マルクス主義3

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こうしたマルクス主義の主張は、資本主義社会にとってラディカル(根底的)な批判であったため、資本主義社会を死守しようとする側からは、常に排斥の対象になった。日本における「赤狩り」やアメリカにおける「マッカーシズム」はその典型例である。マルクス自身は、『資本論』において、資本主義社会の問題点を「生産手段を私的所有する資本家」が強大な権力をもつこととして把握した。この点に注目するならば、歴史的に見て、資本主義社会は、マルクスの主張を受け入れ、様々な制度的規制を行って資本主義を延命させてきた。一方、社会主義社会は、英雄やその姻戚者たち、あるいは官僚が社会の実権を握り、エリート層を形成することで、マルクスが理想とした平等な社会の実現に失敗したと言える。ここに、マルクス思想とマルクス主義を区別する必要性があるのである。 こうしたマルクス主義の主張は、資本主義社会にとってラディカル(根底的)な批判であったため、資本主義社会を死守しようとする側からは、常に排斥の対象になった。日本における「赤狩り」やアメリカにおける「マッカーシズム」はその典型例である。マルクス自身は、『資本論』において、資本主義社会の問題点を「生産手段を私的所有する資本家」が強大な権力をもつこととして把握した。この点に注目するならば、歴史的に見て、資本主義社会は、マルクスの主張を受け入れ、様々な制度的規制を行って資本主義を延命させてきた。一方、社会主義社会は、英雄やその姻戚者たち、あるいは官僚が社会の実権を握り、エリート層を形成することで、マルクスが理想とした平等な社会の実現に失敗したと言える。ここに、マルクス思想とマルクス主義を区別する必要性があるのである。
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 +==参考文献==
 +今村仁司『マルクス入門』筑摩書房(2005)

2012年2月11日 (土) 18:12の版

 マルクス主義とは、カール・マルクスの主張に共鳴した者たちの思想(イデオロギー)をいい表す言葉である。従ってマルクス自身の思想に加えて、毛沢東やレーニンをはじめとして、社会主義的思想家の言説も含まれる。基本的な主張は、

(1)唯物論的歴史理論-歴史の発展は主観から独立した客観的過程としての生産力の発展に究極的には規定されている。

(2)剰余価値の理論-生産の社会的性格の発展と所有の私的性格との矛盾。あるいは資本主義的発展の限界としての利潤率の傾向的低下の法則。

(3)階級闘争の理論-共産主義革命は労働者階級の歴史的任務である。

の3点である。

こうしたマルクス主義の主張は、資本主義社会にとってラディカル(根底的)な批判であったため、資本主義社会を死守しようとする側からは、常に排斥の対象になった。日本における「赤狩り」やアメリカにおける「マッカーシズム」はその典型例である。マルクス自身は、『資本論』において、資本主義社会の問題点を「生産手段を私的所有する資本家」が強大な権力をもつこととして把握した。この点に注目するならば、歴史的に見て、資本主義社会は、マルクスの主張を受け入れ、様々な制度的規制を行って資本主義を延命させてきた。一方、社会主義社会は、英雄やその姻戚者たち、あるいは官僚が社会の実権を握り、エリート層を形成することで、マルクスが理想とした平等な社会の実現に失敗したと言える。ここに、マルクス思想とマルクス主義を区別する必要性があるのである。

参考文献

今村仁司『マルクス入門』筑摩書房(2005)


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