ワンガリ・マータイ2

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2012年1月26日 (木) 17:59の版

ワンガリ・マータイ

略歴


ワンガリ・マータイさんは1940年に、ケニアの中部にあるニエリの農家に生まれた。6人兄妹で家は決して裕福ではなく、他の多くのアフリカ女性と同じように教育を受けられる環境になかった。しかし、兄が両親に説得して学校に通い、60年に政府留学生に選ばれた。 その後、米ピッツバーグ大学で修士号を取得した。 ドイツ留学を経て、71年にナイロビ大学で生物分析学の博士号を取得。 一方でマータイさんは、祖国の貧困や環境破壊に心を痛め、1977年貧しい女性たちと「グリーンベルト運動」という植林活動を開始した。 政府の弾圧を受けながらも、運動には、これまでに延べ10万人が参加した。植えた苗木は4500万本に上る。

マータイさんは2002年に国会議員に初当選した。03年には、環境副大臣に任命された。 04年、環境や人権に対する長年の貢献が評価され、環境分野で初めてアフリカの女性としても初めて、ノーベル平和賞を受賞した。 09年国連平和大使に任命され、「環境と平和」の使者として重責を果たされた。 2011年9月25日永眠。


MOTTAINAI


マータイさんが2005年の来日の際に感銘を受けたのが「もったいない」という日本語だった。 環境3R+Respect=もったいない Reduce(ゴミ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源)という環境活動の3Rをたった一言で表せるだけでなく、かけがえのない地球資源に対するRespect(尊敬の念)が込められている言葉である「もったいない」。

マータイさんはこの美しい日本語を環境を守る世界共通語「MOTTAINAI」として広めることを提唱した。こうしてスタートした1MOTTAINAIキャンペーンは、地球環境に負担をかけないライフスタイルを広め、持続可能な循環型社会の構築を目指す世界的な活動として展開している。日本から生まれた「もったいない」が現在、世界をつなげる合言葉「MOTTAINAI」へ。


グリーンベルト運動


グリーンベルト運動とは、マータイさんが1977年から非政府組織(NGO)として始めた植林活動である。たった7本の木を植えることからスタートしたこの運動は、これまでにケニアをはじめとするアフリカ大陸全土で約4500万本もの木を植えてきた。植林には貧困に苦しむ女性を中心に延べ10万人が参加した。環境保全にとどまらず、植林を通じて貧困からの脱却、女性の地位向上、ケニア社会の民主化にも大きく寄与している。


マータイさんの死去、最後のメッセージ


マータイさんは2011年25日、ガンのため首都ナイロビの病院で死去した。 一連の葬儀が行われたのは、10月初旬ナイロビ市内で行われた。棺は遺言で木材を使わず、骨組みは竹、材質はヒヤシンスとパピルスの茎で編み込まれたものであった。 世界のメディアで毎日新聞との会見がマータイさんの最後のメッセージとなった。内容は次の通り。 「ケニア山から流れ出している多くの皮は、干上がっています。深刻な問題です。ですから、森の修復に力を入れて取り組んでいるのです。これは大変な大きな挑戦です。森林火災という問題も発生しています。私たちは最善を尽くし、懸命に取り組んでいるところです。ケニア山やアバーディアの森、そしてアフリカ東部で起きていることを見れば、私たちは2倍働かなければならないと思います。それが環境破壊を食い止めるための最善の方法なのです。日本の皆さんの善意で築いたパートナーシップを生かしつつ、末永く続けて行くことを希望しています。

参考


毎日jp http://mainichi.jp/life/ecology/hozen/news/20111031ddm010040027000c.html MOTTAINAI http://mottainai.info/about/#maathai


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成