租税
出典: Jinkawiki
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- | 消費の背景には所得があることを課税の根拠にして、消費支出に課せられる税。日本では従来、特定商品の消費を課税対象とした物品税があったが、課税対象がアンバランスなどの理由から、1989年に廃止された。これにかわり、ほとんどの財・サービスを課税対象とする税率3%の消費税が導入された。税額分は価格に転嫁され、最終的に消費者が税負担する。非課税の対象は、教育・福祉・医療などの一部に限定された。食料品など生活必需品にも課税されるので、税が逆進的であること、支払った税が業者の手元に残って全額納税されない可能性があることなど、構造的な問題から反対も多かった。19997年から、税率が5%に引き上げられた。 | + | 消費の背景には所得があることを課税の根拠にして、消費支出に課せられる税。日本では従来、特定商品の消費を課税対象とした物品税があったが、課税対象がアンバランスなどの理由から、1989年に廃止された。これにかわり、ほとんどの財・サービスを課税対象とする税率3%の消費税が導入された。税額分は価格に転嫁され、最終的に消費者が税負担する。非課税の対象は、教育・福祉・医療などの一部に限定された。食料品など生活必需品にも課税されるので、税が逆進的であること、支払った税が業者の手元に残って全額納税されない可能性があることなど、構造的な問題から反対も多かった。1997年から、税率が5%に引き上げられた。 |
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== 累進課税制度 == | == 累進課税制度 == |
2012年1月30日 (月) 00:04の版
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租税
政府が、歳入調達を目的として、強制的に、何らかの特別対価なしに、他の経済主体から徴収する貨幣のこと。租税の主目的は、国や地方公共団体が独自の活動を行うための経済的祖の確保という点に求められる。また、租税は権力を背景として強制的に徴収され、その支払いは必ずしも提供されるサービスの便益とは一致しない。ただし、租税は所得の再分配や経済安定の手段としても利用され、目的税のように特定サービスの対価としての性格をもつものもある。望ましい租税の在り方について、アダム=スミスは、公正、明確、便宜、経費節約の4つの原則を示した。また、ワグナーは、9項目の租税原則を提起している。
納税の義務
日本国憲法第30条で、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」と納税の義務について規定している。同条は国民に納税の義務を課したものとして国家による徴税の根拠となっている。
租税の種類
国税
租税のうち、納税先が、政府である税のこと。租税収入全体の6割程度が国税収入である。国税を構成するのは、直接税では、所得税・法人税・相続税など、間接税では、消費税・酒税・たばこ税・揮発油税・関税などである。このうち、所得税・法人税・消費税・酒税で高税収入の8割を占める。
地方税
租税のうち、納税先が地方公共団体である税のこと。租税収入全体の40%前後が地方税収入となっている。地方税は、都道府県税と市町村税に分かれる。都道府県税では事業税と都道府県民税が、市町村税では市町村民税と固定資産税が中心である。
直接税
税法上の納税義務者と税を負担するもの(担税者)が同一である租税のこと。国税では、所得税・法人税・相続税など、地方税では、住民税・固定資産税・事業税などがある。国税・地方税とも税収全体に占める直接税の割合が大きい。 直接税では所得税のように、累進税率の適応が可能であり、所得の再分配に効果的である。しかし、多額の徴税費用がかかるという欠点がある。そのために、直間比率の見直しなどが進められた。
所得税
個人の1年間の所得金額に対して課せられる税。個人が給与・配当・事業などから得た所得額から、医療費・社会保険料など各種の控除額を差し引いた額が課税対象になる。納税には、納税者自身が税務署に申告する方法(確定申告)と、個人給与から雇用者が税金を天引きする源泉徴収による方法がある。
相続税
死亡した人から相続した財産のかかる租税。相続によって取得した財産の総額から、個人の借金や葬儀費用、基礎控除額を差し引いた額が、課税対象となる。配偶者や未成年者に対する特例措置もある。
住民税
その地域に住む個人・法人を課税対象としている都道府県民税と市町村民税をいう。東京都の場合は、都が都民税を、23区が特別区民税を課している。
固定資産税
固定資産を課税の対象として、その所有者に課せられる租税のこと。固定資産とは、土地・家屋や工場の機械設備など、長期間にわたって使用される資産をいう。毎年1月1日の現在の固定資産所有者は、固定資産課税台帳に登録され、納税義務者となる。
間接税
税法上の納税義務者と実際に税を負担するものが異なる租税のこと。消費税や酒税・たばこ税が代表的な間接税である。税金分が価格に上乗せされているから、最終的には消費者が税を負担することになる。間接税は、所得の多寡に関係なく国民が負担するから、生活必需品が課税対象となった場合、低所得者の税負担が重くなるという欠点がある。 また、特定の商品に課税対象とする個別間接税の場合、どの商品に課税し、どの商品を非課税とするのかの区別が合理的にできない欠点もある。しかし、徴税費用などが安いなどの利点があり、消費税の導入や消費税率の変更で間接税の割合が高まっている。
酒税
ビール・ウイスキー・清酒などの酒類にかかる税のこと。納税義務を負うのは、酒類製造業者と、輸入品では輸入業者である。酒税額は、製造業者・輸入元から出荷された酒類の数量に税率をかけて算出する。
関税
輸入品に対して課せられる税金。かつて関税は他の税と同様に、財政収入の確保を目的としていたが、今日では自国産業の保護を目的とした保護関税がほとんどである。納税義務者は、原則として商品の輸入者である。
消費税
消費の背景には所得があることを課税の根拠にして、消費支出に課せられる税。日本では従来、特定商品の消費を課税対象とした物品税があったが、課税対象がアンバランスなどの理由から、1989年に廃止された。これにかわり、ほとんどの財・サービスを課税対象とする税率3%の消費税が導入された。税額分は価格に転嫁され、最終的に消費者が税負担する。非課税の対象は、教育・福祉・医療などの一部に限定された。食料品など生活必需品にも課税されるので、税が逆進的であること、支払った税が業者の手元に残って全額納税されない可能性があることなど、構造的な問題から反対も多かった。1997年から、税率が5%に引き上げられた。
累進課税制度
課税対象の金額が増えると、より高い税率が適用される課税の仕組み。納税者はその支払い能力に応じて課税されるべきであるという考え方から採用されている。所得税の場合、高所得者には高い税率が、低所得者には低い税率が適用されることによって、所得の再分配効果をもつ。 しかし、税率の段階が細かいと、わずかな所得の上昇で高い税率が適用され、勤労意欲に悪影響を与えるという指摘もある。また、経済成長によって国民全体の所得があがると、自動的に増税になるという問題もある。 1989年の税制改革では、所得税の最高税率を引き下げ、税率のきざみも5段階に簡素化された。2007年からは、5~40%の6段階。
租税特別措置
何らかの政策目標を達成するために租税を減免する措置のこと。所得税や国税については、租税特別法によって減免が規定されている。高度経済成長の時期には、企業の国際競争力強化のために、輸出損失準備金など多くの租税特別措置が取られた。
利子所得優遇
預貯金や公社債などの利子から得られた所得が利子所得である。利子所得には、貯蓄優遇策として税負担を軽減する措置が取られてきたが、これを利子所得優遇措置という。
徴税の方法
徴税する方法として普通徴収、源泉徴収、特別徴収がある。普通徴収とは、納税者自身が税務署に申告する方法(確定申告)である。源泉徴収とは、個人給与から雇用者が税金を天引きする方法である。特別徴収とは、地方税や社会保険料を本来の納税義務者から直接徴収し納付させるのではなく、当該納税義務者が得る給与や公的年金を支払う事業者が税金等を代わって預かりその徴収すべき税金等を納入させる方法である。 課された租税が滞納された場合には、一定の要件によって徴収権者は滞納者の財産を差し押さえ、換価するなどの方法により、租税を強制的に取り立てることができる。
参考文献
星沢哲也「フォーラム現代社会」2007 東京法令出版
現代社会編集委員会「用語集 現代社会」2007 清水書院
国税庁 http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/gakushu/kyousitu.htm
HN book