フリースコーレ
出典: Jinkawiki
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フリースコーレと公立学校の違いは、まずクラスの生徒数の少なさである。フリースコーレでは一クラス平均11名が学ぶ。 授業科目やカリキュラムは自由度が高く、各学校で異なるが、共通点としては創造的な科目(音楽、美術、陶芸、木工・金工、染め物、ダンス、身体表現、演劇、デンマーク体操など)を重視し、どこの学枝でもワークショップ活動にだいぶ時間を割いている。その分、デンマーク語、数学、英語などの学科の時間数が少なくなるが、中学や高校へ行ってからの成績には差がない。 | フリースコーレと公立学校の違いは、まずクラスの生徒数の少なさである。フリースコーレでは一クラス平均11名が学ぶ。 授業科目やカリキュラムは自由度が高く、各学校で異なるが、共通点としては創造的な科目(音楽、美術、陶芸、木工・金工、染め物、ダンス、身体表現、演劇、デンマーク体操など)を重視し、どこの学枝でもワークショップ活動にだいぶ時間を割いている。その分、デンマーク語、数学、英語などの学科の時間数が少なくなるが、中学や高校へ行ってからの成績には差がない。 | ||
また、公立学校では日本でいう中学一年生、デンマークでは第七学年まで試験をしてはいけないことになっている。フリースコーレでは原則として最後まで試験はない。 ただフリースコーレでも卒業時に義務教育の課程を終えたことを証明する国家試験を行う。これはすべての学校の義務であり、学校へ行かず自分で勉強した子どももそれを受ける。各地方の教育担当官の認可のもとに、全国統一の試験をする。たとえばデンマーク語の試験では、文章を読ませ、設問に論文形式で答えるもので、3時間という十分な長さがある。普通の力があれば、一時間もかからない程度の問題である。 | また、公立学校では日本でいう中学一年生、デンマークでは第七学年まで試験をしてはいけないことになっている。フリースコーレでは原則として最後まで試験はない。 ただフリースコーレでも卒業時に義務教育の課程を終えたことを証明する国家試験を行う。これはすべての学校の義務であり、学校へ行かず自分で勉強した子どももそれを受ける。各地方の教育担当官の認可のもとに、全国統一の試験をする。たとえばデンマーク語の試験では、文章を読ませ、設問に論文形式で答えるもので、3時間という十分な長さがある。普通の力があれば、一時間もかからない程度の問題である。 |
2012年1月27日 (金) 15:44の版
フリースコーレとは
フリースコーレとは、フォルケホイスコーレ運動が、そのジュニア版として持っているデンマークで生まれた自由な小学校のことである。「国家から子供を取り戻そう」というのをモットーに、政府が干渉することなく、自分たちで教育の自治・自主管理を行うという姿勢から「フリースコーレ(自由学校)」と名づけられた。また、同じくフォルケホイスコーレ運動が持っている、自由な中学校のことはエフタースコーレと呼んでいる。 デンマークの教育を独自なものにしているのが、私立学校である。国民の20パーセント以上が何らかの私立学校に通う。そのうち最大多数がフォルケホイスコーレ運動の中から生まれ、グルントヴィとコルの教育方針にもとづく『フリースコーレ』である。フリースコーレは、現在193校13929人の子どもが通っている(1993年)。デンマークには、ほかにエリート教育を施す『レアル・スコーレ』や68年世代によってつくられた自由・反権威・革新を特徴とする『リレ・スコーレ』などがある。 フリースコーレ、レアル・スコーレ、リレ・スコーレの三者はかつて同じ組織をつくり、行政への申請や要求などをいっしょに行っていたが、近年フリースコーレが意見の違いからそこを離れ、独自の組織をつくった。
フリースコーレの特徴
フリースコーレと公立学校の違いは、まずクラスの生徒数の少なさである。フリースコーレでは一クラス平均11名が学ぶ。 授業科目やカリキュラムは自由度が高く、各学校で異なるが、共通点としては創造的な科目(音楽、美術、陶芸、木工・金工、染め物、ダンス、身体表現、演劇、デンマーク体操など)を重視し、どこの学枝でもワークショップ活動にだいぶ時間を割いている。その分、デンマーク語、数学、英語などの学科の時間数が少なくなるが、中学や高校へ行ってからの成績には差がない。 また、公立学校では日本でいう中学一年生、デンマークでは第七学年まで試験をしてはいけないことになっている。フリースコーレでは原則として最後まで試験はない。 ただフリースコーレでも卒業時に義務教育の課程を終えたことを証明する国家試験を行う。これはすべての学校の義務であり、学校へ行かず自分で勉強した子どももそれを受ける。各地方の教育担当官の認可のもとに、全国統一の試験をする。たとえばデンマーク語の試験では、文章を読ませ、設問に論文形式で答えるもので、3時間という十分な長さがある。普通の力があれば、一時間もかからない程度の問題である。
フリースコーレにおける教育レベル
「フリースコーレ(friskole) および私立の基礎学校(private grundskole) に関する法律」(いわゆる「フリースコーレ法」) の第1条1項によると、フリースコーレでの教育は国民学校で一般的に要求されるものと同じレベルでなければならない。従って、フリースコーレは、教育義務年齢にあるすべての生徒に対して国民学校で一般的に要求されるものと同じレベルの教育を実施する義務を負い、生徒自身もそのレベルの教育を受ける権利を有する。 しかし、フリースコーレで教える科目に少なくとも国民学校と同じ内容の必須科目が含まれている場合は別として、フリースコーレでの授業の内容が国民学校で一般的に要求されるものと同じレベルにあるか否かを実際に確認するのはそう簡単ではない。何故ならば、フリースコーレにおける教育の形式と範囲を選択して決めるのは学校自身だからである。 フリースコーレおよび私立の基礎学校における 教育を受ける義務の履行とその監督に関するガイドラインには、フリースコーレで教える科目に国民学校での必須科目と同じ形式、同じ名称のものが含まれていなければならぬという要件は課されていない。個々の科目は、異なった複数の科目に含まれていてもよいし、ひとつの総合的教育プロジェクトの形で教えられてもよい。授業をどのような方法で展開するか、どのような教育手段を適用し、どのような器材を使用するかは、学校自身が決めればよい。 その他にも、フリースコーレは、それぞれの科目をどの過程で、どの学年で教えるか、どこに重点を置いて教えるかも自由に決めることができる。また、国民学校または別の教育形態を適用する学校から転校してきた生徒については、授業内容に関する同等性をどの程度まで認めるのが望ましいか、その点について考慮すべきである。そして、フリースコーレは、各クラスおよび各学年での授業をどのように組織するか、また、各学年での登校日は通常200 日とされているが、その期間の授業カリキュラムをどのように設定するかを決定しなければならない。
参考文献
http://www.asahi-net.or.jp/~pv8m-smz/society/hoeskole.html http://www.asahi-net.or.jp/~pv8m-smz/archieve/friskole_guideline.html http://www.asahi-net.or.jp/~pv8m-smz/archieve/Danish_Free_Schools.html
HN SIO