行動の四角形

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2011年1月31日 (月) 13:35の版

行動の四角形

行動の四角形とはトマス・ゴードンThomas Gordon Ph.D.(シカゴ大学、同大学院博士課程修了。臨床心理学博士)によってつくられた人間関係を円滑にするために用いられる相手の行動を受容できるか否か、という窓枠と考えてよい。

四角形は縦に3つの領域に分かれていて上から、①私にとって問題なし領域、②相手も私も問題なし領域、③私にとって問題あり領域となる。これは誰かが決めるのではなく自分が主体的に相手の行動をこの四角形の中にあてはめていってよい。

①の相手が問題を持つかもしれない領域というのは相手が問題を持っているかもしれない状態で、相手が問題を持っていることを「サインを出す」という。 例えば相手が「お金がないの」といった場合は、相手が問題を持っている領域にはいる。それを聞いた場合、私が何とかしなければという思考に陥りがちだが、ここで相手の問題を自分が所有しないことが重要だとゴードンは述べている。相手の問題を私たちが解決してしまうと、相手を無能とみなし、かつさらに相手のすべき、問題を解決する機会を奪ってしまうのだ。 相手の問題は相手が解決すべきものであり、私ができることは相手の成長、問題解決能力を信じ、相手の話を能動的に聞くことである。問題を解決しようとする相手に、本当にそれがサインなのか確認をとり、サインであれば相手の気持ちを中心に話をフィードバックしていくのが良い。


②の相手も自分も問題なし領域は「子供のテストがとてもよかった」などである。


③の私にとって問題あり領域はさらに自分にとって相手の行動がⅰ影響がある場合とⅱない場合に分かれる。 ⅰ影響がある場合、例えば「あなたがそこに物を置いておくとぶつかってしまって痛いんだ」と伝える。そうすると相手が行動を変えてくれる場合は多い。しかしⅱの影響がない場合や影響があいまいな場合はあまり効果がない。例えば「あなたがそんな言葉遣いをするとお母さんは恥ずかしい」などだ。周りの人から母親が白い目で見られる可能性があるというひどくあいまいな影響しか感じられないと本人は行動を変容させないことが多い。


トマス・ゴードン著 近藤千恵 訳 『ゴードン博士の人間関係をよくする本―自分を活かす相手を活かす―』 大和書房 2002年


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