センター試験

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センター試験

概要

日本において、毎年1月中旬に2日間行われるマークシート形式の全国統一テスト。1日目に文系科目、2日目に理数科目が行われる。国立大学は「センター試験+独自の試験」という形をとるためこの試験を受けることは必須。また、多くの私立大学(一部を除く)も数多くの入試方式の中に、この試験の結果のみで合否を出すという入試方式(センター利用方式)を用いているため、大学入学を目指す多くの人がセンター試験を受ける。

歴史

かつて日本では、センター試験の前身である「共通一次試験」(1979年導入)が用いられていた。しかし、大学入試競争の激化の中、学習指導要領から逸脱した逸脱した難問・奇問を廃する目的で1990年から「大学入学者選抜大学入試センター試験」と改称されたのである。


センター試験の功罪

1. 功 点数配分や、範囲なども決まっている事、更に過去問も多く残っているので、受験生側としては対策が立てやすい。また、方式が決まっている事は毎年平均点も大方安定しているので、それを元に自分が取れる大方の点数が予測できるため、志望大学を絞りやすい。採点者側にとっては、客観視しやすい。

2. 罪 大学側が求めている学生像とのギャップが、近年学力低下問題として騒がれているが、その原因の一つとしてセンター試験が挙げられている。それは、生徒側はセンター試験の点数を上げるための対策しかしないことで、断片的で偏った知識しか身に付かないという理由である。さらに、センター試験のために高校の終盤のカリキュラム違反をしてまで対策をうつ高校もあり問題となった。


その他諸問題

センター試験の影響を受ける層が限られているという問題もある。生徒の大半が東大をはじめとするブランド大学を目指す学校(層①)はセンター試験の影響を受けない。なぜなら、それらの高校は多くは私立の中高一貫校で、早いうちからカリキュラムを消化できるのと、上位大学のセンター試験の比重は少なく足切り程度に使われるくらいだからだ。次の、生徒の多くが中堅国公立・有名私立大学を受ける学校(層②)が最もセンターの影響を受けるといえる。この層では、センター試験の結果で、国立大学ならある程度の合否が予測可能であるため、層②の高校生は、センターを突破するために多くの青春時代を費やしているという見解もある。それ以下の学校(層③)はあまりセンターの影響を受けない。なぜなら、彼らの中の進学希望者は定員確保に必死な私立大学を希望する生徒が多い。ここでは、その大学に推薦で進学する生徒が多いため、カリキュラムに準じた対策を行うため影響を受けにくいのである。


補足

2012年に行われたセンター試験では各地でトラブルが多発し、「センター試験」という名前を改称しようかという検討がなされている。


参考:谷口典雄・山口和孝 編2011『センター試験―その学力に未来はあるか―』    中村高康 編 2010年『大学への進学 選抜と接続』


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