ノート:フォルケホイスコーレ8

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2012年2月11日 (土) 12:08の版

フォルケホイスコーレ


 フォルケホイスコーレ(Folkehoejskole)とは語義的には「民衆の大学」を意味する。北欧全土に広がる独特の成人教育機関であり、通常の公教育から独立し影響を受けない私立学校群である。フォルケホイスコーレはデンマークの教育システムのなかでは、「成人教育」のなかに位置づけられているが、「学校を超えた学校」と指摘する人もいる。

フォルケホイスコーレの特徴


 フォルケホイスコーレは、試験もなく資格も問わないので、18歳以上の人なら誰でも学ぶことができる。国籍も問わないが、授業はデンマーク語で行われるので、日本人なら誰でもいいというわけにはいかない。 フォルケホイスコーレは全寮制で、生活や食事をみんなで共にする共生が重視される。とくに3度の食事と3度のお茶の時間は重要で、ここで生きた言葉と対話がリラックスしたかたちで可能になり、互いにうちとけていく。 期間は3ヶ月から6ヶ月というものが多く、複数の学校を渡り歩くこともできる。デンマークでは大学へ行く前や会社を中途で辞めてからここに来て、自分のモチベーションを探すという形が多くなってきている。 また、国際的には成人教育機関として受け取られ、最近は先進国でもはやりの合宿型のカルチュア・センターみたいなものと理解されがちであるが、デンマークでは履歴書にも書ける学校で、スウェーデンやフィンランドでは資格も取れる専門学校的扱いになっている。しかし、この学校自体の歴史が行政によらない民衆の対抗教育として続いてきたので、やむなく成人教育の範囲に入れられている。 この学校の歴史が民衆の対抗教育というものであったため、国家からの自由というものが一番大事な思想になっている。しかし代々、この学校出身者が政権を担当したので、今までは経常費の約8割を行政からの援助によりまかない、財政的には公立学校に近いものになっている。しかし、カリキュラムや人事など、学校の内容や運営にはいっさい行政は関知できないことになっており、行政から独立した私立の学校というスタイルが守られている。


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