観察法
出典: Jinkawiki
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== 概要 == | == 概要 == | ||
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- | == 1、自然的観察法 == | + | == 自然的観察法 == |
観察しようとする事象や行動の生起に意図的な操作を加えないで、自然な状態でありのままに観察する方法である。自然的観察法は、さらに''偶然的観察法''と''組織的観察法''に分けることが出来る。 | 観察しようとする事象や行動の生起に意図的な操作を加えないで、自然な状態でありのままに観察する方法である。自然的観察法は、さらに''偶然的観察法''と''組織的観察法''に分けることが出来る。 | ||
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- | == 2、実験的観察法 == | + | == 実験的観察法 == |
行動が生起する状況や場面に研究者が統制を加えて観察を行うことである。自然的観察法では、1度生起した事象を再び観察する際に長時間待たねばならなかったり、予期せぬ要因によって行動が影響を受けたりすることがある。これらの短所を補うために、観察の精度を高める方法として用いられる。一般に心理学では、この方法を実験とよぶことが多い。この方法では、仮説検証型の研究が行われ、組織的に条件を変化させることができることから、ある特定の要因を及ぼす効果を明確にすることが出来るが、実験室場面が特殊なものとなり、自然な日常場面とかけ離れたりしないよう留意が必要である。 | 行動が生起する状況や場面に研究者が統制を加えて観察を行うことである。自然的観察法では、1度生起した事象を再び観察する際に長時間待たねばならなかったり、予期せぬ要因によって行動が影響を受けたりすることがある。これらの短所を補うために、観察の精度を高める方法として用いられる。一般に心理学では、この方法を実験とよぶことが多い。この方法では、仮説検証型の研究が行われ、組織的に条件を変化させることができることから、ある特定の要因を及ぼす効果を明確にすることが出来るが、実験室場面が特殊なものとなり、自然な日常場面とかけ離れたりしないよう留意が必要である。 | ||
- | == 3、 参加観察法 == | + | == 参加観察法 == |
観察者自身が観察場面にどのように関与するかを分類すると、参加観察と非参加観察に分けることが出来る。観察の客観性を保つために、観察者自身は第三者として観察するのが一般的であるが、観察対象の中に参加しながら行う方法もある。とりわけ、臨床心理学や文化人類学の領域においてよく用いられる方法である。 | 観察者自身が観察場面にどのように関与するかを分類すると、参加観察と非参加観察に分けることが出来る。観察の客観性を保つために、観察者自身は第三者として観察するのが一般的であるが、観察対象の中に参加しながら行う方法もある。とりわけ、臨床心理学や文化人類学の領域においてよく用いられる方法である。 |
2010年8月9日 (月) 23:53の版
目次 |
概要
観察法(observational method)とは、「事象を注意深く見極めることであり、基本的な資料収集の手段である」(『新・教育心理学辞典』,1979)。人間の行動を自然な状況や実験的な状況のもとで観察、記録、分析して、行動の質的・量的な特徴や行動の法則を解明する方法である(中澤,1997)。観察法の長所は自然な行動を研究対象にできること(すなわち、生態学的妥当性が高いこと)、言語理解力や言語的表現力が低い乳幼児や障がい児でも観察対象になれることだ。心理学における研究方法の中で最も基本的な手法である。特に、乳幼児や児童を対象とする研究分野でさかんに取り入れられている手法である。観察法には、自然的観察法(natural observation)、実験的観察法(experimental observation)と参加観察法(participant observation)がある。
自然的観察法
観察しようとする事象や行動の生起に意図的な操作を加えないで、自然な状態でありのままに観察する方法である。自然的観察法は、さらに偶然的観察法と組織的観察法に分けることが出来る。 偶然的観察法とは、特別の用意も準備もせずに、偶然の機会に観察したデータを収集することをいう。われわれが日常生活の場面で他者を理解しようとする試みなどはこれにあたる。 組織的観察法とは、偶然による観察を改良したものである。観察の目標を定め、何を、どのように観察するのかをあらかじめ検討し、それにふさわしい場面を選ぶというように、一定の計画をたてたうえで観察を行うことである。 自然観察を実施する場合の留意点として、観察の目的を明確に設定すること、その目的に沿った適切な場面を選択すること、条件発生的に観察すること、個々の観察対象となる行動を全体の文脈の中でとらえようとすることなどがある。
実験的観察法
行動が生起する状況や場面に研究者が統制を加えて観察を行うことである。自然的観察法では、1度生起した事象を再び観察する際に長時間待たねばならなかったり、予期せぬ要因によって行動が影響を受けたりすることがある。これらの短所を補うために、観察の精度を高める方法として用いられる。一般に心理学では、この方法を実験とよぶことが多い。この方法では、仮説検証型の研究が行われ、組織的に条件を変化させることができることから、ある特定の要因を及ぼす効果を明確にすることが出来るが、実験室場面が特殊なものとなり、自然な日常場面とかけ離れたりしないよう留意が必要である。
参加観察法
観察者自身が観察場面にどのように関与するかを分類すると、参加観察と非参加観察に分けることが出来る。観察の客観性を保つために、観察者自身は第三者として観察するのが一般的であるが、観察対象の中に参加しながら行う方法もある。とりわけ、臨床心理学や文化人類学の領域においてよく用いられる方法である。
参考文献
加藤義明 中里至正著 1989 『入門人格心理学』 八千代出版 桜井茂男編 2004 『最新教育心理学』 図書文化社
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