食料問題

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2013年8月2日 (金) 14:48の版

穀物のむだ

 肉などの畜産物を1kg生産するためには、その何倍もの穀物が必要です。牛肉1kg生産するのに11kg、豚肉1kgでは7kg、鶏肉1kgでは4kg、鶏卵1kgには3kgの穀物が必要です(この数値はもっと多いのもあります)。つまり、穀物をそれだけ無駄に消費しているのです。穀物としてそのまま食べれば、より多くの人に食料が分けられるのです。肉を食べるということは何人分もの食料を犠牲にして食べているのです。  世界の穀物の約40%は家畜のための飼料用にされています。世界3大穀物のとうもろこしでは、64%が家畜のための飼料になっています。アメリカと日本は75%以上を飼料にしています。3大穀物のもう1つの小麦は、16%が飼料用にされています。私たちが食用に食べる、とうもろこし、小麦、大豆、米、いもなどは全て飼料用にも使われているのです。  先進国では家畜の生産のために多くの穀物が飼料用に使われているのですが、途上国ではその穀物を食用に主に用いるのです。先進国で飼料用に使われている穀物を、途上国の人々と分かちあえば、大勢の人が食べられることになります。食料が足りないのではなくて、家畜に穀物を食べさせるから、食料が足りなくなるのです。



日本にける穀物の大量輸入

 日本では穀物、特に家畜の飼料を大量に輸入しています。それは、飼料自給率が25%であり、濃厚飼料自給率は10%だからです。飼料には2種類あり、1つは粗飼料(牧草など)で、もう1つは濃厚飼料(とうもろこし、麦類など)です。このうち、とうもろこしを始めとした濃厚飼料をほとんど輸入に依存しています。  世界の農産物貿易で日本は、とうもろこし第1位、大麦第3位、大豆第4位、小麦第4位の輸入量です。全てが飼料用にも使われていますが、特にとうもろこしと大麦の多くは飼料用に使われています。とうもろこしは実に75%もが飼料用に回されているのです。  穀類全体の輸入量は2700万トンで、一方の国内生産量は990万トンです。輸入量と国内生産量を合わせた国内の消費は、食料よりも飼料用の方が多いのです。穀物全体で40%以上が飼料用として消費されています。  つまり、私たち日本人は穀物を直接消費する食料の穀物よりも、家畜に間接的に消費させる飼料用の穀物の方が多いのです。  そして、少なく見積もっても、輸入穀物のうち半分以上が飼料用として消費されているのです。  私達、日本人は何気なく肉を食べ続けていますが、それでいいのでしょうか。日本の畜産業は輸入に依存して成り立っています。世界で生産される穀物には限りがあります。とうもろこしだけ見ても、日本は一カ国で輸入の20%を占めています。そして、それらのほとんどが飼料用に回されるているのです。世界を見ると、アフリカなどの開発途上国ではとうもろこしを主食に用います。日本が大量に高いお金でとうもろこしを買うと、経済的にも量的にもそれらの国々は買えなくなります。言い換えれば、私たちが肉を食べるということが、世界の飢餓や栄養不足の人々に影響を及ぼしているのです。


飢餓と栄養不足

 世界には8億人以上の栄養不足の人々がいます。 一方、欧米などの先進国では肥満の人がいます。そして、過剰摂取のために太った体をエネルギーとお金をかけてわざわざダイエットをしています。そうでなくても、私たちは飽食やグルメをし、世界中の食べ物を集めて食べています。そして、大量に食料を廃棄しているのです。  同じ世界に、一方では十分に食料を食べれなくて餓死したり、常にお腹をすかせている人がいるのに、その一方では必要以上の食料を食べ、飽食をしている人がいます。  この構造は異常とはいえないでしょうか。

 果たして、世界中で食料は足りないのでしょうか。穀物の総生産量は約20億トンです。人口1人当たりは338kgの穀物があります(2000年)。ところが実際は、先進国と開発途上国では大きな較差があり、家畜に飼料として与えるているので、途上国ではもっと少ないのです。

1人当たり年間食料消費量及び摂取カロリー量(1997/99 平均)

先進国と開発途上国では多少の穀物の差があります。この消費の差は、穀物を家畜に与えているためです。直接消費する穀物は途上国の方が多くなっています。これは途上国では穀物を直接食べることが主で、先進国ほど肉を食べないからです。 参考URL http://www7a.biglobe.ne.jp/~arugama-ma/vegetarian/foodissue.html HN ZY

必ずしも、飢餓や栄養不足の原因が畜産消費をすることではありませんが、それらの大きな要因として食料分配の不公平さにあります。そして、その具体的なこととして、肉類を始めとする畜産消費にあるのです。


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