アメリカのエリート教育

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==参考文献== ==参考文献==
佐々木紀彦『米国製エリートは本当にすごいのか?』東洋経済新報社(2011) 佐々木紀彦『米国製エリートは本当にすごいのか?』東洋経済新報社(2011)
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釣島平三郎『アメリカ 最強のエリート教育』講談社(2004) 釣島平三郎『アメリカ 最強のエリート教育』講談社(2004)
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 ここではアメリカのエリート教育、中でも大学教育に焦点を当てる。アメリカのエリートと日本のエリートの違いは何か。そもそもエリート教育とは何か。アメリカのエリート教育に関しては佐々木紀彦氏の『米国製エリートは本当にすごいのか?』が詳しい。一般的に、アメリカの大学の授業、日本の大学の授業の違いは何だろうか。以下にそれをまとめた。

目次

アメリカの特徴

・大量に文献を読ませ、大量にレポートを書かせる

・基本的に講義1つに対して、ディスカッションが1コマ設定されている。

・学部は日本で言う教養課程のような扱いであり、専門分野は大学院になってから本格的に勉強するという形が多い。

日本の特徴

・テスト形式が多い。そのため、問題の回答を覚えてしまえば、答えられるケースが多い。

・基本的に講義を聴講する形がほとんど。ディスカッションを取り入れるには人数が多すぎてできないというのが現状。

・専門教育は大学4年のうちの後半2年、もしくは1年次から平行して学ぶケースが多い。

議論

 一般的にアメリカの大学というと日本の大学に通う学生からは非常にエリートな印象がある。しかし、先述の佐々木氏によれば、「言語の壁はあるものの、日本のエリート大学(東大、京大)と大差はない」と語る。アメリカの大量のインプット、アウトプットのサイクルを繰り返すというのは日本ではあまり見受けられない。というのもアメリカの入試制度が大きく関係している。アメリカの大学に入学する際、基本的にTOEFLのスコア、エッセイ、高校の成績で判定されるため、日本で行われるような「入試」が存在しない。そのため、高校卒業後に本格的に学問の世界に入り、基礎を身につけていく。

 一方、日本では「入試」という一回きりの試験が入学できるか否かを判定する唯一の材料になるために、高校2年の終わりから3年生にかけてスタートする「受験勉強」によって、学問的基礎はアメリカの高等学校卒業時よりも高い。しかし、その反面、日本の大学は留年率が低く、課題も厳しくないので、入学してからの伸びしろが小さいと批判される。アメリカは入学時には日本の大学入学生よりもレベルは低いかもしれないが、その後の課題や研究活動によって日本を追い抜いていく。

 それを反映する一つの良い例が就職活動だ。日本国内で就職活動を行う際、「大学で何を勉強してきたか?」というのは理系の大学院生などを除き、あまり深く言及されない。それよりもアルバイトだったり、サークル活動を通しての実績を重視する傾向がある。これに対し、アメリカでは課外活動はもちろんだが、基本として大学の成績がどのくらい高いかというのは就職活動の際にも非常に大きな要因だ。理由の一つとして、それだけ企業側が大学の授業を信頼しているからだ。講義も毎年まったく同じ講義が行われることは稀で、大学教員も生徒からの評価、学術的業績が強く求められるなどの理由がある。

参考文献

佐々木紀彦『米国製エリートは本当にすごいのか?』東洋経済新報社(2011)

釣島平三郎『アメリカ 最強のエリート教育』講談社(2004)

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