社会福祉

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社会福祉(social welfare)は、私たち一人ひとりの「心地良い暮らし」を意味する「福祉」について、これを、私たちの信託を受けた国家(政府)が、その責任の下で法を定め、社会としての運営を図りながら保障しようとして体制化されたものをさす。つまり、未成年者や高齢者、障害者で生活を送るうえでなんらかの支援や介助を必要とする人、経済困窮者やホームレスに対し、生活の質を維持または向上させるためのサービスを社会的に提供すること、あるいはそのための制度や設備を整備することをいう。


日本の社会福祉の歴史

飛鳥から奈良・平安期までの約3世紀は、天皇制国家が成立し、展開、そして衰退へと向かう流れの中で公的救済の実施を見ることが出来る。その古くは聖徳太子によって「四箇院」(悲田院、敬田院、施薬院、療病院)が建てられ、救済対象を61歳以上で妻のいない者、50歳以上で夫のいない者、16歳以下で父のいない者、61歳以上で子がいない者、66歳以上の者、疾病者と定めた。対象者には役所から米穀の現物支給が行われた。しかし当時は貧困救済の色が強く、福祉という言葉は使われていなかった。

世を挙げて戦国時代になると、民生安定の必要から慈善救済に熱心な戦国大名が現れた。例をあげると、上杉謙信が凶作に備えて政策を実施、武田信玄は釜無川に信玄堤を築き、水害から領民を守っていた。

文明開化の世になり、急速に近代化に進む中、明治政府が実施したのは、恤救規則である。この法律は救護法が設立するまでの50数年間存続し、公的救済の立法化がいかに遅れたものであるかを示す好例をなっている。

1945年の敗戦によって、新たに米軍の占領下における福祉政策が開始された。混乱した社会情勢の下、緊急課題となったのは戦争被害者の救済であった。GHQでは翌年、「社会救済に関する覚書」を発行。これは一般的には公的扶助4原則と呼ばれ、「無差別平等の原則」「公私分離の原則」「救済の国家責任」「必要な救済に制限を設けない」といったものであった。

社会福祉の担い手

専門職

専門職とは、一般的にその領域に関する何らかの資格を持っていたり、大学や専門学校で専門教育を受けた担い手をさす。社会福祉の専門職に関する資格は、国家資格から任用資格まで幅広く存在している。

ソーシャルワーカーとケアワーカー

社会福祉の専門職は、主に相談援助業務を担うソーシャルワーカーと、介護や保育といった生活の世話を担うケアワーカーのふたつに分類される。

ソーシャルワーカーは社会福祉の機関、団体、施設、住宅サービスの現場で、相談を受けることによって明らかになった利用者のニーズや家族ニーズ、住民ニーズを社会的・心理的側面から支援を行う。そのため、まずは相談場面での利用者の訴えを十分に理解できる面接技術が必要とされている。

ケアワーカーは、高齢者や障害者の日常生活の世話を担う介護職と、子供たちの教育の世話を担う保育職に分けられる。どちらの職種も、長時間にわたり複数の利用者の世話をすることが多く、チームアプローチが原則となる。

当事者組織

当事者とは、社会福祉サービスを利用する利用者自身をさすが、当事者組織の場合は、当事者以外にその家族や支援者を含む組織の場合もある。自らのニーズ解決に取り組む組織と、施設や地域社会での自分たちの権利擁護の活動に取り組む組織のふたつに分類できる。

ボランティア

個人や集団の自発的な動機付けによる活動であり、近年多様な広がりを見せている。従来、社会福祉の領域では、「ボランティア」という言葉は社会福祉サービスに関連した無償の善意の行動を意味していた。しかし、近年、その活動は環境美化や保全、地域の安全維持活動など広範囲にわたっている。

NPO

NPOとは、「民間非営利組織」など、地域社会衣や国際社会で、自分たちの専門性を生かし、さまざまな市民活動や支援、救援に取り組む民間の営利を目的としない活動をさしている。利益の追求よりも、社会貢献や公益性を重視する民間活動である。

参考文献

北川清一・遠藤興一 「社会福祉の理解」 ミネルヴァ書房 2008年

河野正輝 他 「社会福祉法入門」 有斐閣 2008年


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