高校授業料無償化
出典: Jinkawiki
2011年1月31日 (月) 14:59の版
高校授業料無償化
1 高校授業料無償化とは
「家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生等が、安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、国の費用により、公立高等学校の授業料を無償化するとともに、国立・私立高校等の生徒の授業料に充てる高等学校等就学支援金を創設し、家庭の教育費の負担を軽減します。」というものである。 文部科学省HPより
2 概要 ・公立高校生のいる世帯 国費による負担で、原則として授業料を徴収しない ・私立高校生のいる世帯 年額約12万円(所得に応じて約24万円まで加算)を就学支援金として学校に支給
3 財源
文部科学省によると2010(平成22)年度の政府予算案は3,933億円となる見込みであった。内訳は、公立高等学校授業料不徴収交付金が2,387億円、高等学校等就学支援金交付金が1,542億円、高等学校等就学支援金事務費交付金が3.8億円、文部科学省事務費が0.3億円となっている。この財源捻出のため、特定扶養控除が2011(平成22)年以降段階的に縮小されることになっている。
4 問題点
(1)公立への流出懸念
公立高校に生徒を取られないか?という懸念がある。"無償化"されても、私立は授業料の支払いが必要な生徒のほ うが多く不公平だという声もある。そして成績のよい生徒を公立に奪われかねないという警戒感もある。
(2)経営上の不安
年度初めに授業料を一括して徴収できないとなると、国からお金が来るまでの間の資金繰りが必要になると考えられ る。また、生徒の代理受領のための事務手続きが煩雑だという声も聞かれる。
(3)対象校の範囲
自分たちの学校が支給の対象になるのかということである。認可を受けていない学校、たとえば高校中退者を受け入 れているフリースクールや日系ブラジル人などを受け入れている外国人学校にとっては支給が認められるのかどうかと いうことである。バイパスとしてこうした学校に通いながら大学進学をめざす受験生も多く、制度設計次第で、こうし た若者の進路選択を左右しかねない。