリストや黒魔術崇拝の詩を歌う不気味なガナリ声が乗ったスピードを重視した音楽性だった。(このVENOMはブラックメタルの始祖と呼ばれるが、本人たちは本気で反キリストや黒魔術崇拝のことを歌っているのではなく、あくまでも「ふざけて」のことだったようである。)
80年代にVENOMと当時人気だったスラッシュメタルの影響を受けたスウェーデンのBathory、スイスのHellhammerなどによりブラックメタルの基礎ができた。
90年代に入るとノルウェーにおいてブラックメタルが盛りを迎える。Mayhem、Emperor、Darkthrone、Burzumなどがその代表でこれらのバンドはほとんどのメンバーが反キリストを語る「インナーサークル」という集団に属しており、このインナーサークルが引き起こした事件(教会の放火、殺人、強盗、自殺、バスを転倒させるなど)によってブラックメタルが有名になり始める。そして、Burzumのカウント・グリシュナックがMayhemのリーダーでインナーサークルの代表であったユーロニモス(本名 Øystein Aarseth)を殺害し、最高刑である懲役21年を受けたことをきっかけに次々と逮捕者が続出しインナーサークルは解体する。
これでブラックメタルの流れは途切れてしまうかと思われたが、現在でもノルウェーなどのスカンディナビアを中心に世界各地にブラックメタルのバンドは存在している。
思想
主な思想は反キリスト、悪魔崇拝、黒魔術崇拝、反道徳的、厭世的、ネオナチ、白人至上主義などがある。その中でも特異なのが自然崇拝で、これはただ自然を崇拝するのではなく多神教などを主としたペイガニズムである。さらに北欧神話なども歌詞の題材となっており非常に多岐にわたるが、その基底にあるのは反キリストである。 もともとアンダーグラウンドシーンにあったからか、往年のファンからは売れているバンドは蔑まれる傾向がある。 ある学者は「若者の好むパンクロック(反体制を主に歌うロック音楽)の代わりのようなもの」と分析している。本場であるスカンディナビア半島の国々ではヘヴィメタルを代表とする音楽産業が主要産業となっており、音楽のチャートにブラックメタルが入ることも多々ある。
分布
ブラックメタルのバンドはヨーロッパのほぼ全域に存在している。南米や北米、アジアにおいてもバンドがあり世界的な人気を誇るバンドも生まれている。