プルサーマル

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2011年2月1日 (火) 19:19の版

2009年11月5日、九州電力はプルトニウムを再利用する国内初のプルサーマル発電に向け、玄海原発(佐賀県)原子炉を起動した。プルサーマル発電は、原発から出る使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランとのMOX燃料に加工して、再び通常の原発で燃やして発電する。プルサーマル発電によりウラン資源を従来の1~2割節約でき、放射性廃棄物の体積を減らすこともできる。当初は東京電力や関西電力が国内初となるはずだったが、データ改ざんなどで延期され、九州電力が10年遅れで初運転を行った。9日には臨界点に達し、発生した蒸気で発電を始め、12月2日に営業運転を開始した。


国は、核燃料を再処理して利用する核燃料サイクルの中心施設を高速増殖炉においていたが、1995年に原型炉の「もんじゅ」(福井県敦賀市)がナトリウム漏れ事故を起こすなどで実用化が遠のいたことから、プルサーマル計画が国の核燃料サイクル政策の中心に位置付けられた。その後、JCO臨界事故やデータ捏造、トラブル隠しなど不祥事が相次ぎ、導入計画が大幅にずれ込んでいた。 09年の九州電力限界原発の起動に続き、四国電力は10年3月1日、プルサーマル発電にむけて、愛媛県の伊方原発3号機の原子炉の起動を開始した。翌2日、核燃料が一定割合で核分裂を起こす「臨界」の状態に入り、4日から発電が始まった。


●日本プルサーマル計画 原子力発電所→再処理工場(青森県六ヶ所村)で使用済核燃料からプルトニウムなどを取り出す→MOX燃料工場(2012年をめどに国内で稼働予定)で原発用のウラン燃料とMOX燃料をつくる→プルサーマル原発(九州電力・玄海原発など)で燃料として使用。


●国際熱核融合実験炉(ITER=イーター) 核融合反応を利用して発電する技術を開発する実験炉。1億℃を超す高温下で重水素とトリチウム(三重水素)の原子核同士を融合させてエネルギーを取り出すもので、夢のクリーン・エネルギーとして期待されている。


出典:


  人間科学大事典

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