インビクタス‐負けざる者たち‐

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2011年1月23日 (日) 01:33の版

目次

概要

インビクタス‐負けざる者たち‐(Invictus)とは、2009年にアメリカで作られた映画である。監督はクリント・イーストウッドで、主役のネルソン・マンデラを演じたのはモーガン・フリーマンである。この映画には主に、1994年に南アフリカ共和国で黒人初の大統領になったマンデラ氏の人生と、同国のラグビー代表チームの第3回W杯までの軌跡を描いたものである。


内容

1948年の南アフリカ共和国では人種隔離政策(アパルトヘイト)が法律化され、白人が黒人を差別し続けていた。黒人であるネルソン・マンデラはこのアパルトヘイトに反対し、その反対活動が原因で終身刑とされ、監獄に入れられていた。しかし1994年に、他国からの強い批判を受けてアパルトヘイトは撤廃され、マンデラは27年ぶりに解放された。そして同じ年の大統領選挙で、マンデラは選挙権を得た黒人からの多くの支持を得て当選。南アフリカ初の黒人大統領になった。彼は大統領になってすぐ、この国をどうやって一つにまとめるかということを考えた。差別という壁がなくなっても、人間同士の心の壁はまだ無くなっていなかったのだ。

一方で国民たちは戸惑っていた。白人たちは差別から解放された黒人たちを恐れ、報復行為におびえていた。黒人たちは白人に対して敵対心をむき出しにし、今までの国家からの変化を求めていた。


ある日マンデラは自国のラグビーチームの試合を観戦しに行く。当時の代表チームは敗戦続きで、ラグビー自体の人気も低かった。その試合会場でマンデラは、黒人たちが敵チームを応援しているのを目の当たりにする。「こんな国の代表チームなんか負けてしまえ」という黒人たちの意思をくみ取ったマンデラは、ラグビーで国を一つにしようと考え、1995年にある自国開催のラグビーW杯に向け動き出す。彼は当時のチームの主将フランソワ・ピナールと直接会って自分の考えを伝え励ましたり、チーム全体に協力してもらい貧困地域の子供たちにラグビーの指導を行ったりした。その活動により地道に、しかし確実に国民たちはラグビーを知り、W杯が近づくにつれ人気が高まっていった。メンバーたちのモチベーションもそれと同時に高まっていった。


そうしてついに第3回ラグビーW杯が南アフリカで始まる。代表チームは予想に反し快進撃を続け、ついに決勝戦進出を果たす。マンデラは決勝戦の前日にチームを激励しに行き、ひとつの詩をピナールに手渡す。その詩はマンデラが27年間、監獄に閉じ込められている間ずっと自分の糧にしていたもので、タイトルは「インビクタス‐負けざる者たち‐」であった。そして翌日、全ての南アフリカ共和国民が見守る中、決勝戦がはじまった。大激闘の末、代表チームは強豪ニュージーランドを破りW杯初出場で初優勝という快挙を成し遂げた。マンデラの考え通り、ラグビーで国全体が完全にひとつになったのだった。


実際の詩

インビクタス‐負けざる者たち‐

作詞:ウィリアム・ヘンリー(英)


私を覆う漆黒の夜

鉄格子にひそむ奈落の闇

私はあらゆる神に感謝する

我が魂が征服されぬことを

無惨な状況においてさえ

私はひるみも叫びもしなかった

運命に打ちのめされ

血を流しても

決して屈服はしない

激しい怒りと涙の彼方に

恐ろしい死が浮かび上がる

だが、長きにわたる脅しを受けてなお

私は何ひとつ恐れはしない

門がいかに狭かろうと

いかなる罰に苦しめられようと

私が我が運命の支配者

私が我が魂の指揮官なのだ


補足

・当時ラグビーは裕福な白人がするスポーツとされていて、黒人からの人気はかなり低かった。代表チームに黒人は一人しかいなかった。

・アパルトヘイト時代を忘れるため、黒人たちは代表チームのユニフォームや呼び名の改正を望んだが、マンデラはそれでは国は一つにならないと考え、「私たち(黒人)は、白人をも寛大に受け入れることができるだろう」と演説し、黒人たちを納得させた。

・決勝戦の相手ニュージーランドは当時、世界最強と言われていた。

・この話はすべて実話である。


出典 http://www.smi-tokyobay.com/blog/2010/02/100216.html

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   映画「インビクタス‐負けざる者たち‐」


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